2017年10月9日月曜日

鈴木大地(スポーツ庁長官)        ・スポーツが創る未来とは【“2020”に託すもの】

鈴木大地(スポーツ庁長官) ・スポーツが創る未来とは【“2020”に託すもの】
誕生してから3年目に入ったスポーツ庁は今年から新しい5ヶ年計画をスタートさせています。
スポーツが作る未来とは鈴木大地さんに伺います。

自分たちが周りの皆さんと一緒にスポーツ庁の仕事をどうやって進めていくのかと言うところから始めて、スポーツ行政が進めていけてるのかなあと思っています。
体育の日は東京オリンピックの開会式を契機につくられて、記念すべき、非常に大事な日だと思いますが、時代の移り変わりとともに、ビジネス、エンターテイメントとして考える方もおり、従来の体育という概念ではとらえきれない面が出て来ました。
体育の日もスポーツという名前に変わってくるかもしれません。
スポーツに対する世の中の見方も変わってきたので、スポーツの方がふさわしくなってきたのかなと言う気がします。

これまで水泳を中心にスポーツと関わって来ましたが、障害者スポーツを含めて夏、冬のオリンピック、パラリンピック、学校体育、部活など幅広くスポーツ行政があり、地方を元気にできるのではないかとか、ビジネスパーソンとの向き合い、働き方改革など色んな事と接するようになりました。
競技団体の役員とかやってきて少しづつ今の役に立っていると思います。
パラリンピックも昨年初めてみて、競技性の高いものであることを知りませんでした。
今年4月から第二期スポーツ基本計画 2017年~2022年3月までの期間。
「スポーツが変える、未来を創る」と、巻頭に書いてある。
4つの指針
①国民がスポーツで人生が変わる。
②スポーツが社会を変えて行く。
③スポーツを通じて世界とつながって行く。
④未来を創って行く。

①国民がスポーツで人生が変わる。
 人に依っては選手として大成して行く、単純に面白いと感じて健やかに過ごせる。
  高齢者がスポーツをすることで交流、健やかな長生きの生活が出来る。等
 今、成人がスポーツをやるのは42、5%→65%にしたい。(2022年までに)
 ライフスタイルのなかにスポーツを取りいれて行く。
 競技スポーツを考えがちだが、娯楽、気分転換などもスポーツなので、自ら意図的に身
 体を動かしてゆく。
 亡くなる前の10年間が健康でなかったりする時期があって平均寿命がありが、健康寿命
 を伸ばす役割があるのでは無いかと思います。
 出来れば病気にならない身体をキープするのが一番いい。
 定期的にスポーツ、運動されている方はやっていない人よりも健康的です。
 スポーツを強制はできないが、持っている機能を使ってゆくことは大事だと思います。
 スポーツ嫌いを少なくして行く話をした時に、ほっといてくれと言うことが出てきて、
 体育の授業が嫌いにさせてきたという一面があり、体育の授業の事も推進していきたい
 と思っています。
 
 一般の女性に関してしては、一番低くなっているのが20~40代の人達です。
 生活の中でのライフスタイルを少しいじる。
 中学の部活、種類が少ないので辞めてしまうと言うケースがあり、女性のスポーツ参加
 を促すような施策をしていきたいと思っています。
 出産後も選手を続けるようにも対応できるように色々整備してゆきます。
 バレー、サッカー、バスケットボール等有力な高校の選手が大学に行かずに、企業チー
 ムに行く場合が多いが、良い環境で出来ると言う。
 教員免許が取れなかったりするので、指導者も少なくなる、競技団体の役員も少なくな
 ってしまう。
 大学のスポーツ環境を整えて行くことが、女性の社会進出にも繋がって来ると思いま
 す。

②スポーツが社会を変えて行く。 
 スポーツの効果、一番大きいのが健康な体を作って、元気に溌剌と人生を送っていけ
 ることが可能性としてある訳です。
 年間の医療費が40兆円を超えて行っており、これをスポーツが国民に浸透してゆくこと
 で医療費の右肩上がりを軽減する事が出来るのではないかと思っています。
 それを元に大きく社会を変えることができるのではないかと思っています。
 自分の事は自分でする、社会に対して、迷惑をかけない生き方と言ってもいいかもしれ
 ません。
 そのためにはスポーツの役割は大きいと思います。
 今のスポーツ市場5.5兆円→15兆円に拡大(2025年までに)
 欧米では過去10年で2倍、3倍に伸びているが、日本では2002年~2012年までに7兆
 円あったものが5.5兆円にシュリンクしてしまった。

 スポーツは経済成長の分野で期待されている。
 施設を街のなかに作って街作りの中心として街を変えてゆくという動きもあり、広島球
 場は大きく広島の街を変えて広島市民のいい生き方の中心的な存在だと思います。
 スタジアム、アリーナ構想。
 地方では素晴らしい環境があるが、地方に根差したありかたが地方の元気、アイデンテ
 ィティーを今一度取り戻すきっかけになってくれればいいと思います。
 スポーツと関わるときにする人、見る人、支える人がおり、アリーナなどは地元のチー
 ムを市民が応援に行く色彩が強いと思うので、色んな人たちがスポーツと関わる多様
 性、色んな社会を提供してゆくことが大事だと思っています。
 スポーツでお金を稼ぐことに対して、一部では抵抗感があるが、収益を環境整備に充て
 て、整備した環境でスポーツ人口が増えて行く、正への好循環を目指しています。
 ビジネスとしてスイミング業界も成り立っていて、そこから得たものがあるのではない
 かと思います。
 
 大学のスポーツの試合がどのぐらいメディアに取り上げられているかと言うと高校より
 も少なくなってしまってます。
 まだここには潜在能力が眠っているのではないかと思います。
 大学スポーツの活性化が必要だと思っています。
 ソウル大会の1年後にミシガン大学に留学しましたが、アメリカのフットボールを見に
 行ったときに10万人のスタジアムに一杯入っており凄いなと思いました。
 カルチャーギヤップを感じまして、旗振り役になって、地域でスポーツで盛り上がるよう
 な雰囲気を日本全体で作っていけたらと思います。
 障害者スポーツは厚生労働省の所管が数年前文科省、2年前からスポーツ庁に移管されて
 急速に進行しているところです。 
 いずれ健常者も障害者になるのではないかと言うことで、障害者スポーツの皆さんがや
 りやすいように社会を変えて行く、誰もがよりよい社会として生きていけることにつな
 がるものと思っています。

③スポーツを通じて世界とつながって行く。
 「スポーツ フォ トモロウ」と言うプログラム 100カ国以上の人と1000万人以上
 の人達とスポーツ交流を行う。
 日本から指導者を送る、日本の学校のシステムなどを輸出してやってみる。
 スポーツの持つ力、規律、教育としてスポーツを捉えて、外国に輸出することで協力が
 出来るのではないかと思っています。
 スポーツでの国際協力が可能になって積極的に進めています。
 オリンピックを通じて、心底スポーツっていいなあと思いました。
 お互いが敵ですが信頼しあえる間柄になりました。

④未来を創って行く。
 大きな大会が3つ続きますが、誇りを各人に持ってもらえるような大会にしたいです。
 2020年を契機にスポーツをする人がより増えて、健康な国民を大勢作っていき、健康に
 対して、自分の将来に対して目くばせできるような国にして行く、と言うことで、2020
 年を契機に活力のある国にスポーツを通じてしてゆく、これが2020年のレガシーとして
 残していけるようにしたいと思います。