2013年2月14日木曜日

吉永馨(東北大学名誉教授85歳)    ・理想の最後を考える

吉永馨(東北大学名誉教授85歳)理想の最後を考える
高齢化が急速に進んでいる日本社会では介護の必要な人は400万人と言われています 
このうち要介護度の4~5の人は120万人にも達しています
特別養護老人施設は圧倒的に少なく入所待ちが100人~200人の施設がざらにあると言う事です
吉永さんが理事長をしている仙台敬老奉仕会はボランティアを必要としている施設とボランティアを
希望している人の橋渡しをしている団体です
60歳代、70歳代でも身体の動くうちは介護ボランティアの活動を積極的に行って介護の実態を
体験すべきだと説いています

昭和3年生れ NPO法人仙台敬老奉仕会 公職のほかにターミナルケアーを考える会、骨髄バンクとかいろいろやっています
要介護 400万人を越えている 
申請して介護の認定を貰う 実態は500万人を越えているかもしれない 
介護4~5は120万人 一番悪い状態で自分のことは自分で出来ない 
下の世話から食事の世話まで行わなくてはいけない状態
日本に40万床 日本にはあるが、いつも満杯 申し込んでも入れない  
空くまで待って下さいと言う事になる 
一つの施設で100人、200人待ちになっている(それが普通になっている)
入れない人は介護難民と言う事になる 
長寿社会になっているが、本来喜ぶべきことであるが、実際は昔は平均寿命が短かった

明治時代の半ばに30歳代 大正になって40歳代 昭和22年から平均寿命が50歳台になった  
80歳代は夢のような数字である  昔は還暦に達すれば大変おめでたい事であった
この様な状況は喜ぶべきことではあるが、介護問題が重くのしかかっている  
乗り切ることを考える必要がある  全ての人が長生きを楽しんで感謝、尊厳を持って一生が終わるという社会を作らなくてはいけない
  
介護保険等、国の制度として整備してゆくことが大事  財政等の難しい問題がある 
民間が自分たちの仲間がそういう状況になるわけだから 元気な人が支え合おうと言う 
市民側が立ち上がることが必要です  国家的施策と市民の立ち上がり 両方必要
欧米ではボランティアが非常に盛ん 施設に行って、職員と一緒に患者をサポートしている 
また寄付が支えている   日本では遅れている そこの点を何とかしないといけない
市民が立ち上がらないといけない 仙台敬老奉仕会 作ったのは平成18年 
初めは中々市民の側が受け入れる、理解が出来なかった(外国との違い、市民の立ち上がり)

資格もないのに施設に入って来ることはとんでもないことだと言う様な感覚が有った 
慰問合唱団の様なものは受け入れていたが(介護の戦力にはならない)、素人が手助けすることに関しては受け入れてくれなかった
施設のルールとか基本的なものを学んでから理解してもらえれば中に入って、職員と一緒に介護力として働く事はできる(守秘義務、なれないために患者に怪我をさせたりしたらいけない、
施設のルールを守らなければいけない)
そういう状況を何とか理解して貰って、日本にも実現しようと努力してきた
ボランティアも難しいことではなくて、寂しがったりする人がいるので、そこによりそっていればいい 
そうすれば、自然と話しも出来るようになり、遊びも散歩もとか 難しい事は何もない 
してあげないといけないような気がするが、本を読んであげたいとか でも聞きたくない人が多い
マッチングが巧く行かない事がある 余計なことをしないで相手に合わせて、相手のことを尊重する 
一緒にいて寄り添ってあげればいいと、やっていると解って来る  
研修しても解らないがやってみると解る  相手が喜んで貰えるのかは直ぐに解る
こちらも喜んでくれたなあと解ると 世の中に対して いいことをしたなあと、自分で満足する
寄り添いボランティアですね  一緒にいて見守ってあげる
7年になるが今はまだ理解が進まないので 15人ぐらいが行っている  段々は増えてきている 
知識が広がってきたので或る時に急激に広がるのではないかと期待している
女性が多い 大体60歳位の人 家庭での時間的な余裕がある方  
環境を整備すれば そのうちに欧米に追い付くのではないか  
どうしていいかわからないのでそのままになっている人が多い
(隠れた存在を掘り起こす事が大事 )
アメリカ等は若い人もやっている 学生にボランティアをしなさいとの指導がある 
(高校生には義務つけてやっている)

アメリカでは全年齢層にまたがってやっている   沢山の方がボランティアをしている  
ボランティアが社会活動の中に組み込まれている 
米国、リバーサイド(カルフォルニア州) に昨年2月に見学に行った(姉妹都市になっている)
大震災の時に募金をして非常に多額の義援金をして下さいました  
現場を観ることが目的だった  
一つの施設にボランティアのひとが100~200人入っている 毎日来ている人から1週間に1回とか2回とか来る人もいてまちまち(出来る範囲内で対応)
ロサンジェルスにも行ったが、日系人が多くて、そこでも立派な施設があり非常に良くやっていた  
一日に20から30人きていた(4つの施設があり、1500人のボランティア)
不満があればいつでも修正する様な細かな対応をしている  
アレンジメントをすれば実現すると思う    先ず仙台でしっかり定着させて広げて発信したい

日本では慰問ボランティアが多い 
施設の方でもしっかりした訓練をして、活用していると言う事には成っていない 
グローバル化しているので、アメリカのように成って行く状況になって行くと思っている  
ボランティアをしたいと思って始めるが最初 戸惑うが、ちょっとやるとコツを覚える  
寄り沿う事がどんなに喜ばれるかと言う事が解ってくる
そうするとやった人が嬉しい  そうするとやった人は生き生きとして来る 
やりがいがある事が生きがいになって、健康にもいい 病気になりにくい
認知症になりにくい   市民のためにもボランティアは伸ばさなければならないと思う
皆で助け合って生きてゆくと言う社会になる  世話になる様になったら世話になればいい 

元気なうちは世話をするという お世話できる時はお世話する  長寿社会が生きて来ると思う
寄り添いボランティア  してあげる事より寄り添ってあげる事が大事  
やってみるまではピンとこない  やってみると解る  コツを掴んで貰う
一か月おきに研修会をしている  施設の方に巧く使いこなして貰いたい  
受け入れる側 初めは資格の無い一般市民が入ってきて、お年寄りに接触することは良くないことだと思ってました  今もそう思っているところが多い

(資格がないから知識がないから守秘義務が守れないのではないかとか、患者に怪我をさせてしまうのではないかとかを恐れるので中には入れられなと言う考え方が有った 
専門家でないと扱えない領域なんだと 自分たちは資格を持っている、そこに資格のないものが割り込んでくるのは違和感があるというような感覚がある 喜ばないというか、受け入れないというか空気がある 今でも多いと思う でも段々理解するところが増えてきて、アメリカの様子を観てきたりして)
最近は段々理解してもらえるようになった 認識が変わってきた 
(去年2月に米国に施設の人も参加した)

11月にはアメリカから呼んで講演して貰って、認識が変わってきた
老老介護(家族的なように思われるが)社会全体でやって行こうと言うシステムを作ってゆきたい老老ではなくて、全年齢層でやっていけるようにしたい  
年寄の方が時間的な余裕 精神的な余裕があるので、環境は良いと思う
やりたい人への呼びかけ、自分では出来ないけれども賛助会員になって貰って 会費を払って貰ってサポートして貰う人への呼びかけが大事だと思います
国際的なレベルに近付く方向に持ってゆきたい  団塊世代が高齢者になってきつつある  
当分は今の状況がもっと厳しくなるに違いない