2013年12月16日月曜日

大城和江(内科医)        ・山ガールから国際山岳医

大城和江(内科医)    山ガールから国際山岳医
大城さんは日本初の国際山岳医で、北海道の民間病院で循環器内科医として働いています。
国際山岳医は今から15年前にヨーロッパで始まった制度で山で起こり得る病気への対処法を身つけ、事故を未然に防ぐのが目的です。
この資格を取るためには150時間を越える講義、それにクライミングなどの実技を5年以内に終える必要があり、大城さんはこの資格を2010年に取得して、三浦雄一郎さんがエベレストに登頂したときには、山岳医として同行しました。
大城さんに山岳医療にかける思いを伺います。

、三浦雄一郎さんがエベレストに登頂の国際山岳医として同行、前進基地の6300mのところまで同行しました。
心臓が気にはなっていた。 発作は突然出てくるので不安だった。
兎に角意志の強い方ですね。  普段は淡々としている。
心臓発作は起きたら先ず死んでしまうので、リスクを減らすしかなかったので、水分をしっかり取るとか、自分のペースで行動してもらうしかなかった。
アドバイスを守ってもらったのも成功の一つだと思います。
山で起こりやすい病気やけがに対応したり、予防したりするが、広い意味では世界のどこの山でも、どんな国の人にも同じ質の医療を対応できるようにするという目標があって活動しています。

もともと山は好きだったが、ネパールにトレッキング行った時に、6,7年前に行ったときに高山病になった人がいて、無事に下山はしたと聞いたが、山で起こることをもっと知りたいと思ったし、できる事はなかったのかと、もっと勉強してみたいと強く思った。
制度はヨーロッパではじまってヨーロッパで英語ができるところと言う事で、イギリスに取りに行った。 (2009年の事)
カリキュラムは1カ月でいいんですが、山に登りたかったので一度病院を辞めさせてもらった。
救助、登山の技術、山で起こる病気のことなどを学びました。
人を助けるための最低限の技術も学びました。
費用は当人の貯蓄で賄った。   1年で国際山岳医の資格を取れた。
ヨーロッパでの仕事をする事も考えたが、日本に還元できないかと考えて日本に帰る事にした。

生れは長野県だったので、山と言う環境は身近だった。 兄弟は8人で私は7番目です。
母と共に病院に行ったりして、人を治す仕事はいいなあと思って、漠然とおもっていた。
卒業して、呼吸器に関する部署に入ったが、全体を観られるような事をしたかった。
人が死ぬのは心臓か肺だと思って心臓の勉強をした。
循環器の専門医を取るのに6年ぐらい勉強をやっていました。
親が他界してから段々外に出るようになりました。  歩いて登れる山に一人で行っていた。
北アルプスで練習をしました。 
ヨーロッパで暗い中登りだして、暗くて見えないが、音がして逃げたが落石があり、ザックなどが流されてしまって、自然の中では簡単に死んでしまうんだんなあと肌で感じてそう思った。
山に接して、楽しみ方を学ぶことができた。

病気の事は相談に乗るが、山に登るかどうかは当人が決めるので、その場では素直に聞かない人もいるのでは無いですかね。
2010年資格を取り、日本に帰ってきて、循環器内科の医師として病院に戻る。
非常勤にさせてもらっている。(登山がしたいので、時間が欲しいので)
頼み込んで登山者外来という新しい事をやらさせてもらっている。
山の遭難を減らしたいが、心臓の突然死がおおいので、予防していかないと意味がないと思った。
夏のシーズン前には多く来院する。(体調の確認などで)
北海道警察のアドバイザーとしてもやっている。
救助に対してアドバイザーをしたり、一緒に山に行って、こちらから声をかける活動をしている。
低体温症対策 厚いものを着る、きちんと食べる事(炭水化物)を推奨している。
体温が下がらずに運べる方法 湯たんぽ、濡れないように防水シート、ラッピング等で対処する。
遭難者数は増えているので、減らしたいとは思う。
中高年の登山  登山のいい事は自分にあった山を選んで、自分のペースで登れる事
装備も必要なものをきちんと用意して、必要な知識があるという事が遭難の予防には大事になります。
年末、年始の冬山遭難  低体温症は知識を持つ事で或る程度予防は出来る。  
しっかり食べる、濡れると凄く冷えるので濡れたものは着替える。
雪崩の事故は北海道は結構あるので、埋まってしまうと結構難しい。
埋まらないような行動学は専門の分野の方から学ぶ必要がある。
埋まったら出来るだけ早く掘り起こすことが重要、仲間を探すトレーニングも必要。

7,8月の夏山の遭難は多い。 北海道、長野は多い。(登山者が圧倒的に多いので)
自分の体力に見合った山を選ぶのが大切。 山の事を教えても貰いながら自立してゆく。
装備は凄く大事、いろいろ情報を集める。
いきなり本を読んで行っても、そうではないところもあって、通信手段を確保、GPSを持ってゆくとか、最悪自分を救う手段を持っていないと危ない。
経験からいろんなことを学ぶので、山に登るのには、常に危機感を持って行かないといけない。
体は動かす様にしている。 動いている方が自分で安心する。

中高年の遭難は多い。 ①転落、滑落、②心臓の突然死、③疲労とかで低体温症になってしまって、亡くなる方が多い。 この三つが多い。 冬では雪崩とかが出てくる。
心臓がどの程度耐えられるか、確認してから行った方がいい、34歳以上の男性に多い。 年間2週間以内しか動かない人が山で心臓に問題を起こすことが判ってきているので、普段から動いていたほうがいい。
山岳ファーストエイド講習会を開く。  登山者自身が自分を救う能力を挙げていかないと、遭難は減らないだろうと考えています。
ファーストエイド  応急処置、初期救助  救助にかかわる方に受けて頂いた。
医師、看護師、警察、一般の登山者などが参加してくださった。
日本でも国際山岳医の資格は取れる様になった。
人命救助、安全な山岳登山のサポートをしたいとの思いから、遭難救助のアドバイザーをやっているがこれからは遭難を未然に防ぐにはすそ野を増やす、質を向上させる。
応急処置を学ぶと、予防を考えるようになる。
ファーストエイドは登山者にとって登山技術の一つだと思うので、ファーストエイドに関する知識や技術を身につけて頂ければいいなあと思っています。