三浦康夫(日本おもちゃ病院 協会長) ・生きがいは おもちゃドクター
千葉県出身 69歳 かつて自動車メーカーのエンジニアとして働いていた経験を生かし、おもちゃの修理をボランティアで引き受けるおもちゃドクターとして、活動しています。
会長を務める日本おもちゃ病院協会には現在およそ1200人の人が登録しており、その活動は全国560か所で展開しています。
日本おもちゃ病院協会はおもちゃの修理をボランティアでやっている全国組織です。
修理の部品実費だけ頂き作業料は無料になっています。
修理の技術的な差が無いように連絡を取り持とうというのが全国組織の始まりです。
高校生から80歳ぐらいの人がいて3%が女性の方です、60歳前半が主になっています。
技術系の出身の方が多いですが、細かい作業が抵抗なくできる人であればよく、資格はないです。
私は東京おもちゃ美術館のおもちゃ病院(かつては小学校だったところ)で活動しています。
おもちゃを直したという達成感、お客さんが有難うと喜んでくれることが嬉しいです。
電気的な不具合、特に電池関係(腐食などを含め)のトラブルが一番多いです。
部品の機能を理解して即席で部品を作ってしまう事もあります。
ベテランのドクターから見習いのドクターへの情報提供とか、情報交換等もやっています。
ホームページを持っているので、会員のページがあり修理の相談、修理方法を解説する様な資料を取り揃えたサイトを持っています。
東京おもちゃ美術館のおもちゃ病院のパンフレットにおもちゃドクター養成講座を見つけて、面白い活動をしている人がいるんだと思い、参加してみたら、直ぐできそうだったので、病院に参加してはまってしまいました。
子供のころからおもちゃの構造に興味があり、分解してしまって父親に怒られたことがよくありました。
自動車メーカーでは部品の設計、作った部品がしっかり持つかどうかの実験もしていました。
おもちゃドクターになってから18年になりますが、修理は1万件近くなるかもしれません。
小さいものはアクセサリーの様なおもちゃ、大きなものは乗用おもちゃ、演奏する大きなおもちゃがあります。
プラスチックが割れた大きめのもの等は接着剤での修理は信頼性が無いので、ステンレスの直径0.3mmぐらいの線を使用して、縫い合わせる様にして使う事によって強度が得られます。
おもちゃの部品を供給する様な会社は無くて、似たような部品を使って修理するようにする時もあります。
思い出のあるオルゴール関係 音がでない、人形などが動かない時に、直してあげることによって、すごく喜んでもらえる、それがまた嬉しい。
最近はおもちゃもハイテク化してきて、我々には手を出せない様な物がありますが、小学校低学年が遊ぶようなおもちゃは基本的にはほとんど変わっていません、
物を大切にしましょう、もったいないが日本人の原点だと思うので、歴史がおもちゃに刻まれるということはいいことではないかと思います。
難しい修理はしっかり考える、考えることが面白い、いいアイディアができて、修理できた時の達成感
は格別です。
ドクター同士の交流も楽しい。
トランジスターをチェックする、スピーカー、マイクロフォンをテストする物はほとんど自作で持っています。
ピニオンギアは抜く事は出来ないので、専用の物をメーカーに作ってもらって会員の方に配布付して修理をしています。
おもちゃドクターは私の全てです、考えて行動し実証する、これが常にできるということは幸せ者だと思います。