保阪正康(作家・評論家)・昭和史を味わう 第11回 戦前の正月、戦中の正月・庶民の暮らし(H27.1.4放送)
「もういくつ寝ると お正月」 滝廉太郎 明治33年に作られた。
昭和14年 ニュース 尽忠報国を誓う新年の遥拝式
忠節を誓い、国に御奉公するという、それを改めて新しい年に誓い、皇居の方に向かい頭を下げる儀式。
凶作と豊作が入れ替わりに来る時代で、豊かさと貧しさが交互に来る時代。
豊田正子さんの作文 (小学校 4年生)
「困っていたころの事。」 昭和7年~昭和8年
父親の仕事の給金が貰えるかどうかの事や、食べものが満足に得られるかどうか心配する母親の事等。
夫婦で子供に着物を作ってあげられずに、困った様子。
元日の両親の嬉しそうな表情、下駄を買ってきたよ、と母親が言った。 と言った様な内容。
(岩波文庫 新編 綴り方教室で読む事ができる。)
昭和8年 豊作の年
宮沢賢治 昭和8年に亡くなるが、豊作を喜ぶ詩を残している。
満州事変で戦時景気的なものが起きてくる。
皇太子(現天皇陛下)が生まれる。 昭和8年12月23日
農村、都市部もにぎわった。
この頃「かるた」が一番できた。
「犬も歩けば棒に当たる」 等もこのころできた。
「非常時のいろはがるた」(戦時色を強調しているかるた) 昭和9年
「国史かるた」 昭和15年 (皇紀2600年)
乙女心を表すような表現のかるた等は、軟弱すぎると、内務省が発行を禁止する。
「愛国百人一首」 (乃木希典など) 忠君の思想 戦意高揚など。
昭和9年 凶作 東北六県は前年に対し40%減ってしまう。 農村の悲劇が起こる。