2013年2月18日月曜日

蓮池薫(新潟産業大学講師56歳)  ・北での24年と帰国10年 2

蓮池薫(新潟産業大学講師56歳)北での24年と帰国10年
子供が帰って来るまでの間 1年半  辛い決心になるだろうなと思った  
これだけ長くなるとは思わなかった(数カ月と思っていた)
決心が間違っていたのかなあと思う時もあったが、頑張ろうとのおもいだった
親に言ったが、何言ってんだと 我々は24年間待ったんだと言われた 
戻ってきた時には素直には喜べなかった(背後には北がいるのではないかと)
日本人として自立して行かなければならないしとか、いろいろ考えたが、子供達に合ってしばらくいて感じたのは子供達は我々よりずーっと先に行っていると思った 
 
自由を求めていると言うのを感じたし、 何か日本に来て不安も有るかもしれないが
、わくわくするようなものを感じていた言う(後で解った事)
日本語も満足にできない  これから自分に朝鮮語を話さないでくれと言われた  
早く日本語をしゃべりたいからと言った  嬉しい誤算だった
子供の順応性、吸収力がある  最初、市役所で臨時職員として採用される 
いろいろ踏み台にしていいとの市長の計らいがあった 
他の人にないもので勝負したいと思った 言葉、朝鮮民族の事  知人が翻訳家でいたので 
朝鮮語生かしたいと思った

翻訳の仕事  言葉が解るだけでは駄目 小説を一本書くつもりで訳せと 言葉をうつすのでは
プロの翻訳ではないと 翻訳が一つの作品として新たに生まれ変わったように入って来る日本人の心に染み通る様にと、いろいろアドバイスされた 
推敲は何度でもやれと言われた
一番最初に手掛けたのは「こしょう」 将軍のドラマ 歴史小説 で切れ味最高の文章の小説  
韓国でもベストセラーになった
訳すだけで8カ月かかった 新たな道が開けたと思った  
20冊を越えた 文学、演劇は元々好きだった 脚本等も昔手掛けた事も有った
韓国語、朝鮮語を教える講師 も受ける 
 
教科書を20冊ぐらい持ってきて読んだが、殆ど同じだと思って、やってみようと思った
韓国ブームも有って、教える事が面白かった 興味を持たない人をいかに引き付けるかが、
必要だし、面白かった
「半島へ再び」 出版社の方と一緒に行って来た   
小気味良い感じがした 自由になったんだという思いがあった
同じ半島なので 北の環境と同じ 土の色、山の状況、木の生え具合 やっぱりちょっとした錯覚に陥ったが 俺は自由だと思った
中央大学に復学した 子供が帰った次の年から  3年かけて終了した(残りの1年分を)  
大学は私自身出たいと思っていたと同時に親もそう思った

「悔しい」 と言う言葉  私自身にとってみれば 24年間 別の経験を積んできたら 自由を選択出来たら、むなしいものがある
子供達も同様 子供の将来にとってみても こんな風にいけたのかなと思ったりした  
悔しいと言う事をばねにした
新潟大学大学院 現代社会文化研究科 博士過程に行った  
北朝鮮が見る古代史にふに落ちない事が有って それを研究したいと思った事と
生徒に教える人間として、それだけの資質を備えていく努力をしなければ、何か同情によって講師になったんじゃないかとか、拉致被害者だからと言う様な風に思われたくなかった
 
精一杯なことはしてきたつもりなので後は、提出したので結果待ちの状態です
人間にとって絆と夢は一番大きな要素だと思う 夢の大きさは関係ないと思う  
それぞれ自分がやりたい事を精一杯そこに自分の精力を注ぎこめる
物がある  選択の自由は絶対必要なので  夢を奪われてしまった事と同じ  
北に居る間 小さいながら絆は繋がっていた  
形はどうあれ、しがみつくものがあった 
それが24年間それに耐えられた 帰ってきて道が開けた 
  
拉致の人に対して、身柄だけ戻って来るのではなくて、それ以上に その人の夢を回復させて 
絆をすべて 向こうの絆はほっぽり出してと言うのではなくそいう酷なことではない  
夢と絆を完全に回復する 拉致問題の個人から見た拉致問題だと思います
解決の糸口がない状況が続いている 心苦しい だから早く解決してほしいと思うが、
残された人達を想うのは 私は帰る寸前まで日本に帰れるとは思っていなかった
残された人達は私達が日本に帰った事、自立していることは伝わっているはずです  
殆どリアルタイムで伝わっていると思う

帰れるのではとの思いがあるのではないかと思う  
以前我々が帰れないと割りきっていた時とは 全然違う思いなのではないかと思う
帰れるかもしれないと言う思いの中で 一日 10日 1月 1年 2年  5年 10年と 遥かに強い深いものではないかと思う
一日一日が傷口を触られる様な想いでいらっしゃったと思う  
この問題は外交で説くしかないと思う
国際的な孤立は深まった 経済状況は以前と変わらない  
体制を維持するのに、反発、不満を持っている人が増えると言うことは一番大きな脅威
になるとおもって、そのためにも何か手を打たなければならない  でも2002年から現在変わらないし、その時に日本に目を向けて来ると言うことは変わらない

表向きミサイル、核実験だと新しい体制にとって先鋭化していると思うが、チャンスはあると思う
体制を守ると言う危機感からやってると思う
必死な感じが感じられる  
米国と対等に持って行こうと思っているようだが、も一つのアキレス腱 国民の生活、国民の不満だと思うんです
それを納めるには別の問題で 経済的な対策を取らざるを得ない  日本に向いてくる 
日本が一番やりやすい 過去の問題で倍賞問題,日本は拉致問題を解決すればあるいみ支援を出来るという立場なので 2002年の立場がよみがえると言う事があると思う

政府がいかに見据えてやるかだと思います  
拉致問題に関しては 誰を帰し 誰を帰さないと言う事に関しては絶対譲歩してはいけない
そのためには経済問題とか把握してやって行く  
拉致しておいて盗人猛々しいと思うが、ギブアンドテークなので解決には時間がかかる
拉致被害者は北朝鮮にはまだ必ずいる(人数はこの場ではいえないが)  
カードを保持するためにはぞんざいな扱いはしないと思う
北と粘り強く交渉する それを願っている