2013年2月7日木曜日

庄村昌子(押し花作家)     ・押し花に新しい命を吹き込む

庄村昌子(押し花作家)   押し花に新しい命を吹き込む
四季折々の花々 残念なのはそれらの命が短い事  色鮮やかな美しい状態をいつまでも保つことが出来ないものだろうか  
実践しているのが庄村昌子さんです  
一般にはセピア色に変色してしまってのその状態を望むべきも有りません  
庄村昌子さんの押し花は美しい色鮮やかな状態を保ったままなのです  
アトリエで毎日15時間近く花と向き合う押し花作家の庄村さんにお聞きしました

実際の花びらで作った絵の作品 子供時代から山の景色を見るのが好きだった  
押し花なので立体的に成っていて光のさし方で印象が違ってくる
シール、ボンドを使わない (いろが変色する可能性がある) ガラスを乗せて真空にするようにする
絵を勉強してなかったのでコンプレックスを感じる時もあったが、いまは自由に描けるので、却ってよかったかなあと思う
新鮮な花を使う  花びらを分解してしまう  一枚ずつ押して 花びらも裏からカッターで傷つける 牡丹等は花粉から中の花芯からばらばらにして取っておく  
再構成する シール、ボンドを使わない ガラスを置いて真空状態にする    
花びらだけを真空状態にしても色が変わる 茎を入れて葉っぱを入れて 咲いている時のように咲かせることで、作品の中にしてしまうと色は変わらない

だから私は額の中でいきていると思います  
プランターでいい子ね,いい子ねといって水を入れて花を咲かせるとその花は色が持たない
逞しく空からの雨を待つ様な、花でないと駄目  桜もこの絵には何千個、何万個と入っているが、一晩で作る
花びらを2~3枚落とす そうすると落ちたところから並べて行って、失敗したりして繰り返しながら出来るようになった
修羅場をくぐり抜けた花が綺麗   鋏を入れようとすると嫌だという花がある 
その時は又来年にね  といって切らない

これが押し花なの 嘘! といって驚いて貰うのが嬉しい
道端に綺麗な花が咲いていた 黄色い花が咲いていた 
足をとめた時からが私の押し花なんですけど  可愛いタンポポの種類 取ってきてコップに
入れて見ていたら癒された  これを押し花にして送ったら喜ばれると思った  
押し花カードにして送り始めた
私の押し花の原点は、お世話になった方への恩返しです

友人が花を持ってきて 押し花にしてほしいと持ちこまれて 沢山押し花にした
メロンも押しフルーツなんです  お中元にメロンを貰ってお返しに何をしようかと思ったが 押しメロンにしようと思った
先ず半分に切って、中身を取って ティシュペーパー、とかキッチンペーパー、とか新聞紙を細かく切ったものをぎゅーっと詰め込む 
上からちょうどいい具合に押してゆく 最終的には一枚の紙状のメロンを作る 
押す時に圧力がかかるところは黒っぽく見えるので まあるく見えるようにする

貰った相手がほんとうに吃驚する  
頂いたものをフルーツのブドウから茄子とかいろいろものを作って額にして送る様になった
花が私の事を解ってくれたみたいで一気に咲いていたが1本だけつぼみのままでいてくれた 
つくしが出て来るのが判る (今日行かなければならないと思う)  私の押し花はつぼみを使うので取る時期を3日を遅れるといいものが出来ない
其れが一番大変ですね  花に自分の時間を合わせなければいけない
ガラスを置く時に子供に手つだって貰ったが、静電気で全部ひっくり返したことがあり、以後一人でやる様にしている
猫柳で富士山を描いている 光の屈折を教えてくれた 
光り方が全く違う 花びらは光を持っている どの角度で花びらを表現するかで、
飛び出すようにも表現できるし、みずみずしくも表現できる

猫柳は植物の一番いろが綺麗と言う事を教えてくれた 自然界の美しさを教わりました  
猫柳はつぼみのつぼみなので皮をカッターでとる 
空からにしたものを上を向けたり下を向けたりする たつ場所にしたがって陰影が判る様にしたかったので猫柳を使いたかった
いろんな角度からの富士山を作っている  富士山は先生  15~6個 作品を作っている
何万個という猫柳を使ってやるのでもうやりたくない様な事があるが、頑張っている

群馬に花を摘む場所がある  取ったら数分後には押し花になっている 
鮮度が命 ピンクのリンドウは紫っぽくなるがそのまま入れてやる
農園には何種類を栽培いているのか 自然のままに栽培しているので解らない  1600坪ある  主人が農園を担当している(草取りが大変)
不思議な出会いがいっぱいあって 雪割り草 佐渡旅行で隣に座った方は佐々木さん 
たった一つだけ押せない花 がある  雪割り草は茎が細くて
可愛くて鋏を入れられなかったと言ったら私はその花を20年間育ててるので来なさいと言われた
作品にしてお返しに額にして手紙を書いて送った   
メールは便利、簡単だが、感謝した時に 言葉でも、手紙でも、物でも 返すと言う事が大切だなあとつくづく思います
海外でも注目されている  賞を頂いた  富士山  日本人は素晴らしいと言われた  
あちらの押し花はチューリップ ひまわり はっきりしたものが主流らしい  
色が微妙に変わるものをそのまま表現するのが、考えられないことだと とっても褒めて貰った(私は行ってないが)       ルーブル美術館に飾った  
   
岩手県大槌町 人口の1割が行方不明 姉は仮設住宅で暮らしている  
7,8年前に老人ホームに送った作品が飾ってあり それを見て姉たちは頑張ろうと抱き合ったとの事(津波の直後には姉たちはその老人ホームに避難した)  
どういう状況であれ 花は文句ひとつ言わすに全うして生きる  花のように生きたい 
自分に与えられた場所で文句を言わないで 自分のできることを精一杯して、それで咲けたら、何て素敵なんだろうなと思います  
花に教わることが一杯なんだなあと思います   
押し花を通じて、いろんな人の手伝いが出来れば、感謝あの心を伝えるお手伝いが出来れば
何て素敵なんだろうと思います