2020年2月9日日曜日

進藤均(障害者就労支援会社社長)     ・「ワクワクする人生のパートナーとして」

進藤均(障害者就労支援会社社長)   ・「ワクワクする人生のパートナーとして」
新藤さんは今年47歳、30歳で社会問題をビジネスで解決すると宣言し、3人で障害者の就労を支援する会社を立上げました。
周囲の反対が多かったようですが、インターネットを活用した就労新サイトは順調に伸び従業員は200人を超えておよそ1万人の障害のある人たちの就労を支援してきました。
新藤さんは障害者への偏見をなくすことがまず第一、これからは障害者だけなく、社会で不自由な生活を強いられている人たちなど、誰もがワクワクする人生を送れる社会システムを作りたいと言います。

会社案内には会社を立ち上げた目的は社会問題をビジネスで解決する、と書いてあります。
利益のために働くというのが会社の目的ですが、一方で世の中に困っている人たちが一杯いて、この人たちを救うという事で働くことができないかと考えたときに、この両方ができると幸せなんじゃないかとこんな会社を作りました。
障害の害をひらがなにして、「障がい」としました。
悪い印象を変えたいとあえてしました。
障害者も普通の一人の人間なんだというメッセージを込めて害をひらがなにしました。
障害のある人とは小さいころから出会う場面が多くて、学校も別々、働くところも別々で、昔には障害者を外出させないという様な風潮もあって、分断された、隔離された世界に生きているという問題意識があり、これを変えたいと思ったのがきっかけです。
学生時代から何かそういった、距離感というものに関しての問題意識はありました。
会社に就職しましたが、30歳で会社を立ち上げました。
その時には結婚して子どももいました。
既にこういった会社を作ろうと10,20のアイディアを妻に話していましたが、反対をされていました。
今回のこの事業を先輩、上司、ビジネスマンなどに相談するとみんな反対しましたので、難しいと思いましたが、どうしてもやりたいという思いもあり妻に相談したら、妻だけは賛成してくれました。

マンションの一室で3人で創業しました。(17年前)
障害者向けにサ-ビスをするというと、NPO法人、社会福祉法人であったりで、営利という会社が障害者にサービスをするという文化が無くて、株式会社自体が存在していませんでした。
僕の中には人間的な差別はなくて、彼らにいいものを提供して彼らが納得してお金を払うのであれば、それは儲けてももいいんじゃないかと思いました。
障害者の就労というものを通じて、世の中の人たちが差別、偏見なく障害者と一緒に働く世界を作りたかったので、あえて株式会社でやる意味もそれを壊す意味で株式会社にしたという事もあります。
7,8年前から企業、役所の法定雇用率を段々言われるようになって、数年前公務員の方で随分水増していたというニュースがありました。
それまで障害者を雇う事は消極的でした。
あのニュースは障害者を受け入れたくはないという事で大変心が痛みました。
企業側は障害者に合ったものをという事で取り組んでいたので、企業側は怒っていました。
その後国からも手伝いをしてほしいと依頼されました。

就労、転職をするサイトを立ち上げました。
インターネットで求人表が一杯載っているサイトで、自分で検索ができてというシステムを最初に作ったという事が大きかったです。
求人したいという会社が約1000社あります。
それを見て応募したいという方が、インターネット上で申し込みをするシステムで、企業の人事に自分の情報が直接届くという事が特徴です。
応募が駄目な時にはカウンセリングができることができて、場所、仕事内容、障害の内容などをカウンセリングをして、その人に合った求人紹介もしています。
障害ある方と企業を結び付けるというのは情報だけでは難しくて人が介在する必要があります。
障害者の方も細かな要望がいっぱいあって、企業も細かいニーズがあり、これを繋げるのには人が介在する必要があります。
カウンセリングの部屋には沢山ティッシュペーパーがあります、カウンセリングでは苦労を話しているうちに泣きだすことがあり我々ももらい泣きします。
面接の練習などをしたりもします。

説明が必要な場合もあるので企業側の研修などもやります。
入社後も間に入って就労調整したりしています。
17年間で累計でいうと8000~1万人の就職が実現しています。
3万人ぐらいカウンセリングなどをしてきていますので、頑張ったなあと思います。
現在、大坂、名古屋に支社があります。
通勤の問題もいろいろあるので、働く場所は凄くケアが必要です。
障害者雇用はここ17年で増えていますが、まだ道半ばだと思っています。
5,6年前から精神障害者の雇用もこれから進めていきましょうと国の主導で決まって、精神障害者の雇用もしようとスタートしていますが、精神障碍者の雇用は進んでいなくて、これからの10年は精神障害者の雇用のことになってゆくと思います。
障害者は日本では16人に1人、8%の方が障害のある方で、そういった方々の社会参加をもっと進めていかなければいけません。
引き籠もり、不登校、鬱、LGBTなども入っています。
様々な障害に対してなので難しいですが、やりがいがあります。
排除するではなくてその人たちの可能性を引き出して社会をともにするという事が望ましいと思っています。

新規事業創出という趣味があります。
社会問題をビジネスで解決しようとする若者が多くいます、そういう若者を支援するそういう会社の事業です。
初めての挑戦を、経験者としてノウハウを持っているものとしてサポートするというのがその会社です。
起業のお金とかまで相談に乗ります。
未経験であるため立上げの不安であるという事などに対して伴走します。
2018年にスタートして、60人ほどの若者が相談に来ましてサポートしています。
こういった人たちが増えて行くと世の中が良くなっていくと思います。
障害者の人たちが生きづらくなっているのが差別、偏見だと思っていますので、これをフラットな状態にしたいと思っていて、理由はあまり障害のある人達とそうでない人たちがあまりコミュニケーションをとってこなかった、一緒に働いてこなかった、触れる機会がなかったというところから起因していると思っていて、まずは交わる場、知る場をどんどん作ってゆけば差別、偏見はおそらく解消してゆくと思います。
お互いがあまり気にならず生活できる社会になるのではないかと思っています、。
17年前は学校が別でした、今は建物は同じでクラスは別です、将来はいっしょに学ぶ機会があるととてもすてきだなと思います。
学ぶ場も働く場、社会でもお互いに知り合う事がこれからの社会に求められる。