2016年5月16日月曜日

阿部 佳(ホテルコンシェルジュ) ・お客様に100%の満足を

阿部 佳(ホテルコンシェルジュ) ・お客様に100%の満足を
昭和34年東京生まれ、慶応義塾大学を卒業後、コンシェルジュを目指しましたが、当時コンシェルジュという職業は日本にはなく大学卒の女性をホテルに採用することもほとんどない時代でした。
そんな時代に何故コンシェルジュを選んだのか、中学生時代にヨーロッパ旅行で出会ったコンシェルジュとの出会いが阿部さんの心を捉えていたようです。
大学を出て他の仕事で働いて 10年後日本に外資系のホテルが進出する事で阿部さんの夢がかないます。
平成4年に横浜のホテルでコンシェルジュに第一歩を踏み出しました。
平成10年にはコンシェルジュの世界組織レ・クレドール(黄金の鍵)ジャパンの会長に就任、後進の育成やコンシェルジュに対する認識を高めるための活動に従事しました。
現在は東京六本木のホテルでコンシェルジュを勤めながら明海大学の教壇に立つなど幅広く活動されています。

コンシェルジュの世界組織レ・クレドール、金バッチを付ける人は世界で4000人、日本には28人です。(阿部さんはレ・クレドール インターナショナル名誉会員)
その人たちとは情報交換は毎日のように行います。
お客さまにより良いサービスをするため判らない事は判る人に知恵を借り、出来ないことは出来る人の力を借りましょうと言う事で、誰に頼んだらいいかを判るようにしておきましょうと言う事でお墨付きを受けてバッチを付けてマークしてあると言う会です。
インターネットやガイドブックに乗っている事とは一味違ったお話しをさせていただけるはずです。
コンシェルジュ ホテルでお客様の相談、案内とかをする仕事。
法的、道徳的に問題がない限りお手伝いしてお客様
に喜んでいただくと言う一文があります。
行き先に対するいろいろなアドバイスとか、食事にたいする場所、内容(どんな和食、洋食とか)等の案内とか、いろいろあります。
客観的にこの人は何を考えてるのか、おしゃべりをする中でどんなことを要望しているのかを考えます。

情報に敏感でなければいけない、そしてチーム(いろんな人がいた方がいい)で動く。
一番気にしているのはお客様の気持ちで考えると言う事です。
「みる仕事」だと思っています、お客様の気持ちを読み取るという事で見る、情報、街、ロビーの周囲等、そのためには自分が柔軟であると言う事。(自分の気持ちを捨てる)
相手の気持ちに立って、心に寄り添って、お客さまのゴールを一緒に見つけなければいけない。
そのためには、なるべく沢山のことを体験する、どんなことにも驚かない、思いがけないご要望を減らしていかなければいけないと思っています。
自分で体験するほかに本を読む、人の話を聞く、人を観ること、そういうこと心掛けては来ました。
「気付く」 そのためには「みる事」だと思います。

中学1年生の時にヨーロッパを旅行する機会があり、ヨーロッパのホテルでコンシェルジュに出会い、対応というものを見て、何と不思議な人達だろうと思いました。
言葉にしていない私の気持ちをピタリと当ててくる、それが不思議だった。
今日行きたいという動物園、美術館、食べることなどを当ててくる。
ここでレ・クレドールを知った。
大学卒業後、ホテルに入って勉強しようと思ったが、大学卒業生が入るという、そういう時代ではなかった。
コンシェルジュはまだなく目指す時期ではないので、他の世界を見た方がいいと助言されてホテルは諦めました。
10年経ったら日本にコンシェルジュが出来ました。
その間に二つの会社に勤務、街作りの会社、幼児開発協会(井深大さん) 「いい人柄の人を育てるためにはどうしたらいいか」というのが井深さんのテーマでした。
幼児からの教育がいいのかということで幼児開発協会になったが、井深さんは母親開発にするべきだったとおっしゃっていました。 

二つの会社の経験は結果としてはコンシェルジュに参考になりました。
赤ちゃんは物言わぬ人だったので、何を表現しているのか毎日読み取ろうとしていたので、結果的には非常に近かった。
ヨーロッパ系のホテルが来た時にコンシェルジュがあるのではないかと思って、電話をして聞きましたら、コンシェルジュだけがまだ未採用だったので、話がうまく進んだ。
接客業を正しく理解して、仕事に就いた方がお互いに幸せなのではないかと考えて、いま大学生に教える仕事をしています。
ホスピタリティーツーリズム学部、日本が観光立国になってゆくと思うので、もっと日本の観光の事を真剣に考えないといけないと思います。
沢山現場の事を伝えて自分で考えてもらいたい。
人付き合いはもう少し優しくできるのではないかと思って、付き合いが薄くなってきていると思うので、厳しく伝えています。
日本に又いきたいねと思っていただける様な、お迎えの仕方をするにはどうしたらいいかと言う事を一緒に考えるというのを作って行きたい。