2013年2月26日火曜日
村上隆(現代アーティスト51歳) ・現代アートで時代を変える
村上隆の作品はアニメキャラクターや漫画の様なユニークなもの 2008年『My Lonesome CowBoy』
フィギュアーの作品はおよそ16億円で落札されて話題になりました
それまでも等身大の作品が何度も5000万円以上で落札されて アメリカのタイム紙で世界で最も
影響力ある100人に選ばれたり、イギリスでのアート誌でも世界のアート業界をリードする100人に
選ばれています
2010年にはベルサイユ宮殿で個展を開催 2012年にはカタールのドーハで展覧会を開きました
特にカタール出展示した全長100mに及ぶ五百羅漢図は評判になりました
東京芸術大学で日本画を学んで、大学院で博士号を取られています
村上さんはなにがきっかけで現代アートの世界に入られたのか、そのユニークな作品で何を
伝えたいのか等を伺いました
何が表現したいのか 芸術の世界は、日本で教育されている芸術はオリジナリティーがある、
ユニークである そこが大事なポイントでもう一つ 孤高の生き方をしている (アーティスト)
ユニークなものが出て来る そして讃える
大竹伸朗 展覧会で衝撃を受けた(現代美術) 現代美術について勉強し始める
32歳の時にニューヨークに渡航する(現代美術の首都)いろんな側面が有って
マイノリティーが大きなテーマであり トレンドが来る ニューヨークの街はアートがあふれてる
トレンドが出て来る 脚光が浴びる瞬間が来た(日本人に)
現代美術で中国人はいなかった 私は途中に居た マイノリティーにおいての芸術とは何かという
テーマが有ってその中に入って行った
印象派(モネ、)は数人だが、当時の芸術家は何万人、何十万人がいた
最終的には時代が洗い流して残る作品、残る作家しか残らない 残る作品は良い作品ですか
偶然だと思う 伊藤若冲 の作品は一昨年ぐらいまでは青物問屋のお宅で結婚も
しないで絵三昧の生活を送っている作家と言う事で、お寺に寄贈して作品が残っていた と言う話に成っていた
帳簿が出てきて若冲本人が青物問屋全体を纏めていて、江戸幕府との折衝をしていたという記録が残っている事で、価値観も見方も変わる
絵に対する見方が変わった お宅で好きで好きで細かく書いていた
火事にあって自分の財産を全部焼かれてしまい何とか生きて行かなければ行けないと言う事で職業画家になった
65歳過ぎ その頃からの作品が私は好きで 凄味が有る 食うに困った人間の底力が出てきて
びんびん来るものが有って凄く そういうところが好きだなあと思っていた 計算できる人だった
近い過去はどんどん忘れてしまったりとかある(30年~50年) 偶然が残ってくる
戦争で若冲は海外アメリカ、に売られて行ったが当時は高くなく、日本では価値がなかった
ゲテモノの部類として扱われていた
プライスさんは私は好きだと言う事で購入して、隠れていた過去が解って来るうちに、この作家は
価値がもっともっと高いのではないかと(研究されたりして行くうちに、)後世の人が決めている
尾形光琳とか琳派の作家に負けて、戦中、戦後は評価は低かった
最近では尾形光琳に匹敵するのではないかと評価されている
何故その作家が評価されるのかは偶然性が高くて正直解らない
2008年タイム誌で100人に選ばれる (村上隆と山中教授の2人)
ちょっと前に運慶、快慶の仏像が15億円で落札された
オークション会社は高く売りたい 5億円位まで2人が競って来て16億円までになってしまった
ギリシャ彫刻と人形とをアレンジしたような感じ 印象派のモネが如何して皆好きかと言うと
それはブランドだからです
ブランドが構築されるべくして構築され、構築されるべくして構築しようとしても構築されないものは構築されない
誰かがモネを好きな人が有る分量いて、その人達がマーケットを支え続けた
だからモネは非常に高額で今も取引されている
それが世界の価値かと言う時に、なるほどねと思う と言う事でそれは一つの価値ですね
大衆がイニシアティブを取る 母が心が休まる、という なぜ心が休まるかと言うと 有名だからと
言うのが一つの理屈 自分は幼少の頃に本で見てたら現物を見てたら涙が出てきた
それはアイドルとかと同じシステムであって、憧れのあの作品の現物を見たから涙が出てきたと言う事でその実態は虚構で有って現実でも何でもないと思う
