2013年10月11日金曜日

澤田長二郎(津軽鉄道社長)    ・「おらどの鉄道」ピンチがチャンス

澤田長二郎(津軽鉄道社長)    「おらどの鉄道」ピンチがチャンス
澤田さんは昭和15年 青森県五所川原市の生れ 73歳 
一橋大学を卒業した後、大手商社に就職、定年退職後は関連会社の社長を務めていましたが、2004年、平成16年63歳のときに、故郷の五所川原市にUターンしました
それまで縁のなかった津軽鉄道の社長になりました
津軽鉄道は青森県の津軽半島の中心の五所川原から、半島の西側を北上する全長20kmのローカル鉄道です
地域のモータリゼーションの進展などで、乗客が減り続け、長年厳しい経営状態が続けていましたが、イベント列車として有名になったストーブ列車を初め、トレインアテンダントの導入など特色のある鉄道作りを打ち出して、経営危機を乗り切ってきました
自分たちの鉄道 「おらどの鉄道」をどう経営してきたのか、そのカギとなるのは何だったのか、伺いました

稲の黄金色、日本海の方に落ちて行く夕日、のコントラスト 非常に綺麗だと皆さんに喜んでもらっています
ストーブ列車が有名 12月1日~3月31日までと成っています
入社当初は、板ガラスの輸出が主体、その後いろんな商品を扱ったり、いろんな分類の取引をやるという事で広がって行ったが、雑貨派でした
海外はタイ、バンコック、オーストラリア 通算で11年間
定年退職後、関連会社 板ガラスの原料になる砂の開発員をやっていた関係で、日本で国内販売する会社でやっていた
45年ぶりにUターンする (選択肢は3つ有ったが、妻の要望もあり、故郷に帰ってくる)
1年間は何もしないで、やっていたが、調子が狂うようになってきて、鉄道の話があり、1年経たないうちにこの道に進むようになった

不安はあった 鉄道とのかかわりは無かったので
平成9年まで、国の方から損失を補助するシステムがあったが、変わって、補てんが無くなり、累損が6000万円強となり、債務超過になった (資本金が5000万円)
今後どうしたらいいのか、個々に当たって話をした
どうやってお客さんを増やそうか、其れが収入増につながるので、どうやってコストを下げてゆくかを最初始めた
地域の方に現状を知っていただく  
地域の人が鉄道をどういう風に思っているのか、続けてほしいのか、辞めてしまっていいのか、を情報を聞いた(地域との情報などの交流)
2006年津軽鉄道サポーターズクラブを創設 最盛期は700名のメンバーが集まる
いろいろ検討した  
津軽鉄道単独で新しいアイディアが出るが、人出、お金がかかるのでなかなかできない

アイデャを深堀をする、人的な面、でいろんなことがやりやすくなった
①サポーターズクラブが中心になって地域おこし  観光資源の見直し
②鉄道に乗って懇親会  イベント
③サポーターズクラブができて他のいろいろなところとの連携ができてきた
鉄道をひとつの核として、地域を結集する力になったのかと思う
津軽鉄道の活性化→地域の活性化 
ストーブ列車 鈴虫列車 とかアイディアを出しあってきた
ストーブ列車はずっと前からあった 歌声列車、螢列車、お茶会列車、ライブ列車等
如何にお客様を増やすか、いろんなイベントを続けて行くしかないと思った

一過性ではあるが、積み重ねでいかに増やしてゆくか、努力をしてゆくことしかないのかなあと思う
新しいアイディアを出してゆく  いいアイディアには賞を出す
あまり否定しないように、出来るようにするためにはどうするかと、検討する
アテンダント  飛行機で言うとスチュワーデスの様な役割、トレインアテンダント
沿線の観光の案内を車内でしたり、年配の方の乗り降りの手伝い、県内、県外のイベントの有った時に出かけて、地域を紹介する
当初7人、現在は6人でやっている  
「津軽半島観光アテンド」という新たな名前にして活動している
津軽弁が伝わりやすいようにして、基本は津軽弁でやっている

津軽鉄道が漫画になっている  最初写真集が出た 鉄道の良さを情報発信 
その後漫画「ちゃぺ」ができた  津軽弁で「小さな子猫ちゃん」
風景、車内の出来事等を展開する  笑いあり、涙ありの評判が良かった
「絆」 地域鉄道  地域の人が必要としない鉄道だったら意味がないので、地域の人たちと一緒に盛り上げてゆくのがローカル鉄道のいいところだと思う
北海道新幹線はあと2年半ぐらい  
津軽も駅ができるので、最後のチャンスとして何とか生かしていきたい
津軽半島の観光 北海道新幹線とのかかわり 今別からの二次交通として大事になる
DMV  線路があるところは鉄道として車輪で走って、線路が無くなるとバスの様になったりする交通システムを導入したいと思っている
広い範囲の交通手段として、有効利用ができると思う

青森が通過点になってしまうという危惧があるが、そうならないように、ピンチをチャンスにすることを考えてゆく必要がある
心の持ち方一つだと思う
もうちょっと若いころもっと勉強していればよかったと思うとか、反省ばかりですね
楽しくやりたいし、楽しくやれば長く続く