2013年2月4日月曜日

坂本光司(法政大学大学院教授65歳)・会社の繁栄は社員の幸せから

坂本光司(法政大学大学院教授65歳) 会社の繁栄は社員の幸せから
法政大学で経営学を学び、故郷の沼津に帰り、県の産業支援機関に入り、中小企業と係わりを
もち、以来、40年,中小企業中心に 会社の有り方を研究していらっしゃいます
現場を学ぶをモットーにこれまでに訪問した7000社から調査した正しい経営の有り方を提唱しています
正しい経営とは会社に係わる5人を大切にすることで最も社員を大切にすることが坂本教授の
経営学の特長です  2年前には日本で一番大切にしたい会社大賞 という制度も作って正しい経営をする会社を表彰し、会社を業績第一から、人の幸せを追い求める組織に替えたいと活動しています
私の研究は現場そのものですから、研究室にはあまりいません  
40年で全国各地の会社7000社余りを訪問している
定年まであるいは亡くなるまで続けて行きたいと思っている   

今は1週間に2日位は外に出掛ける 年間に200社位になる(昔は400社位は訪問) 
私は大学の先生になるというのは無かった  
静岡で両親が住んでいて、両親ともに身体が悪く、農業をやっていたりしたので、長男でもあり産業支援機関からの就職口もあり、故郷に帰ってきた
企業の問題を聞いて来たり、に相談する、とか、政府への要望とか、話をするとか
調査とか、その成果を国に報告すると言う仕事だった 
 
初めて本当の勉強に出会ったと言うか、現場に行って こんなにも頑張っているのに
報われない人々がいるのかとか、こんなにおかしな大企業からいじめられている会社が有るのかとか、学問としては2重構造の底辺だとか、弱いとかそういうことしか教わってこなかった
初めて現場に行って水を得た魚のように、これだと言う感じがした  非常に面白かった
また再び勉強してお返しをする と    不特定多数に対して行うのが、公的な仕事であったが、同じ会社へも出かけ、相談に乗ったり、アドバイスしたりした
中小企業は生活そのもの  資金繰り、人の採用 新商品の開発に関する事、作った商品の相談も有った  喜ぶ顔が見たかったので対応した

今は講演要望があちこちからある 昔は之からの景気はどうなるか、どういう商品を作ったらいいのかという 質問が多かったが、ここ最近は経営の本質みたいなもの、 何のために  自分がやっていること、やろうとすることが 本当に世のため、人のために役立つのかとか
会社の業績を高めるのではなく 世の中をみると社会的な弱者がいるので その方にとって何か
してあげたいのだけれども どんなことをすればいいのかとか社員が頑張っている 
その社員に業界では一番と言われるような給料を出しているが もっと何か,社員が心底喜んでもらえるような制度とかを教えてもらいたいと 経営の本質を期待しだしている
ここ7~8年ですか  経営者の考え方が変わってきたように思う

かつてはもうかる話をしてくれと言っていたが 経営の目的は人を幸せにすることですからと、
私は言っている
光り輝く会社 社員が生き生きしている 会社に出会う 例外なく人を大切にしている 
そこに私は気がついた 
5つの新しい基準 新しい経営は 一番大切なことを一番大切にする経営   
一番大切なことと言うのは業績、成長、シェアー、ランク勝った負けたでは無く人の命と生活ですね 
正しい会社は人の命と生活を守り高めると言う事をベースに置いて ぶれずに愚直一途に
経営している会社
人と言うのは五人  
①社員とその家族 (これまでは株主、顧客と言われたいるが 順番を違えた) 
②社外良社員とその家族(仕入先 協力工場 下請  今までコスト、材料 外注 とか
 そう見てしまって人間としては見ていなかった  安い方がいい 汗みどろ 
 油まみれで頑張っている)
③顧客 (現在顧客 と未来顧客 の永遠の幸せを実現するための活動  
 買ってくれた人だけでなく 買ってくれない人と差別をしてはいけない)
④地域住民  (障害者、高齢者 困っている人、苦しんでいる人がいれば会社として出来る限り
 のことをしてあげる  障害者で働きたい人がいれば、その人達に雇用のチャンスを作るべき
 無いと言うならば会えて作る必要があるのではないか  立派な会社はそうしている)
⑤株主 出資者( これは余り意識するなと私の本には書いてある  結果としての幸せ)

