2014年7月20日日曜日

姉崎久志(神奈川県ライトセンター) ・盲人の心に光を残して

姉崎久志(神奈川県ライトセンター顧問)  盲人の心に光を残して
神奈川県ライトセンターの職員として、40年近く視覚障害者の知的レベルの向上を計り、情報を送り続けてきた、姉崎さんが、定年を機に北海道のなよろ市に帰り、地域の視覚障害者のために力を注ぐことになりました。
42年前の昭和47年北海道小樽市で視覚障害者のためにボランティア活動を始めた姉崎さんは、横浜に転勤したときに、視覚障害者を支援する組織、神奈川県ライトセンターに誘われて、職員に転職しました。
おおくの視覚障害者のために、ほねみを惜しまず尽くしてきた姉崎さんに40年を振り返って伺います。

神奈川県ライトセンターに転職する動機?
北海道小樽市で点字図書館の朗読ボランティアの講座を受けて、ボランティア活動をしていた。
横浜の民間の会社に転勤したが、神奈川県点字図書館が神奈川県ライトセンターとして、大きくなるので職員にならないのかと誘われて、迷うことなく決めた。
貸し出す図書をボランティアの協力を得て、作ると言う処から始まるのが、点字図書館の仕事、私は録音図書をつくるという、製作の現場に10年ぐらいいた。
利用数は右肩上がりだったので忙しかった。
視覚障害者が外に出るのは当時少なかった。
テープ、点字図書は郵便で送るのが、行われていた。(郵袋)

現在の建物は平成5年に建て替えられた。
今は視覚障害者専用のスポーツ施設を併設、25mの温水プール、グラウンド、体育館、卓球室、トレーニング室と皆さんいきいきと活動されている。
ロンドンオリンピックで金メダルを取った人がいる。
フリークライム 岩登りの装置も付けて、新しいスポーツにも挑戦している。
あらゆるスポーツがクラブ活動として、存続している。
ルールをちょっと変える。  バレー、卓球などは平面的にやり取りする。
ヨットの場合はヨットマンの見える方が声でサポートすれば、大海原を楽しむことができる。
40年前はまだまだでした。 
ハイキング、キャンプだとかの行事はやっていたが、皆さんが積極的に出る時代ではなかった。
1981年、国際障害者年があったが、其れがきっかけになって、広まっていった。

ボランティア活動として外出を援助しますよ、と言う事でやっているので、外に出るチャンスは増えたと思う。
中途失明者の方が多くなっている。  視覚障害者 全国で36万人 18歳未満は5000人(1.4%)
成人になってから視覚障害者になる人が圧倒的に多い。
誰でも落ち込むが、落ち込む期間を短く、自分も生きていこうとする気持ちを持っていただきたい、之が大きな役割だと思う。
料理は視覚障害者の人が作った方が、美味いと言われる。
見えていると、分量に目を奪われて、味の方がおろそかになるのではないか。

ボランティア  お金を貰わないでよくできますねと言われるが、自分が社会の一員として、活動出来ている事、視覚障害者の方に感謝されることがあるが、お金には替えがたいものですと言っている。
2年前の春に神奈川県ライトセンターを早めに退職しました。 
やりがいのある仕事だったが、こういう仕事をしていてお金を貰っていいかと、ずーっと考えていた。
対価を頂かないで、御恩返しをするのが、自分の務めだと前から決めていたので、今は毎日楽しく通わせていただいています。

公的なところは制限(外出に関する時間制限とか)があるので、公的な部分で出来ない部分を補うのが、ボランティア活動ではないかと思う。
ボランティア活動に、最近は厳しい要求があるが、世の中はドンドン変わってきていると言う事です。
音声図書、 コンピューターの声が良くなってきているが、肉声には及ばない。
インターネットの記事を、私たちは目で見るが、視覚障害者の方は文字情報を音声に変換してコンピューターの声できく。
コンピューターの方がいいと言われないように、頑張っている。
ボランティアがいらなくなると言う事は無いと思う。
本の中に、文字だけではなくて、写真、図、イラストとか色々あるが、其れを機械が自動的に変換するのは難しい。(人間も難しいところはあるが)

ボランティア養成講座 専門的な知識、技術が身につかないといけないので、講習会で基礎を学んで実活動を通じ、勉強会で、応用編を学んでいただく。
視覚障害者に聞いていただくためには、品質の悪いものだと困る。
音訳 1980年ごろから 視覚障害者の為に判り易く読む。
押しつけの読みは良くない(感情を入れ過ぎたり)、頭の中にドンドン入ってくる読みが、上手な読み。
慣れない方は、難しい文字があると、つい何でも説明しようとするが、視覚障害者のかたは、中高年のかたがおおいので文字は沢山知っているので、いちいち説明すると流れが止まるので、流れが止まらないようにしないといけない。
説明が必要な場合は、簡潔に、判り易く、短めに、流れが止まらないように説明する。

オープンリール→カセット→CD→DG図書
DG図書 スウェーデンで開発された技術で コンピューターの圧縮技術によって、1枚のCDに50時間以上も収録できるというもの。
視覚障害者の専用の録音図書で、専用の読書機がないと聞けない。
検索性に優れている、ページを選択できる、利点が沢山ある。  
国際的な取り決め、日本の河村宏さんが中心になって普及させた。
視覚障害者に限らず、DGは学習障害、知的障害の人とかにも、利用されている。
糖尿病を放置して見えなくなると言う人が多い。
一生見え続けるという保証はないので、やはりいろんな方に理解してもらう事が大切なのかなあと思います。

視覚障害者のかたもパソコンを使う人がいるが、まだまだ少ない。
視覚障害者情報総合ネットワーク(サピエ) どなたでも訪問できる ポータルサイト 私がやれと言われた。
ボランティアの方がこれからも、やりがいのある活動として生きいきと活動するための、後押しをする役目をしようと思っている。
北海道で次のステージを歩もうと思っている。