2015年10月16日金曜日

碧川るり子(歌手・女優・脚本家)  ・「シャンソン・ミュージカル」で女性を描く

碧川るり子(歌手・女優・脚本家)  ・「シャンソン・ミュージカル」で女性を描く
東京出身 将来は舞台女優になることを夢見て桐朋学園大学演劇科に入学しました。
この大学には演劇、バレー等様々な芸術を目指す人が集まっていました。
その才能ある集団に接し、刺激されながら碧川さんは得意の歌を生かしたミュージカルへの道を歩み始めます。
劇団四季の付属研究所いずみたくミュージカル劇団を経て立川清登さんと出会います。
立川さんからシャンソンの魅力を教えられたことから、オリジナルなる創作劇シャンソンミュ-ジカルが誕生しました。
シャンソンミュージカルは一人芝居ですが、碧川さんは女性の生き方をテーマに毎年一回自ら脚本を書き、シャンソンを歌い演じ続けこれまで30作余りを上演してきました。
近年はほかの分野のアーティストと一緒に新しいシャンソンミュージカルに取り組んでいます。

シャンソンは数が多いがその中に一曲で物語になっている歌、曲の最初から最後まで歌われていくうちに、主人公の感情が変化してゆく、感情のドラマがとても多い様に感じます。
私は演劇からミュージカルに行くという経歴だったので、シャンソンの持つドラマ性、演劇性を新しく作ったお芝居の中にミュージカルナンバーとして取り込んで行ったら、新しいステージのスタイルができるのではないかと思い、脚本を書いて、歌って演じると言う形を作りまして、シャンソンミュージカルと私が名付けました。
1983年が第一回 一人で演じたのが30本強演じました。
一番印象に残っているのは、再演をした作品 「女優」 サブタイトルが「岡田嘉子へのオマージュ」
岡田嘉子さんを尊敬しています。
こうしたいとか、この人と生きて生きていきたいとか、こういう事をしたいとか思った時に、周りの状況がどうであろうがやり遂げてゆく強さ、時代が変わり自分の思う様にならないことの方が多かったり、恋した相手がとても無残な亡くなり方をしたり、そういう事を全部経て引き受けてそれでも、最初の思った形とは変わっていたかもしれないが、魂の部分は変わらない生き方を貫かれた強さに尊敬しています、憧れです。

最初こんなに続くとは思わなかった。
10年ぐらいたったころからライフワークですねと言われるようになり、続けてゆこうと言う意志が出てきた。
作品は  高村智恵子、与謝野晶子、岡田嘉子、竹下夢二の妻たまき、日本人のほかにエディット・ピアフ、マリーアントワネットなどが主人公。
高校に入った時から声学の先生についてレッスンを受けていました。
大学では演劇を専攻、舞台女優になりたかった。
周りがそれぞれ個性があり、実力が凄い人たちがいっぱいいまして、何で私が入れてもらったのかと思った。
別の道を選ぶか、磨けば何とかなるのではないか、磨いて行かないと生き残っていけないという気持ちになった。

芝居の勉強と歌の勉強と並行してやっていこうとしました。
両方活かせるのが劇団四季だったので、試験を受けてミュージカルの研究生になりました。
ダンス、クラシックバレエ、ジャズダンス、日本舞踊 芝居などのレッスン。
ダンスもどんなに努力しても周りにはかなわない。
その後いずみたく主催のミュージカル劇団に行きました。
ミュージカルの舞台に立たせて頂いて、経験を積ませていただいた。
立川清登さんが自分の事務所をたち上げ、若い人材を育てたいという事で、オーディションがありそれを受けて、入れてもらいました。
一人でやれる専門を持った方がいいと言われて、シャンソン歌手になったらどうかと言われて、それが向いているのではないかと言われ、立川さんの勧めでシャンソンの道に入りました。

やりたいことに辿り着いたので、いろんなことを知ることが楽しかったです。
フランスの歌い手の歌を何でもいからいっぱい聞きなさいと言われました。(当時はレコードだった)
一曲でドラマになっている歌が本当に多いなあと思って歌いたいなあと思いました。
一作目は1983年 「桜んぼの実る頃」 グランドピアノ一つあればいいほどの音楽サロンを借りて、シャンソンを織り込んだシャンソンミュージカルを作って、お客様に観て頂こうと言う様なつもりでした。
恋物語の話です。「ミラボー橋」というシャンソンがメインになりました。
杉村春子さんの女の一生の芝居で 「だれが選んでくれたんでもない、自分が選んだ道ですもの」というのは本当だと思いました。
数年前からコラボレーションシャンソンミュージカルという風に変えてきました。
白蓮が主人公、一人でやることがやりきったような思いになり、今度は思い切り広い分野のアーティストとその専門性をそれぞれ生かして頂きながら一つのミュージカル作品を作れないかという発想に至って、コラボレーションシャンソンミュージカルというステージを始めました。
音楽は中国の楽器 二胡を弾く方 紙芝居をする方(全体の舞台回しとか)等の方が参加。
全然違う分野の人達が集まって稽古をして一つの舞台作るわけですから、出演者間は物凄くプレッシャーがあります。

来てくださるお客さんが一つのミュージカルの流れの中で、自然にそういうものが耳に、眼に入ってくるわけで、紙芝居の面白さ、二胡の音色の生な魅力 等の事に気軽に触れられればいいと思っています。
白蓮がコラボレーションシャンソンミュージカルの4作目で実在の人物では初めてです。
来年には「岡田嘉子へのオマージュ」を今度はコラボレーションシャンソンミュージカルの形で公演が決まっています。
一人芝居は演じたかったテーマがストレートに伝わる形だったと思いますが、今度は複眼的というか、批判的に見る役なども出てくるので、当時の政治状況など、色々な眼から見て頂ければと思います。
日本語で歌う事に拘っています。
活動範囲が日本の中ですし、伝えられるのが歌詞の内容の豊かさだと思うので、日本語で歌う事をメインにしてきましたし、今後もそうしていきます。
好きな曲 「私の孤独」 
自分はずーっと一人ぼっちで寂しいと思って来たけれど、孤独という友と一緒に暮らしているので私はもう孤独ではないという様な作品で、孤独=自立という様にも聞こえてくる。
孤独を友にしているだけでなく、自立してして生きているいいお友達は周りに絶対いるよね、と思えるような曲です。