2017年9月3日日曜日

堀江美都子(アニメソング歌手・声優)・【時代を創った声】 

堀江美都子(アニメソング歌手・声優)・【時代を創った声】 
堀江さんはアニメソング歌手としてデビューして48年、アニメ「キャンディーキャンディー」の主題歌を歌われたことで知られている。
「キャンディーキャンディー」の主題歌が余りにも有名になって、自分のライブではこの曲を歌わなかった時期もあると言います。
さまざまなアニメの主題歌を歌いながら声優としても活躍している掘江さんですが、声優の難しさ、歌手とはなにかなどについて伺いました。

「キャンディーキャンディー」は1976年からTVで放送されました。
歌い始めて今年で40年になります。
レコードの売り上げが100万枚でした。
体で感じたヒットする様な予感はありました。
「キャンディーキャンディー」を歌ってヒットしたきっかけで、表舞台に出て行くアーティストとしての立場が出来て来ると、自分の歌を歌いたいという気持ちが強くなり、オリジナルの曲を出す様になるが、ライブコンサートをやるようになるが、突っ張ったところがあったようで、オリジナルとアニメを同じステージでは歌わないとか、自分の中で決めたんですが、或る日駅の構内でイベントをやるようになったが、オリジナルの曲を歌うがだれも足を止めてくれなかったが、「キャンディーキャンディー」を歌うと遠くのほうの人も集まってきて沢山の人が聞いてくれました。
改めて考えて、自分が作り出すものは、自分が自分の中を通して作りだすものに、変わりはないんじゃないかと思いました。
わだかまりは無くなり、自分が楽になりました。
「キャンディーキャンディー」の堀江美都子といわれていたのを逆転しようと思っていたが、今はそれは本当に与えられた有難いものだと思います。

1969年アニメ「紅三四郎」でデビュー、小学校6年生の頃でした。
4年生の時に「ちびっこのど自慢」に出たところ、フォークシングだったが、チャンピオンにはなれなかったが(準優勝)、TV局の合唱団に入らないかといわれてそこに入りました。
自分の歌が流れてきたのを正座して見ていました。
少年のような声でもあり、少女のような声でもあり、どんなアニメの主題歌にも合うということで歌うことになっていきました。
その後多い時で1週間に10曲近く流れているという状況もありました。
本格的に活動するようになったのは高校卒業してからです。
1978年「宇宙魔神ダイケンゴー」で声優としてもデビュー、主題歌も担当する。
オーディションを受けてヒロインの役を行う。
声優は何も分からない中で、先輩の役者さんに一つ一つ教わりながらやりました。
納谷悟朗さん、筈見純さん、石丸博也さんなどの中でやりました。

私はなにもいわれなかったが、まだ指導するレベルではないと言われてしまいました。
歌手だという看板(自分の武器)を先ず掲げないようにしようと思いました。
先輩のやることを見て色々自分なりに研究するようにしました。
リズム感と間が大事だと思いました。
「魔法少女ララベル」、「ひみつのアッコちゃん(第2期)」の時も大先輩に囲まれてやりました。
横浜の田舎から行くので、遅刻を良くしてしまいましたが、先輩を待たせて、今思うと本当に冷や汗です。
1986年「愛少女ポリアンナ物語」 どんな辛い時でもよかったと思う気持ちを探しながら生きていくんだというのをやっていく子なんです。
1週間に10曲流れた時代もあったが、何も無くなっていて、声のオーディションにいって、受かって、「良かった」というセリフが何十回とでてきて、口癖のようになって、私生活でもそうなって、気が付いたらいい方に向かって居るのではと思うようになり、キャラクターシングを歌ってみないかと言われて、歌ったら、歌が上手くなったねと言われました。

全てが良かったという方向に回り始めました。
「愛少女ポリアンナ物語」のオーディションに受かったのが、本当に自分の人生で大きな分岐点になったと思います。
主題歌を作品のイメージに合わせて歌うこと、要求されることを出来ることが一番の仕事としての役割ですが、それがうまく表現できなかったときには一番辛かったです。
その場で乗り越えられることもあるが、何年か掛けて自分が成長した自分があるとき、
今やっと歌えるという歌もあります。
歌は完壁がないと思っていて、自分が望む限りどこまでも向上できると思っている。
アニメソングは歌詞の普遍性、メロディーの素晴らしさ、歌一曲一曲のパワーとか、そういうものがいつまでも変わらないので、歌う方も歳を重ねていってもいつまでも新鮮に歌っていけるだけの歌のパワーがある事は有難いことです。
1200曲ぐらい歌った歌があります。
音楽って、感覚で伝わるものがあるんだと思います。

私が子供だった時代と環境が違ってきているので、即戦力でなくてはいけない時代で、難しいが、自分の今いる環境に受け身で無くて自分から何かをしたり、自分がそこで何が出来るのか、自分自身の充実感、満足感を得てほしい。
そこから何か新しいものが浮かんでくると思います。
聞く人に声が変わらないねと言われるように、そう歌うように自分がかわってゆくという努力をする事、自分が思うように上手くなっていきたい、教えて頂いたこと、経験したことに対して次の人たちに伝えたいと思います。