ただ例えばサッカーを見るとファンタジスタなプレーが有るが、今考えられる技術、ゲームの運び
そういう物を全部考え尽くしてもこのプレイは物凄過ぎる
それで点を入れるかねがファンタジスタ これと同じように芸術でもファンタジスタはある
実は私の芸術はそういう作品なんです (解って貰えないが) マイノリティーのゴール
セクシャリティーのゴール 彫刻、色彩 頓知 とかのいろんなゴ-ルが有る
そこのゴールにめがけてシュートが決まると尊敬されるアーティストです
先ず技術的な面が有る、其の技術的な面は日本のアート史には見る目がない
教育がなされていないので私の評価は低い
マネとかの作品が来て裸で森の中で食事をしている作品 凄いテクニックである
当時のトレンドとしては、当時の作品から言って逆行している様な 時代に逆行するようなコンセプトで色の置き方、描写の仕方、テーマ設定 ゴールの狙い方が珍妙というか不思議なものを狙っている
それが確かに今は通じるが、でも当時は通じなかったでしょう
凄いこんなに飛距離の長いゴールをよく打てましたねと尊敬されている
芸術って そんな覚えることはないと思っているが 感性で解ると思うが 違います
サッカーとかはゴールに入るので解るが、芸術は誰が見ても解るとは云えない
ニューヨークは現代芸術があふれている
私のは珍妙であると言う事ですね(いつもヘッディングでゴールをするような 又こんなヘッディングかよ 凄いね と言う様な)漫画が偉い 日本に燦然と輝く文化である
日本の漫画も誰かが啓蒙しないといけない そうしなければ世界の藝術に成らない
日本人は解っていない だから外国のブランドは大好きなんですよ
自分達はブランドを作れないと思っている
ブランドを作ると言うことは啓蒙活動ですから 啓蒙活動を集中してやり続けるプレイヤーが多い
ほど啓蒙成功する
しかし漫画のプレイは一杯いるけれども啓蒙する人は凄く少ない 漫画は芸術だと思って居る
漫画の方が正しい マンガの方が世界の芸術でポットなんです
それを立証するために自分自身がありとあらゆる芸術の分野を勉強してそれを立証しなければいけないと思って、自分自身が実験台になって、いろいろやっている
自分が子供のころに見たアニメ は凄いと思って感動を呼び起こす この凄さを人に伝えたいと
思って、伝えたいと思うより先に才能がドンドンそこの業界に入ってきて、物凄い驚くべき業界に漫画が成っている
葛飾北斎の冨嶽三十六景の赤富士 当時藝術だったんですかと言う事ですよね
当時ただのポスターだった 器を包む新聞紙みたいなものだった
それを観て日本から送られてきた、版画とか包み紙を高い金で取引し始めた
これは凄いんだと印象派で伝える人が特別にいた ゴッホもそのうちの一人だった
逆輸入で世界の浮世絵になった
何故逆輸入しかできないの 日本人は というのが 私の一番のモチベーションですね
日本の文化を日本人たちが世界にどうですかと 問いかける事がなぜできないのかと
それを自分は若い頃から疑問に思っていたので自分自身がやって見ようと思った
それを筒井先生に話した それは君の仕事だよ 気がついた人がやればいいと言われて、
やっている訳です
日本画とは何かとの疑問から始まった
現代美術よりも日本画(当時平山郁夫先生等がいた)の方が遥かに高かった
マネーゲームが行われているのではないかと聞き込み調査を行っていた 確かにやられていた
バブル崩壊の時に日本画業界はクラッシュした 今もクラッシュしっぱなしだが
いまたまたま私は現代美術の世界に来て 16億円 これはおかしい
当時のバブル経済の時の日本画の価格がおかしかったようにおかしい
しかしそれが価格として続けて行けばおかしくなない
ではどうしたら続くのか、どうしたら続かないのかが、一番分析したいポイントなんです
それが偶然だと解ってきた ここ10年ぐらい黒人文化が変わってきた
マイケルジョーダンとかブラクカルチャーは凄い好きで 何かは解らないが
私の評価の1/3は黒人の文化をけん引している人達が後ろ手に成っていると言っても言い過ぎではない
胸の大きな女性がぽーんと居たり、エロチックなものが有り、それから伝えたい物は有るのか→ギリシャ彫刻、明治時代の洋画家は(安井曾太郎、黒田清輝)
