蓬田勝之(パフューマリー・ケミスト) ・バラの香りに魅せられて(2)
後半は薔薇の歴史や香りの複雑さの話です。
薔薇の香りのタイプを7つに分けました。
科学的なまとめと香りのタイプをドッキングしました。
薔薇は2万数千種類があるが、香りのルーツをたどってゆくと二つ①ダマスク系と②チィー系
①ダマスク系(ヨーロッパ系) ブルガリアンローズ 香料を取る品種 甘さ強くてフルーティーな部分が強くて著名な香水に入れてある。
②チィー系(中国系) 大花香好季
この二つが大きな親となってひとが人工交配を重ねてきて、香りの種類も非常に複雑になってきた。
モダンローズの現代薔薇の元になるオールドバーデンローズに進化して1867年 ラ・フランスという品種を作った。
ラ・フランス ハイブリットティー系のローズ これには中国の薔薇が入っている。
四季咲き系(中国の系統)の薔薇、現代薔薇のほとんどに入っている。
ヨーロッパの薔薇と中国の薔薇が合体したもの、それが今の薔薇にある。
日本のバラにも重要なものがある、野いばら(ロサムロチフローラ) 小さな花弁
日本からヨーロッパに渡ってあたらしい系統が進化して行った。
はまなす ダマスク系のもの。(耐寒性) 西洋に持って行ってそれを親にしてあたらしい品種ができている。
蔓薔薇とか日本の野生種も活躍している。
香りは10種類ぐらいの原種が元になっているということが判ってきている。
鈴木省三さん 薔薇園の研究所長
1981年 オールドガーデンローズとか原種の管理植栽してあって共同研究する事になる。
なんで香料と生の花は違うのかという素朴な疑問があった。
かれは違う成分が何かあると直感した。
ティーの香りのティーローズエレメント (ジメトキシメチルベンゼン)が自然界にある事を掴んだ。
7種にはミルラ ダマスクモダン ダマスククラシック フルーティー ティー スパイシー ブルー。
ブルーは神秘的な奥ゆかしい奥深さを感じて、まだ見つかっていない、未知の成分があるのではないかと思っている。
あたらしい成分は一昨年、ブルーローズから2つ見つかったという報告がある。
99.9%は確定しているが0.1%のところに数百成分未知の成分がある。
鈴木省三さん 千葉に研究室があったので、連絡を取り合い分析をする。
分析に1.5時間かかるが、花を10個以上カットしてくれるので、翌朝まで掛かることを春秋の開花時期は4~5年はずーっとやってきました。
1000種類ぐらいはやりました。
7種類のタイプの薔薇を50株ずつ植えて、開花の時には手伝ってもらって花を取って分析もしました。
本来の研究とは違う薔薇の栽培にも手を付けました。
アメリカの協会に「モダンローズ」という薔薇の戸籍簿と呼ばれた本があり、品種名、系統、色、香り
などが書かれている。
纏めてほしいと言う事で香りのところだけを纏めたりしました。
200成分を10の香りのものに振り分けるが、円グラフパルファム図を中村祥二さんと一緒に作ったが、これが世の中に大分出ていて、香りの表章マップ、香りを視覚化したと言う事で世の中に出回っています。
薔薇は他の植物と違って文化、歴史がある。
人間の嗅覚そのもののシグナルとして、取れるようになると思うので、そうなればパルファム図も又違った視覚化ができると思う。
いつか薔薇のミュージアムができてくるといいなあと思います、それが夢です。