2020年11月13日金曜日

藤倉大(作曲家)            ・音は常に「今」を反映する

藤倉大(作曲家)             ・音は常に「今」を反映する

1977年大阪生まれ、15歳でイギリスに留学し作曲を学びました。  ロンドンを拠点に世界中のオーケストラや歌劇場から委嘱を受けおおせいな作曲活動を展開しています。  藤倉さん開催選びから作曲までを手掛けた新作オペラ「アルマゲドンの夢」の世界初演を前に伺いました。

(20世紀初頭に書かれたH.G.ウェルズのSF短編『アルマゲドンの夢』 忍び寄る全体主義、そして科学技術の発展がもたらす大量殺戮への不安を鋭くも描いた原作を脚色し、現代に生きる我々のそばにある脅威をスリリングに描き出します。)

新国立劇場で開催される新作オペラ「アルマゲドンの夢」のために帰国。 コロナの為2週間の隔離。  日本には10ヵ月ぶりです。  15年前からリモートでやっることはやっていました。   ロックダウンになっても活動はしていました。

リモート演奏できる作品「Longing from afar ロンギング フロム アファー 遠くからの思い」というのを書いたんです。  5月に発表して山田 和樹さんの東京混声合唱団でやりました。それから今日まで16団体が世界でやって、雅楽でもやりました。  実験でやってみたわけですが、一番最短で再演奏された作品になるわけです。  コロナがなればできなかったことです。

会議アプリを通しているから、趣味で楽器を弾く人達とかが集まって弾くことができるわけです。 

僕のはスマホ用にマスタリングしてあります。 音はちゃんと処理してから出しています。

(マスタリング: 録音による音楽作品制作において、ミキシングして作られた2トラック音源(トラックダウン音源、または2ミックス音源)を、イコライザーコンプレッサー、その他のオーディオ・エフェクト機器を用いて加工し、CDやDVDやBD、インターネット上の投稿サイトといった最終的なメディアに書き出すために、音量や音質音圧を調整すること。最近は映像作品の画質の調整にも用いられる。)

高校からイギリスに入学しましたが、中学に通っていた時から録音が大好きで、何とか多重録音ができないかなという事で、ステレオにカラオケ機能があり、パソコンを利用して、ピアノ協奏曲っぽいものを作っていました。  昔から録音には凄く執着心がありました。

ピアノは5歳から始めました。  父はジャズバーで弾き語りをしていたようで、しゃべりもうまくて人気があったようで、父が家で弾ているのを見て、ピアノをやり始めました。

1980年代ピアノを習っていて、クラシックでも気に入らない小節のところがあり、勝手に書き換えたりしましたが、先生からは怒られたりしていました。  楽譜を変えてしまえばいいと思って、作曲をし始めました。  そうしたら面白くてしょうがなくて、作曲にのめり込みました。

ヤマハの教室に中学からはいって、作曲の先生につきました。  30分の作曲のレッスンで、毎回その週作った作品を聞かせて30分が終わるというような作曲量でした。

ドイツに行けば作曲家になれるのではないかと思いましたが、ドイツ語は駄目なので英語ではイギリスという事で、高校の受験をして、奨学金がもらえる事にもなり、行くことにしました。

高校では寮生活で、高校では音楽に力を入れていて、高校に入った瞬間に校長から呼び出されて、君にはお金を払っているので、君には働いてもらうよ(広告塔)と言われました。

厳しい高校でしたが、僕の場合は校則免除でした。 大学はドイツも考えましたが、イギリスにしました。

若い時には作曲については自分の目指しているクオリティーに達しているかどうか、書いては書き直したりして苦しみました。  執念で絶対作曲で生活してやろうと思っていて、コンテストの賞金で暮らしていましたから。

今は躓いたら放っておいて、違う曲を始めて、こちらが躓いてら元の曲に戻るとかしています。

「アルマゲドンの夢」は3作目のオペラになります。  オーケストラ、合唱、素晴らしいソリストで、この曲は2年前に書かれたものですが、重要なのは今現在を描写しているかのような作品になっています。  独裁者が出てくるが、ジョンソンという名ですが、くしくもイギリスの首相と同一名になっている。  90分の「今」のオペラになっています。