海外に行って、ヌード絵画と言う者があると発見して、日本に輸入したが、展示禁止に成って、
いろいろ事件が有った
ヌードの人間を鑑賞するというたしなみが西洋人は有った
我々には無かった フィギュア―では足を異常に長くとか、顔をちっちゃくとか胸を大きくとか、ヌードではない 着衣
だがそれぞれの箇所をデフォルメしているという鑑賞のルールがある
鑑賞のルールの接合(西洋式のヌードの鑑賞のルールとお宅の人達の着衣のルールを接合してゆく
とこうなるんじゃないんですかと言うのが私の作品)
フィギュアにした理由は→6つのみ 抽象画家が私の分野 これが専門なんです
1950年代の抽象表現主義と今のキャラクター文化と言うものを接合すると、僕の絵になる
そういう形なんです
何が求められているかと言う事からスタートする 最近は多い 漫画も多い
間違っていた教育を受けていたことを皆さん解っていただきたい
芸術は孤高の人間が頭が飛んじゃっているような間儀で書くのではなく
ちゃんとマーケットが有って、マーケットと歴史を作るプレイヤーが何人もいて、必然的な構造が有って次の世代に手渡されていると言う事を、一番誤解されやすいのがゴッホの逸話なんです
弟が生前1枚しか売らなかったという逸話が強すぎて、孤高の画家がべストと 思われているが、ベラスケス、ドラクロワとかアーティストはクライアントがいたりして、宮廷画家だったりして 何故そこを皆忘れてるんだろうと、忘れちゃいけないのは19世紀の最後に 50年ぐらいトレンドとして 芸術家が芸術家の為に書く芸術というトレンドが有っただけで、それの影響がいまだに続いて居ていますけど、今はそういう時代は無くなり、今のトレンドは何かと言うと 、資本主義と芸術との距離感を芸術家たちは常に探っている時代に入った
私はダミヤン・ハースト とジェフ・クーンズの後を追っただけです
ニューヨークを中心とする現代美術の世界のトレンドです 日本は間違っている
芸術は死んだあとに解るみたいなことは一般的にはある 100年後に200年後に棚をなぜている? でも16億円で売れているが
それは資本主義です そういうものをいち早くキャッチする100年後に価値が出るので貴方の国の(トレジャー?)として買っておいた方が良いですよと、アドバイザーが生れてきた
国の宝物になるし、将来貴方の名を残して美術館が出来ますよと言う 誘惑ですよね
モネは売れそうで売れず 、ボストンに一杯売った
商業主義と言われれば商業主義 美術館は商業主義では無いので忘れてますが時代を経て 余計なものが現われて、ピュアな芸術しか残っていないので、そこしかお客さんは見ないが そもそもアメリカ人のヨーロッパコンプレックス フランスコンプレックスが強く有って、フランス人はフランス人で強力なサロンが有って新しいものを排他して、画壇が有って、自分の勢力をまもっていて、印象派みたいなものははじかれた、しょうがないの、で 営業に行った
横山大観も同じ アメリカに営業に行ってアメリカで資金を調達して、インテントを起こす資金にした
私は交渉の方が上手なんですね 才能の有るアーティストを海外に紹介する方にも精力的に
やっている(20年生き残っている 修行みたいなものは必要)
お客の立場に成って不自然であると言う様な価格(高い)で購入して、でもそれが資本主義だと思う(株と一緒の様なシステム)
資本主義のある種の欺瞞と言うか 現代社会に転がっている大きな矛盾と言うものとどうやって
向き合えばいいかと言う事で 自分では望んでいなかったが、資本主義真っただ中に放り込まれちゃったんです 今 お金も確かに物凄い価格で売れているが、売れている仕組みを知らずして、ずーっと自分が甘んじていれば、あっという間に凋落してしまう
これは不思議なぐらい何百人、何千人と見てきているので、そうならないためにどうすればと言うかと 手を考えると いろいろと手を考えるしかない
『DOB君』15年ぐらい描いているが微妙にマイナーチェンジしている
世界のトップ10に居る様な人(私の作品を買ってくれる人)も常に不安を抱えていて、自分達の
アイデンティティーだったりだとか、未来を予測するためにいろんな投資をしている会社を買ったり サッカーチームの買い上げ アートを買ったりだとか 学習している 彼らは貪欲ですね