斉藤和男(44歳) 私の相撲道を語る
1968年立川市生れ 日本体育大学武道学科卒業 文部省から海外研修員としてオーストラリアにへ派遣され、その後弘前大学医学部助手などを経て、現在日本体育大学で教鞭をとり相撲部の監督をしています
小学生の頃から相撲を始め 全国高校総合体育大会では 昭和58年から、団体優勝3連覇 60年高校生の横綱 大学3年生でアマチュア横綱 平成4年第一回世界相撲選手権 団体優勝 個人優勝 体力だけでなく精神力 心の強さも求められる相撲道 海外体験や医学的研究も含め 相撲を一筋30年 相撲道と魅力をお聞きします
相撲道7段 医学博士 身長182cm 体重は102kg(最高時は135kg) 立川は相撲の盛んな土地 町内の相撲大会に周りから言われて参加
双子が授かる(最近) 町の大会では個人優勝したが市の大会では準決勝で自分よりも小さな子に足を取られて負けてしまった(今でも悔しさを想う)
スポーツは特に得意ではなかったが学校で3番に入るほど走るのは早かった
学科は算数系は得意だった 算数の先生に成るのが夢だった
褒めて貰う事によって強くなった 中学に成ると自分でトレーニングするようになった
どうしたら相撲が強くなるか考えた
ウエートトレーニングをしている力士がいて これだと思って 図書館に行って体力を付ける方法 身体を作る方法を実行した
運動 栄養 休息が 3本柱であるがすべて実行した
腕相撲も強くて全日本選手権に出て高校生で2位に成った
世界選手権大会では 2mを越える人 体重は247kgのエマニュエル・ヤーブロウ アメリカ人
当時出島(大関)が出たが 同じ大会で負けている
その後 琴光喜 栃のなだをやっつけている 私は右からのすくい投げで勝てた
良く勝てたと思う 自然に体が動いた
日本で大会が有ったときで おーーと湧きあがった
団体戦をやるのは日本独特な感じがする
相撲をやっていた時は勝つことのみを考えていたが、知らない間に相撲を教えられてきたが私が現在預かっている学生に、繋いでいきたい
私が一つの繋ぎ手として相撲を広めて行くのが現在の私の仕事だと思います
プロからの要請は 自分は他のところでも出来るのではないかと思って、違う進路を進んだが矢張り相撲に戻ってきた
1年間 シドニーで相撲を普及するかたわら、外国の様々なトレーニング法等を勉強させていただく制度で 行かせていただきました(相撲と離れた時代)
関心は 国民性が有り (フランスは柔道は盛ん) イギリスはそうでもないので、オーストラリアもイギリス系なので相撲に対する気持ちはそれほど高くなかった
私が教えた選手は世界大会で3位に成った 世界大会の競技者は増えている
ジュニアの世界選手権大会も出来た
バルト、琴欧州関 とかがこの大会に出ている
ロシアでは1万人の競技者がいる 国を挙げて支援している
4.55mの土俵以内で戦う ルールが独特 砂 俵が上がっている
土俵は調子がいいと広く感じるし、不調だと狭く感じる
心技体 が必要 武井義男先生が師匠で中学、高校と教えて貰った
現在指導の立場に立たされて非常に先生のいう事が参考になった
教えることにブレが無かった 知らない間にやらされていると言うより、やっていた
褒めるのが旨かった
負けるとすぐ稽古をしていた 辛いけれども其れが後後良いと思う
こういう先生に成りたいと素朴に思った
修士論文は「相撲の崩し技と決まり技の分布の統計学的検討」 決まり技に移行するための前の段階でどういう風に技を掛けて決めたか を調べた
相撲の格言 「押さば 押せ 引かば 押せ 押せは相撲の極意なり」 やはり前に押して崩す 上手投げ下手投げ 横からの崩し技、はたき、引き 相手の重心を崩す
矢張り相手を押して崩す技がその後の価値に非常に繋がりやすい という結果が出ました
引きは墓穴を掘り易い 引き技が得意な横綱はいない
柔道の古賀選手とは仲良くなって大学院時代も含めて友達になっている
舞の海は同級生 高校時代から戦っていた 舞の海は左下手に入ると強かった
プロの人は形にしてくれる人が多かった
弘前大学 身体の身体密度 体脂肪率 脂肪以外の体重がどの程度か アスリート 高体重者等の研究をしていた
相撲の世界も緻密に研究しながらやってきている
学生指導をしているが逆に学生から教わることは多くある
アーこうしとけばよかった あの一言は言わなかった方が良かったと想ったりする
学生と接するに 言葉は80%90%を占める 技術力とかは皆同じことを教える
学生と接するのは1日、2時間か3時間 この時間を100点満点としても 、一日の内1/8 100点取るだけだが 残りのすべてを100点にすれば 24時間が100点に成ると思うんです
そういう意味では私が見ているとか、見ていないとかで 彼らがやる様では彼らが持っている能力は上達しませんし どうやれば良いかというと 、彼らにやる気を持って貰う
どうすればいいかというと 褒められると嬉しかったなあと思いだし 彼らの心に火をともすのが私の仕事だと思います
彼らの残す成績が私の通信簿なんです 毎年毎年私は彼らから通信簿を貰っているんです ここ一番の相手 100回やって百回勝つのはどんなに緊張していても勝てるが、百回やって一回でも負けると自分が変な緊張していると負けることが有る
プレシャー このプレシャーを説明する時に 30cm幅の木があるとしよう
地面に置いてこれを歩けと言えば歩けるけれど、これを50mの高さに橋渡ししておいて、歩けと言われれば、皆大変だろうと、でも同じ板だろうと これがプレシャーだ 自分がいかに物事を考えるか 大きなことなんだ 自分に自信を持つような変なプレシャーを感じずに、自分に自信が持てる様な 毎日を送らないといけないし、生活を送らないといけない
私が見てる、見てないか、では無くて、自分にプライドと誇りを持って、感謝の気持ちを持って、毎日毎日を過ごしなさいと 言って居る
一日一言 全員に言葉を掛けています 今年世界規模の大会を2回開催します
42.195kmのマラソンに置き換えると 私は折り返し地点を過ぎたところかなあと思っています 30kmが一番きつい その辺かなと思います
その頃を一生懸命走ったのが良い結果を生んでいると思います
私が預かった学生が大相撲に行って 横綱に成って貰う事
又私が預かった学生が全員 幸せになって貰う事です これが私の最大の目標です
是非相撲がオリンピックの種目に成ってほしい