2013年1月14日月曜日

木村たか(92歳)        ・着物の美 しぐさの美

木村たか(92歳) ・着物の美 しぐさの美
大正9年 京都 染め織職人の長女として生まれる  戦争で「贅沢は敵」という事で禁止令が
出て、職人も戦場に召集され、職人を失い店を閉じました
その後結婚され永い間、海外で生活されましたが、洋装の文化に接するほど和装の良さに
惹かれて行きました
帰国されてから着物文化の素晴らしさを本に書いたり、講演会等でお話をされています 

和服 着物着て電車に乗って来ると視線が集まる 特に女性の視線が集まる
緑色が好き 錆び青磁 (薄い緑)
着物を着ると姿勢が良くなる  シャンとする 出来るだけ見綺麗にしている  (若く見える) 
父は染色家  一色染め  平安時代  純粋に色を追求する  中京区付近で生まれた 
 一番いい水脈の処
和の色名はみやびやか  英語の方が簡単 ピンクだけでも日本語では一杯ある
  
24歳の時には新聞社の記者に成る ここで物を描く事を教えて貰う  
女の子に何が出来るかというような目で見られながら、仕事をしてきた
ロンドンに5年いた 30歳過ぎまで京都 結婚適齢期日本には男がいなかった  
多くの日本語を取り入れることが出来た   
職人の代弁者になりたいと思うようになった そうして書き始めた
父の姿を見て、(無口な職人) 書き始めた  いろいろ鍛えられた 
折角着物と帯とを旨く良い取り合わせをしたと思ったが、合わないと言われたりする
若い時は粋な物 新しいものに飛びつきたいが それはいけない 
 
古い中に新しさが有って 人が求めているものが有る(若いうちは理解できないが)
人には似会う物が有るし、着こなせる年齢も有るし おたふくではその様なものは似合わないと言われた
物を作っている時ほど楽しいことは無い  新しがったら駄目 一歩後退する  
今でも古典の方を求める(古典模様を求める)
浴衣は普段着 振りそでは人に着せて貰うもの(晴れ着)   綺麗だけど着こなしていない
階段を歩くときはハラハラする 袖は長いので邪魔になる 袖を袖口の下を持って歩く  
舞妓さんは左手でつまをもつ
お嬢さんと花嫁は右手でつまを持たないといけない   左鍔をとっていた時には 芸者さんに出てゆく時に持つもの
舞子 肩のところに縫い上げがある(これはまだ成長するため)
  
無地の洋服ほどドレシー 着物の場合は 友禅染め 美しいカラフルな色合い 
化学染料が入ってきてもっとあでやかな色に成った
定型であるために 色を書いて色を載せることで それを着る人の立場 年齢 趣旨
(着てゆくところへの趣旨) 着物には模様と色彩が絶対必要になる
森羅万象 あらゆるものが模様になる  冬の着物と夏の着物は透けて見えるものを使う 
 桜の季節、夏草の季節  秋の紅葉  俳句のように詩の様に季節感を表現する  
松竹梅 お目出度い時    平安時代は庶民はまだ 日本人の美意識が全部入っている
 
色を大切にしないといけない 模様が一つのテーマだとするとそれに装飾を加えるのが色 メロディーが模様とすると、メロディーに装飾音が無かったら一歩指でピアノを弾いている様なもの  装飾音を加える時に なにがしかの優しい色、強い色、成をして来る人の引きたてとするものではないでしょうか  
自分の悪いところを着物は隠してくれる 振りそで 高い帯で 年を取ったら段々下にしてゆく  
洋服は宝石が必要 和服は宝石の必要が無い  日本の民族衣装 
 毎日着る必要が無いが礼装の時には着用してほしい
本当にかしこいと言う事は 自分よりも先に相手の事を想って、相手を生かしておいて、
自分も共に生きる のではないでしょうか
どちらも仕事を持っていれば、話せばわかる(喧嘩には成らない  小さな小競り合いはあるが)  
日本人は男を立てなくてはいけないのではないか  
古いと言われるようだが男が前に歩くのが良いと思う
行ってらっしゃい おはようおかえりやすと言って主人を送り出していた(女性が男性を立てる)
「白鳥はかなしからずや 空の青 海のあおにも 染まずただよふ」  
職業がいろいろあるとしても本質的にはなに色にも染まらない 水の下で足で努力している
百人一首  恋しい、世の恨み、つらみ等世の移り変わりを嘆くのもすべて入っている 
「花の色は うつりにけりな いたつらに わか身世にふる なかめせしまに」   
若さは時間が持ってゆく 若さに頼らないで、若い間に物を記憶して物を覚えて、
いつか年を取ったときにも、若い時に習い覚えたことが楽しく思い出されるような生き方をしてもらったら  日本の和歌、短歌  
詩 が生活の中に生かされるのではないでしょうか日本人の誇るべきものは何だとうと思っている 其れを伝えないといけない 
人様に伝えて 伝えたことが代代伝承されなかったらその国の文化は永続きしない  
女性の力で文化を伝承してもらいたいと思っています