玄田哲章(声優) ・時代を創った声(4)
ターミネーター アーノルド・シュワルツェネッガーの声担当。
現在67歳 シルヴェスター・スタローン等の声も担当。
アーノルド・シュワルツェネッガーの最初に担当しの印象、この一つで終わるだろうと思っていた。
最初が『コナン・ザ・グレート』担当する。
アニメでは「ドカベン」をやったお陰で自信につながった。
去年「ターミネーター:新起動/ジェニシス」 で30年越しで初めてお会いする事になる。
舞台で会う予定だったが、会いたいので10分前にロビーに来てくれと言われて、お会いして握手したが、聞こうとしていたが英語が出てこなかった。
今でも2時間汗を流すことを毎日やっているとの事で、体力を維持しているとの事だった。
最初は声の役については興味は無かった、舞台をやりたかった。
最初『野沢那智』の名前から女性かと思っていたら、サングラスかけたアヤシイ男が出てきて驚いた。
夜レッスンをやるが、稽古場にフェンシングのフルーレが置いてあり、持ちだしてピシッピシッと床を叩くのでみんな震えてしまって、震えながら読んだ記憶があります。
フェンシングを辞めて次は指パッチンでやれやれと言っていました。
或るとき本番中に指パッチンをやられました。
新劇に行こうかと思って大きな劇団の試験を受けたが、1000人位来て20位しか取らないので2次には落ちて野沢那智主宰の劇団薔薇座の募集を目にして応募して、1年のつもりが17年になりました。
得たものは集中力、いかに人は集中してどれだけのことはできるか、集中力と精神力がいつの間にか養われてきました。
20代前半まではバイトをしながら生活をしていたが、苦ではなかった。
アルバイトは色々なことをやって1日に3回違う仕事をしたこともあります。
野沢那智が声優の役を紹介してくれて、こういう世界を知ることができて、やって見ようかと思ったのがきっかけでした。
「科学忍者隊ガッチャマン」で多数の端役を担当する事になりました。
声の世界で何とかしようとは思っていなかったので、舞台の仕事があるとそっちに行ってしまったりしていて、今では考えられないことをやっていました。
舞台とは違って台本の見方も違っていて、教えてももらえなかった。
映像を見てしゃべろうと思っても遅れてしまって、すでに次に行っていて、まずいと思って早くしゃべると又合わない。
長くはこの仕事はできないだろうと思いました。
口があって、はまらないとOKがでなくて、何かを伝えたいとの思いもあり、合わせに行く事を取り除いて、イメージ、をつたえるためにはもっと自然に向かって行こうとの発想があり、微妙なところに納めなければならない事もあるが、そこに拘らない事も大事なのではないかと思っています。
苦労したのは、役がなかなか自分のものにならない。
不安なままスタジオに行く、半分位不安を抱きながら現場に行くのは辛い。
いつももう一回やれたならと思います、満足したことは一度もないです。
内海賢二さんに若いころお世話になって、必ず一本のマイクを持て(自分で一本のマイクを確保しろ 主役を持て)という様な役を持てと言っていただいた。
自分では考えられない様な役(シュワルツェネッガーなど)をやることができて、その世界に入っていける、こんな気持ちのいいことはないです。
いろんな人生、性格を演じられる楽しさ、いろんな役を振られて、いろんな世界を見られるのでこんな幸せはないだろうと思っています。
今の若い人たちは物凄く才能はあるし、度胸もあるが、ただチャンスはいっぱい流れているが、大きなチャンスをつかんでほしい。
一生懸命トライしてほしい、トライして負けることもあるが。
20代でしかできないものはいっぱいあると思う、20代で掴んだものは30代、40代で生かせる。
20代は大いに汗をかいて、仕事をし、真面目に取り組んで遊び、この時に何を吸収したかによって決まってくるような気がします。