石浦外喜義(鳥取城北高等学校校長 兼 相撲部総監督) ・地方で育む強さ
1961年石川県生まれ 高校で相撲部に入部してから相撲人生は始まりました。
大学卒業後 1986年に鳥取城北高等学校に体育教師として着任、現在は校長、相撲部総監督として、嘘のない稽古をモットーに一人一人の生徒に真正面から向き合い、指導してきました。
これまで高校総体、国体など全国大会で優勝者を多数輩出し、教え子の中には今角界をもりあげている照ノ富士、逸ノ城等がいます。
昨日10月23日は鳥取県にとって45年ぶりの大相撲地方巡業、倉吉場所も開催され教え子たちは故郷に錦を飾りました。
優勝争いをしていた照の富士がひざを痛め、全治一カ月と診断されても出場を決めた日です。
琴光喜はうちの卒業生です。
両親は気が弱いので何とか育ててほしいとの願いがあったようです。
私が厳しいことを知っていて、当人は来たくなかったようで、来ても私と話をしませんでした。
全国大会でいきなり3位になったりしました。
国体ではことごとく負け、先輩たちが勝ってベスト4に入りました。
その時初めて先生私を強くしてくださいといいました。
そこから練習が全然変わりました。
2年生になって全国大会で1位になります。
琴光喜は純粋ですなおな子です。
琴光喜は股割は身体が固くてできなかったが、これをやらないと強くならないと言われると、人一倍頑張ってやるようにしてきました。
逸ノ城は遊牧民で育った人です。
気が優しい、照ノ富士とは性格が全然違う。
照ノ富士は日本語を話すのが早かった、日本語を覚えないと先生はプロに入れることをしないと言ったら、頑張った。
性格に応じてこの子らをどうやって行こうか、かんがえる。
真面目は駄目、それ以上にやらない、結果が出ない、判るまでやる様にする。
16名の生徒がいるが、それぞれ全部違う。
自分の殻をパカンと割ってやりたい、そうすると変化が出てくる。
不登校、引きこもり 3年間しか私たちは見ることができないので、来たら厳しいと親には云います。
3年間で立ち直って、頑張れるようなシステムを作ってやろうと、言う事で今年は引きこもりだろうがこいと言って、やろうとしています。
下手でも、失敗してもいい、一生懸命生徒と向き合ってやる、その子供の気持ちを考えてやる、そうするとかならず子供に通じます。
やればできる、本当に自分が一生懸命やった時に、感じた時は勝ちなんです、でもそこに行くまでが大変なんです。
逸ノ城 肥ってしまったのでダイエットをしなさいと周りから言われたと言ったが、報道陣にはご飯一杯、ダイエットですからというが、お腹がすくのであれ買ってこい、これ買ってこいと言って食べて肥ってしまっていた。
ちゃんことご飯は何杯食べてもいい、稽古をすればお腹がすくはず、弟子に買ってこいと言って食べたりせず、夜食も止めろと言ったら、約束します、と言っていた。
しこもなかなか踏めない、気力が無い。
50回やれと言うと25回で辞めてしまうが照ノ富士は違う、100回やれというと200回やる。
家庭でもそうですが、食事を皆で一緒にやることは大事なことです、稽古以外の事も大事です。
コミュニケーションは家族でも、大事です、相撲部は携帯を持っていません。
社会の管理職の人からの悩み、欲が無い人が多いという。
競争してゆく中でいろんな意味で成長してゆくわけなので、そこで頑張ったり、いろんな人との出会いがあったり、縁があるので、素晴らしい。
諦めたりすることは一番さびしい事です。
本気になってしまえば子供は凄い。