2013年10月19日土曜日

西川玄房(住職)         ・食(じき)も又禅なり 「頂きます」に感謝と自戒を込めて

西川玄房(住職)   食(じき)も又禅なり 「頂きます」に感謝と自戒を込めて
京都妙心寺塔頭 東林院の住職 西川玄房さん 74歳のお話
西川さんは妙心寺の境内に建てた、専用の厨房で一般の人を対象にした、精進料理の教室を開いています
毎回定員一杯になるほどの人気です
昭和14年岐阜県の禅寺に生れた西川さんは、中学を卒業後、京都の竜安寺での修業を経て、岐阜県の道場に入り、本格的に禅の修行に取り組みました
ここで任されたのが、食事の支度を担当する「典座」と言う役割です
料理の楽しさや食材を無駄なく生かしきる大切さを学んだ、ここでの修行体験が西川さんのその後の人生の礎になりました
食事の前にいう「頂きます」、にはどんな意味が込められているのかなど、伺います

60歳までは本山に務めさせてもらって、定年と成り、ボケてくるといけないので、好きな料理を通じて、気楽に開かれた禅寺を目指して、精進料理教室を始めた
精進料理を通じて、仏の戒め、命の尊さ、もったいない、無駄を省く、有難い、料理を造りながら、自分の生活に生かすことができればと、思います
料理教室を始めて15年になるが、世間知らずだったが、皆さんが来られたおかげで、いろいろな知識、社会の裏表、教えていただいた
料理教室を通して「頂きます」「ごちそうさま」本来の意味を教えていただいた

子供のころ、正月15日 父が朝一番にお勤めしているときに、あずき粥を器に入れられたものと箸を持たされて、庭の木々に備えておいでと、毎年5,6回続いた
生きとし生けるものへの感謝の表し、施しの心  
丁度餌のない時に、鳥が食べにくることがあるかもしれない
自然の摂理、生き物を大切にしなさい、感謝をしなさいよと、私にやらさしてくれたものと思う
最近、体験教室がいろいろあると思う
竜安寺での食事  おかずを学校の帰りに、自分なりに考えて、予算内で購入してつくる
崩れた豆腐などをもらってきたりする
道元禅師850年前 禅の修行として取り入れる  
食も修行のうち、食をつくるのも、食べるのも、座禅をしたり、拓鉢をしたりお勤めをしたりするのと同じように、修行の一つとして励みなさいよと言う事だと思います

食べる食材にも命がある、その命を活かしきって、自分の命も保たれている
心身共に健康であるからこそ、しっかりした修行もできる
最近食べ散らしが多いが、食材とは何かという事を考える必要がある
食材の無駄のないようにする理解する必要がある
岐阜の道場に行く 5年間世話になる
祈座てんぞうりょう 台所の当番  老師の身の回りの当番 とか当番がいろいろある
料理の坊主はろくな坊主にはなれないと、老師から言われるが、料理らしい料理を作れと言っている、精進しろと理解している
どうとるかはその人の心次第 どう受け止めて良い方に持ってゆく

一挙手一投足 全てのことを全身全霊で持って、うちすすみなさいと、其れが禅の修行であるという事で、行動しなさいと言っている   
食べ三昧遊び三昧 中途半端は止めなさいと云う事
「なりきる」  無心になるように、我を捨てろ、馬鹿になれ 成りきりなさいということ
その都度、その都度 その場に成り切りなさい 
先ず野菜の身になりきりなさい その野菜をいかに生かすべきか(嘆かれないように)
料理をつくるとき、「時」に成り切りなさい、「ひと」になりきりなさい 
季節、春夏秋冬 その季節に取れるもの 旬の食材を頂くのが一番いい
食べていただく人がいろいろあるが、年寄り、不自由な人とかいろいろいるので、食べやすいこととかを考えて作る
場所 お祝い、葬式 それなりの材料の使い方、盛り方があると思うので工夫しながら考える

精進料理 ごま豆腐 ごまの持ち味を最高に出すように、急がず、遅からず、すりつぶす
自然のその季節にでまわる素朴な材料をつかって、親切丁寧に 最大限活用する当たり前のこと、無駄のないように全てを活かしきる、精進する料理
生きとし生けるものを頂いている  命をひきついでゆく 食べられた野菜、動物にしても感謝しているかもしれない、感謝して綺麗に食べてあげる 「ご馳走様でした」
五味五色五法」 いつつの方法、色、味  取り合わせる
淡味 本来持っている素材の味  一般に、だし、調味料をつかうが、極力控える
素材の味をいかに出しきるか    
素材に味がないものが最近は出回っている      「あく」も持ち味の一つ
仏心 思いやりの心 愛  お互いひかり輝くなら、世の中を明るくしてくれる

精進料理のたべる 心構え
①多くの人の手数と労力の苦労を想い、自然の営みに感謝しながら頂く
②自分が食事を頂くことに対して、それだけの務めをしているかどうか、反省する
③不平、不満を抱かず、飲みすぎ、食べ過ぎせず、ほどほどに、貪る心を起こさないように、食  べ物は、心の修行であるという気持ちで、食べてもらいたい
④食事は飢えや渇きをいやして、心身の枯れるのを、病気に成るのを防ぐための薬だと思って、 食べてください
⑤食事に依って正しく生きることを、成就、全うするために、反省と感謝をこめて食べる事が大切
 
これら五つを一番簡単に表現したのが 「頂きます」と「ご馳走様でした」
電気一つでも、小さな虫、植物が犠牲になってダムができたりして居るので、生き物の命が伝達されたもの

自分の体に、良いものは7里四方の食べ物が一番いいと、親から常々言われていた
季節に出回る地産地消 が良いと思う
食に依って自分たちは保たれているという事を通じて、命をいかに生かしきるか
料理を通じて、「縁」が広がることが、私の宝でもあり、綺麗な心を一つ持って帰られたら有難いと思う
「一壺天」(いっこてん) 壺の中には壺のなかに天地がある
人の心にもそれぞれ、各自宇宙がある  その宇宙と全体の宇宙が一つになった時に大きく生まれ変わることができる、即ち悟りの境地 分別、執着を打ち払って、清浄無垢の世界が悟り
素直な気持ちで三昧になっていただければいいと思う