2014年7月6日日曜日

保坂正康(作家・評論家)    ・昭和初年代の人々の生活(2)

保坂正康(作家・評論家)  昭和史を味わう 第4回 昭和初年代の人々の生活(2)
都市生活の実態、日常の生活環境(昭和4~8年)
農村は困窮の極に至るが、都市は若干違いがあり、ある種の繁栄と、その繁栄から来る複雑な様相を呈していた。
都市文化の担い手は中間層、第一次世界大戦が終わってから、高等専門教育を受けた人の能力を各企業は必要とするようになり、定期的な採用をするようになった。
事務職として満たしてゆく、知的産業の仕組みが出来上がってきて、それが都市文化の背景になった。
当時、思想、哲学とか、日常生活の中で知的な生活とはどういう事かとか、かなりレベルの高い特集記事をやっている。
ハードの面、物質面でのラジオ、地下鉄、タクシーができ上ってゆくと同時に、都市文化はレベルアップをしてゆく様相を呈していた。

中央公論 昭和4年10月号 どういう形で近代化しているのか、などをいろんな側面から分析している。 
片岡鉄兵の記事 都市のビルの中で、サラリーマンの生活は忙しく動いているという形を描写している。(現代に通じる様な描写)
服装は背広の三つ揃い 帽子をかぶる。
高円寺、三鷹、吉祥寺界隈に家を設ける。 中間に新宿、渋谷があり、娯楽の中心になってゆく。
映画、演芸、カフェがあり、そこで息抜きをしたようだ。
「道頓堀行進曲」 、「東京行進曲」  都市文化を正直に歌った歌。
「しゃれ男」(俺は村中で一番、モボといわれた男・・・) ある意味東京は怖いところという表現する。
インテリ層、 ブルーカラー、職を失った人の層、 大きく二つに二極化する。
矛盾が広がってゆく。 問題意識が広がってゆく。

映画は無声映画からトーキー映画に変わってゆく時代。
主人公は新らしい時代を先取りしている。「マダムと女房」(国産初のトーキー映画)
昭和5年、失業者は全国で32万人。  貧しい長屋暮らし。
労働争議も増えてくる。
社会を変えなければいけない、という考えが浮かんでくる。
芙美子が活躍、「放浪記」 50万部売れた。(凄い数字)
自分の生活を赤裸々に語った。。
古賀政男が大活躍する。(27歳) 「酒は涙か溜息か」「影を慕いて」「サーカスの歌」・・・。