2014年5月10日土曜日

濱田滋子(教科書翻訳ボランティア)  ・読み書き障害の子らをパソコンで支えて

濱田滋子(教科書翻訳ボランティア)  読み書き障害の子らをパソコンで支えて
障害のある子たちに教科書をパソコン上で読めるように、聞けるようにするためのデータ作りをしている奈良県NPO法人ラディーの代表濱田さん、57歳です。
濱田さんは現在25歳になる娘さんが小学校低学年の時、文字を読むことが困難な読み書き障害があると気付きました。
こうした障害がある人達にはパソコンやタブレット端末などの画面上で文字を拡大したり、音声で再生したりすることができる、国際規格デイジーで造られたデジタル図書が理解に役立つと知りました。
それ以来、全国のボランティアのネットワークを通じて、教科書のデジタル図書化の作業に取り組んできました。
様々なハンディーが有って、文字の認識が困難な人達にも詠む権利を保証してほしい、そういう濱田さんの想いを聞きました。

音声再生、読んでいる場所の色が変わってゆく。 文字もかなり大きくできる。 色も変えられる。
設定で色々変えることができる。  戻ることも出来る。 飛ぶことも出来る。スピードも変えられる。
注釈は別ページに表示。
左側にはその本の構成、等が見られるようになっている。
数学は数式があるので数学専用ソフトで行っている。
もともとは録音図書の為に開発されたもの。
デジタル化する場合に、こういう企画を考えた。 テキストと画像を同期させ更に発展させた。
知的障害、肢体不自由な方、聴覚障害、自閉症、発達障害の方など、読み書き障害の人達にもとても役に立つと言う事で造られています。
外国語を勉強するときにも、古典を読むとき、高齢者のかた、にも役に立つ。

小さなときから絵本が大好きで、沢山絵本を読んであげていたが、小学校に上がって字を覚えるときになってなかなか覚えられない、とても読み方がたどたどしい、判らないと言いだして、文章をどこで区切っていいかわからない。 内容を理解できない。
色々よめないタイプがある。
読み書き障害が見た目には判らない。 どちらかと言うと口達者だったりする。
誤解されることが多い。 本人も読み書き障害と気がつかない場合が多い。
読み書き障害と判ったのは、TVで学習障害が取りあげられていたのと、本を読んで読み書き障害を知ったのが丁度同じ時期だった。
本人のペースに合わせる。 最初は頑張らせようとしたが、あなたはここまででいいよ、と言ってあげるように意識して変えていかないといけなかった。
先生は個別指導はどうですかとか、提案してくるが、皆と同じがいいと娘は言っていた。

なにか本を読んだりするのに助けになる方法は無いかと探していたところ、同様な症状のお母さんからの情報でデイジーと言うものがあるらしいと教えてもらった。
日本障害者リハリビテーション協会が図書を作る講習会をしていると言う事で、それに参加して作り方を教えてもらって、今の活動が始まった。(子供が中学2年生の時)
反抗期で、教科書とかを造り変えて、自分の声で録音していたら、もうこれ以上お母さんの声を聞きたくないと、大失敗でした。
2003年に会を発足させた。
娘は最初読もうとしてくれなかった。
読む事に困っている人にはとても役に立つものだという確信が持てたので、困っている人たちには役に立つと思ったので活動を続けました。

内容を理解すると「ごんぎつね」にとても感動して最後 ごんが死んだらかわいそうだと、いって感想をいったりして、読めて内容が理解できると皆と同じところに立って、次のステップに行けるが、それが皆読めないことでスタート地点にたてない。
デイジー図書に子供の時に出会っていたら違った人生を歩んだんだろうなあと、うらやましいなあと40歳代の読み書き障害の人は言っていた。
教科書が読めるか読めないかは根本的な問題だと思う。
デイジー教科書ネットワークを立ち上げて全国の19の団体が連携を取って、教科書をデイジー化しているが昨年198冊、全部で 小学校が280点、中学校が130点の教科書がある。
高校は1200点になる。
4年ごとに改定があるので、なかなか先に進めない。 又1から作り直すことになる。
高校からも要望がるが、手が回らない。
19団体で100人ぐらい。  仕事にひと段落ついた人が参加して下さる。(高齢者が多い)

パソコン、タブレット端末も色々出てくるので対応が追い付かない。
ソースはマルチメディアデイジー図書として出力しているが、音声図書、点字図書、としても出力できる。
世の中の情報は、文字情報が多い、本だけではなく、地域の広報誌、書類、取り説など色々ある。
この活動を読む権利の保障をするものだと考えて活動しています。
いろんな人達が平等に情報を取り入れることができる、そういう事を保障された社会作りをして行きたいと思っています。
教科書については、教育の大切な部分なので、国が責任を持って保証してほしいと思います。
2010年著作権改正で、文字の認識ができない人(視覚障害者以外)、も対象になった事は大きな前進。
2008年教科書バリアーフリー法が出来て、発達障害とかで教科書を読めない人にも、教科書を読める形にしていいと言う事になった。

誰が作るのか、ボランティア頼み。  
国語の教科書 1冊デイジー図書で作るとしたら100時間ぐらいはかかる。
皆寝る暇がない様な感じです。  授業と追っかけっこ。
出版社がもともと作るときに、そういう形で作ってくれれば、とても助かる、それで済む。
教科書以外も出版社がデイジー規格で作ってくれれば、それに音を付けるとか、人のニーズにあう形にするとか、そういう点は私たちがサポートして行けばいろんな出版物の読みやすい環境が作れる。
文科省が2012年度 調査 学習に困っている中で、読み書きに困っている子は2.4%居るという結果が出ている。
周りが、自分が判らないまま人に誤解を受けながら、大きくなってしまうと言う事は、それはなんとかしたい。
しっかり自分で判って、自分で自分をはぐくんでいける環境を是非作ってほしいと思います。