新井高(鶴見大学教授69歳) 歯から教えられた人の幸せ
歯周病の研究と治療に携わる 昨年定年退職 40年余り前 新井さんが東京歯科医科大学を卒業したころは、歯周病は歯槽膿漏と呼ばれ、直らないとおもっているひとも少なくなかったと言われます
歯周病の研究と治療で数多くの業績を上げ、イプラントの専門医である新井さん歯と人生のかかわりをどのように見つめてこられたのかを、伺います
歯科医師としての信条 1970年に大学を卒業
歯を失う原因、虫歯と歯槽膿漏 で90%無くなる 歯周病の治療は進んでいなかった
専門分野の選択 歯を残すことに対して選択した 信条はそこに尽きる
人の一生と歯の一生を一致させる 大きな考え方です
そうすると人生を有意義に過ごすことが出来る 食の楽しみを自分の歯で楽しむ事が出来る 動物は歯の寿命とその動物の寿命はほぼ一致している
動物が歯を無くすと、生きてはいけない 人は歯周病や虫歯にはなるが、動物はならない
猿の野生のものと、動物園等に飼育されている猿を比較しました
野生の猿には、虫歯も歯周病も殆どない 動物園の猿は虫歯も歯周病もある
エジプトのミイラにも既に歯周病があります
おそらく人が火を使うようになって、それから始まったのではないかと思います
歯周病は慢性の誰にも有る疾患です
1960年代の半ば ヨーロッパで健康な歯周病になっていない人がボランティアで研究に参加
2週間歯を磨かない場合どうなるか 3、4日に歯肉炎、2週間すると人によっては出血するという、所謂歯の表面に歯垢が付着すると細菌が溜まり、虫歯や歯周病の原因になることが実証された
出来るだけ歯を残すと言う事がかみごたえにも影響する
自分の歯で物を噛む必要性を感じた
木下教授の影響が大きい 一本でも歯が残っていた方が味が違うし、患者さんの為になる その言葉の影響が大きかった
歯垢を歯の表面に出来るだけ残さない 歯磨き方法は10数種類ある
歯ブラシもまちまちだった 如何に効率的な歯垢除去するか 歯垢が歯につかなくするか
食べカスを細菌が分解して増殖したのが歯垢なので、歯垢は食べカスではない
歯ブラシが食べカスを取るのが一番効率的な方法です
500種類の細菌が口の中に存在する 1mgの中に数億個の細菌がある
ブラッシングの方法を研究した
歯周病は加工食品の弊害 天然食品は適度な堅さと繊維に富んでいるので、噛む事によって、自浄効果ある、マッサージ効果も有る
歯垢に含まれる細菌は砂糖が、甘いものが好き
柔らかい加工食品を食べる欠点を補うのがブラッシング
簡単な歯肉炎はは歯ブラシ1本で直る 原因を除去出来る
歯周病は生活習慣病であると言える
1本でも残った歯があると 自分自身の歯と骨が歯根膜が繊維で繋がっている
歯の中には神経あるので、堅い物とか柔らかいもの 所謂噛みごたえがある
入れ歯で噛むよりは、自分の歯でかんだ方が、物が美味しくいただける
舌だけではなく、口の中全体で感じる
健康な状態で1本でも残っていた方がいい 全部入れ歯にしてしまうと骨も細くなる
8020運動 80歳で20本歯を残そう 調査の結果 20本あれば自分の歯で噛める
乳歯の数とも一致する 28本大人の歯の数 平成元年 20本残っているのが、7%が達成していた 23年 38% 明らかに歯の数が残っている
歯周病 歯の回り 歯茎 骨 がある 骨の中に入っている方が長い (2:1)
炎症が起きて、歯周炎 ブラッシングした時に血が出る ここで治療を行えば直る
歯石は歯垢が唾液中のカルシュームを取り込んだものが堅くなった物 歯石を取り除く
歯茎と骨が破壊されるのが歯周病の特徴、化膿する
最初は殆ど痛くない 進んでゆく 歯肉炎 口臭 、かたい物が噛めなくなる
歯周ポケットが出来るのが特徴 冷たいものがしみる 物が挟まる 噛めない
歯並びが変わってくる 自然に歯が抜ける
働き盛りの人は歯周病に成っても病院に行かない 歯茎がはれる 膿が潰れる
又見かけ上直ってしまう
その繰り返し 見掛け上直る 末期的な患者に成ってしまう
治療が必要な時には中々治療しない 歯周病で来院する人はあまりいない
インプラント 早目に治療を受ける 歯垢が最大の原因 歯並びが悪い
糖尿病の人は炎症が進みやすい
血管を介して全身に回ると、動脈硬化 血栓の原因 心筋梗塞とか全身との係わりも判ってきた患者さん自身が直すと言う気持ちが無いと直せない
治療しながら直してゆく 歯磨きをしていると言う人は2割は取れて居るが、8割は取れていない きちんと磨けていない きちんと磨けていれば歯石は付かない
歯周病は直ると言う事を患者が理解して対応する必要がある
1本でも残す価値を理解して医者と一体となって直してゆく
咀嚼は胃腸に負担をかけない 噛むと言うのは脳の活性化に繋がる
噛むことによっては自身が鍛えられる 唾液の機能 歯の表面を保護している
唾液の分泌量を増やす 脳の活性化等 噛む効果は良い
繊維性、の堅めなものを食べる ブラッシングは其の補助になる
歯垢の除去 歯磨きの基本 歯ブラシが歯の表面に しっかり当るようにするのが基本
適度なマッサージが必要 毛先を使う
歯と歯の間 虫歯になりやすい部分でもある 歯間ブラシを使う 1日一回で良い
正しく行えば電動ブラシでも普通の歯ブラシでも同様な効果はある
自分に有った歯磨き方法を歯医者と一緒に確認する必要がある
歯を抜かないと言う事をテーマにしてきたが、途中で抜いた事がある
其の時は敗北感がある 大半は長持ちをさせる事が出来た
噛む事によって身体全体が健康に成る 歯を磨く 当たり前のことをしっかりとやる
欧州では80歳で20本は50%を達成している
噛む事は健康を維持する原点