印象に残っている会社は700社有る  伊奈市の会社 背中が震える想いをした  
ここまで社員、家族の生活 外注さんの生活  お客の幸せを念じているのかと言って私は正直言ってそういう会社こそこの国の多数派を占めるべきだと言った
会社を訪問すると経営理念を調べる 社長さんは 会社の目的は社員の幸せを通して社会に
貢献することです と言った
外注さん は変えた事がない  定年退職した場合は どうしても働きたいと言う人がいたら 
受け皿会社を作ってそこで働いて貰う

離職率 この会社は実質ゼロ  幸せを実感出来ると感じているから  
それで商売は出来るのかと言われるが48年連続増収増益 利益率は10%以上
高いものを売りつけている訳ではない
愛知県 豊橋 小さな歯車を作る会社  この会社しか作れない 長年勤めていた社員が重い病気にかかり、息を引き取った 2年半いちども会社に出社できず、
この会社はその人に対して、減額をせずに給料袋を渡した  夏、冬のボーナスを渡した
社員もその方に対して同様な想いであったと言っている  
その方に技術指導して貰ったので今の私達がある  とのこと

だから次から次に物凄い商品を出す  この会社では定年がない 
能力が落ちたり体力が落ちたりしたら そういう仕事を作る
給料が一番高い処から横ばいになる  若い人が嫌気をさすのではないかと思ったが、
私達の行く末ですから という
お年寄り、障害者の幸せをを考えると 若い人が心が燃える それは自分の行く末だから
チョークメーカー 当時従業員が50人ぐらいの会社  知的障害者7割を占めていた  
社会的責任として行動した 
今日本で一番上場会社で雇用している会社が13%  社員が社長に採用してくださいと時期談判して ,その気持ちに押されて採用したのが最初のきっかけ
出会った時にこの国の宝だと思いました
    
この様な会社が一杯ありますけど社員の目つき、顔つきで判る  
早く5時に成らないのかな 思う様な顔  顔、態度にでる  
 トイレ、社員食堂を見せて貰う  綺麗、汚いではなく
社員の午前中の疲れをいやして、之から始まる午後の為の準備をするという憩い場である
社員食堂は会社の中でもっとも良い場所に置くべきだと、思っているが良い会社はそうしている
 トイレ せめて一か所ウォシュレットにしてあげないと と思う 社員のための福利厚生施設 
良い会社は全部 まるです

障害者、高齢者がどの程度いるか  最高齢者 92歳の人がいた  
人を大切にする会社が1社でも増えるようにやっている  
高齢者を大切にすればするほど若者は燃える  自分達の未来が目の前で解るから
若い人との仕事の棲み分けはできる  年寄が好んで使う商品は若い者には解らない
価格競争力でやろうとすることは間違っている
アジアでは競争に勝てるわけがない  
価格競争力を維持する限りは人を幸せにすることはできないと思っている
高いけどサービスが良いとか、高いけど良い社員がいるとか 高いけど買った後いろんなことを
してくれるとか、 高いけどこんなことを社会にとって,いい事をしてくれているとか 社会はそういう軸で世界の人は見ていてくれる

この国が価格競争力の優位性を発揮している会社が少数派に成って 出来れば全部なくなって、 皆非価格 で その時初めてこの国と言うのは、長いトンネルを抜けて世界から再び
尊敬される国に成ってくれるのではないかと思っている
少しずつ増えている  非価格 社員、サービス 納期 社会貢献活動 社会はそういう会社を
評価している 
私が頼まれるテーマはどうしたら社会性が高まり、社会から評価されるような 社員が幸せだと
実感できるような そういう会社にどうすればできるかと
いう相談、講演が圧倒的です

物差しを変えろと言っている  業績軸から幸せ軸に  どうしたら関係者が幸せになれるかと 
幸せになれば必ず必ず会社の業績は高くなる
東証 一部 の社長さんに講演を頼まれて講演する  
日本の大企業が変わってもらわないと いけないと話すと(中小企業での事を話すと)
多くの人がポケットからハンカチを取りだして目頭をぬぐう光景を目にする
もしも逆の立場であったなら リストラされた商品を買いますか、 リストラした社長さんを
尊敬しますか、 自分が下請けだったら之からも一方的なコストダウンに対して、
これからもずーっと協力しますか 常に相手の側に立って、自利の世界から 他利の世界に  
利他 利他です
他人の幸せを念じて経営をすれば必ず回って来る 
この世に神様がいるがごとくだと言っています   
正しい経営は滅びない  誰かの犠牲の上の経営は永続きしない 
喜びも、 悲しみも、苦しみも共に分かち合う
宗教の違い、国籍の違い、年齢の違い、性の違い があっても之が経営の中で出来ないはずはない 
人を大切にする会社は滅びない  子供達の未来の幸せにも通じる