2013年7月21日日曜日

大平貴之(プラネタリューム製作者)   ・星空を作る男

大平貴之(プラネタリューム製作者)    星空を作る男
小学4年生の時に、夜光塗料を塗った星を、壁に貼り付け、みんなに喜ばれた事がプラネタリューム製作に興味を持ちました
2003年勤めていた会社で、天の川はもちろん肉眼では解らない星も投影しようと、当時多くても2万、から3万だった星の数を150万個以上も映し出せるプラネタリューム投影機を作り、退社後にはその数560万個にも増やし、ギネス世界記録にもなりました
プラネタリュームは都会にいても綺麗な星空を見れる、オーロラも出せる、時間を早回しすることで、過去、未来の星空を見ることができるなど、プラネタリュームによって星空はいろいろなことを想像させる力があるという、大平さんに伺いました

最初オリオン座を壁に作った 思ったよりも綺麗に見えて、評判が良くて、部屋中を星だらけにした
次にボール紙に穴をあけて、筒を作って中に豆電球を入れて、作った(本の付録だった)
面白いなあと思ったが、もっとくっきり出来ないのかなあと思った
科学館のプラネタリュームみたいにくっきり、綺麗にできないかなあと、そういうものを作りたかった
星がよりくっきりするものを作るには、やはりレンズ式なものでないと駄目だと思った
当時の自分の力ではできずに、レンズ式は一度あきらめた
中学はプラネタリューム以外の事に夢中になった
高校生になって、物理部天文班に入って、そこで文化祭で発表の機会があり、レンズ式は直感的に無理だと解っていたので、ピホール式でどこまでクリアにできるか、星が6000個映るプラネタリュームを作って、産業用のモーターを使って、動けるようにして、直径3mぐらいのドームにして映した

プラネタリュームが国内で普及していったのは、1960年代 70年代 スプートニク、アポロで宇宙へのブームに火がついて、国内に二つプラネタリュームを作る会社が出来て、国産化に成功して国産化ができるようになった
バブル期にも増える  現在全国で400か所あると言われている 都内だけでも20~30か所ある
作っていて面白さは? 今までできなかったものがドンドン出来てゆく過程、新しい技術 自分の作るものがどんどん成長してゆく過程、作って人に見せられる事で吃驚させられる

自宅の四角い部屋でプラネタリュームを映す、マゼラン星雲、南極の空に天の川などが映る
銀河系で推定で1000億以上星があるといわれる 
銀河系みたいなものが数1000億あるといわれている
映写機と同じ仕組みで、真中に強いライトがあり、その周りに沢山のレンズがあり、レンズの奥に構成原版画あり、(星の元になる夜空を表す板、分割されている) 金属の表面に小さな穴が空いていて、光が抜ける
小さい穴を抜けた光をレンズによって、スクリーンに映る レンズの数は16個
面によって穴の数は違うが、少なくて7万、100万個のところもある

自動で穴をあけるが、穴をあける機械を作るのが一番のノウハウで自分で作る
ソフトウエアを作らなくてはいけない(星の原版のデータ)
データの通りに正確に穴を開けなくてはいけない、レーザーを使って7/10000mmの大きさの穴をあける
精密技術 コストを下げて プラネタリュームの原版に使えるようにアレンジした
今はプラネタリュームは多様化している  教育機器として普及 大人向け 子供向け 癒し等々
大人向けのプラネタリュームに力を入れている  貸し切りとか 空の一部だけ見えるようにするとか
きめ細かい演出をできるようにする(雲が流れて晴れ間の空が見えるとか)
星座の姿が変わってゆく様子 10万年経つと星座の姿は変わってくる 20~30万年経つと星座の形は解らなくなる
地球の地軸の向きが何千年経つと変わってくるので、1000年経つと今の北極星は北極星ではなくなる

星座の形の変化は別の現象で、星座自体が、好き勝手な方向にゆっくりと動いている
10万年 100万年とたつとガラッと変わってくるが、それが表現できるようになってきた
平安時代の北極星の位置は現在変わってきている
オーロラも簡単に出せるようになった デジタル投影装置を使って、併設してそちらから映せる
肉眼では見えない精密さ 星の色分け 星のまたたき 日食 月食も表現できる
リアルな感じを出すようにしている
感動が大事 それがあると興味を持つ  興味を持って自発的に勉強する子にはかなわない
感動は勉強する入口になる

地球からの天体だけではなく、月から観たり、火星から 宇宙旅行をして観ることができる
地面の下、南半球の天体も観ることができるようになった
プラネタリューム 本物にできない事ができる  昼間に星が見える、天候も左右されない
時間を早回し、いろんな場所に行ったり、宇宙に行ったり、星を明るくしたり、暗くしたりすることができる  
小規模な施設に向いたプラネタリューム  数人レベルで見る様な
プラネタリュームでない場所で見られるような、バーとか、レストラン、病院、地下道、自宅(家庭用はすでに65万台売れている)
将来、直径が1kmぐらいのプラネタリュームを作りたいと思っている(ディズニーランドに匹敵する広さ)
人口の天上の中に、いろんな現象が演出できる