2013年1月5日土曜日

梶原千沙都(ヘルマンハープ奏者)   ・音楽のバリアフリーをめざして


梶原千沙都(ヘルマンハープ奏者・52歳)      音楽のバリアフリーをめざして
夫の転勤の為ヨーロッパーで暮らすうちにある楽器に出会いました ヘルマン・ハープと言う楽器でした  簡単にメロディーを引く事が出来る楽器
小さな竪琴のような楽器 板の上に縦に弦が張ってあって 弦と板の間に譜面を指し込みます 弦の下に譜面が見えます
譜面はヘルマンハープ専用のもので上から下に丸い印が書かれています  
それを目で追いながら調度印の上にある弦を順番にはじいてゆくと誰でもメロディーが奏でられます
1987年にドイツで生まれたこの楽器の誕生にはダウン症の子供と父親の愛の物語が有りましたこの障害者と健常者が一緒に弾けるバリアフリーの楽器に魅せられた梶原さんは帰国後日本ヘルマンハープ協会を設立 理事長を務めています  
兵庫県西の宮市を中心にヘルマンハープの普及に努めています

ヘルマンハープはゆったりした曲に向いている  
グランドピアノのふたのような格好をしている、縦64cm、横34cm の大きさ 3オクターブ音域がある、2オクターブのものもあるが、2オクターブの物が多く使用されている
弦と本体との間に紙が入っていて、楽譜になっている 
楽譜があるが五線譜とは全然違う 
黒い印は右手の指、白い印は左手の指で弾くようになっていて、比較的簡単に弾ける

2003年にドイツで介護福祉メッセ展示会で、思いがけなくヘルマンハープを見かけて、楽器を紹介してもらった       
介護用品に興味を持っていたので出掛けた
ドイツ中に介護福祉の素晴らしい店が小さな村にも有る  良くそういう店に出入りしていた
日本にない考え方が有って吃驚した(日本ではまだ、介護の問題が話題にならない時代)  
娘が脳腫瘍をしたりして、身うちに困難が一遍に訪れたりして、強度の鬱になったりして、祖父の介護など大変な時期だった
2003年暮れに日本に帰任することになり、荷物にハープを買って帰ろうと思った  
良い楽器だなあと思ったが、その時はまだ工芸品なのか、おもちゃなのか
位置付けがはっきりしない領域だった 
 
ヘルマンハープの演奏会が有るので行かないかとの話が有り 、見せて貰った  
障害者、健常者年寄から若者まで演奏していて、流れて来る音の美しさに声が出ないほど感動した  
この楽器はダウン症の息子さんの為に、ヘルマン・フェーさんが作った楽器だったのを知り改めて感動した  
まるでヘルマンハープが人々の垣根を取り払っているかのような光景でした  
これが日本にあれば人生が変わる人が沢山いるのではないかと思った
日本での普及を御願いしたいと思いを、決定付けた瞬間だった   
ヘルマンハープの楽器の質の高さも有ると思います  
音楽家、アマチュア、障害者でも、共に演奏する自尊心をちゃんと保ち高めることが出来る そういう楽器だと思います
 
ヘルマンハープの元 チターの一種でガイドシートを中に挟んでやる楽器が有った 
それに出会うが、簡単に弾けると言うものであったが、健常者でも弾くのが難しかったアコードチター と言う楽器を使ってその中に楽譜を通す、その楽譜のシステムが先に出来たんです   
メロディーを弾く事も出来た  知的障害者も弾ける 
台に置いて居たチターを縦にして 弦の間隔も広げたその様に開発した(へルマン・フェーさんが) ヘルマンさんは農場主だったが、発明の才能が有る人だった 
いろんな方が来られるようになり 楽器を欲しいと言う事に成り、楽器を分けて増えて行った  
日本での普及の手法を聞いて 最初は障害者の施設等を訪れた  
当時の環境は障害者への予算が楽器に対して投じることはまだなかった

シニアの人が興味を抱いてくれた 教室だけでは駄目なので、自分自身も演奏活動する中で 段々3000人位の人がヘルマン・ハープを持っていただいた
ダウン症の組織とは連携を取ってほしいとヘルマンさんからは言われた  
社会的弱者に普及して欲しいと言われた  
日本では健常者にも受け入れられ、社会的にも認知される様になった  
いろんな助成金、企業とかにも使われて広がって来ることが出来て良い環境が整ってきた  
教える方法  私は音楽は子供のころはピアノを習っていたが、音大の声楽家にとの希望が有ったが叶わなかった ドイツでは公式合唱団に入ってドイツの方々とステージを一緒にやる様になった 
 
奏法は、真正面からヘルマンハープと取り組むようになって、バリアーフリーの楽器の性能 特長を自分から探し出す 、そこから弾き方の規則性を発見することが出来た  
去年ヘルマンハープの奏法の本を出版した  1500名の方が使っている  
弾き方に一貫性が出来た  より熱心に、シニアのかたの学習意欲が高い 
ボランティア演奏に出掛けたりしている
ドイツで一昨年 奏法セミナーを教えてきた ドイツ中から教えを乞いにきた  
今年でヘルマンハープに出会って10年に成る  記念コンサートをする (ヘルマンさん親子を招いて)
昨年30名のグループを率いてドイツに演奏に行った(ヘルマン・ハープ誕生25周年)  
良い交流に成ったなと思う 
ヘルマンさんの家のなやで300席位で演奏した(ドイツのグループと共に演奏する)

日本人の演奏を楽しみにしていてくれた  
東日本大震災の義援金も草の根的な交流が実を結んで、愛好家の方から70万円頂いた   
いわき市にいって子供達のために行ったが、避難していて居なくて 大人の方に聞いて頂いた 元々音楽ホール様に作られたものではなく、家で綺麗に聞こえる音として開発されたものです 
ヘルマン・ハープを普及させて、音楽のバリアフリーをめざしたい 
ヘルマンハープは障害者と健常者を結び付ける力が有ると思います  
又ヘルマンハープの音は本当にいろんな人に感動をもたらすことが出来、質の高い楽器だと思います      社会性と芸術性の両方を求める両方の声が有る 
その声が両輪となり相乗効果をもたらしてくれている  
社会的に良い意味をもった楽器なので普及を目指していきたい  
間口が広くて誰でも弾けるが ソロで弾くと奥行きが深い楽器だと思います

ヘルマンハープの楽器に出会って本当に良かったと思う  
ヘルマンさん一家から楽器を任されるにあたって、人間的な成熟がとっても大事なんだよと
この楽器を任せる人は と言われました
普及当初は構えみたいなものが有ったが、大きく構えたような気持ちは無くなって、自分の出来る方向にやってゆくと言う使命感です