昭和50年生れ 東京農業大学 醸造学科を卒業 山梨の醸造会社で研修して 実家の酒造会社に入社現在杜氏として8年
12月に新酒が出来上がる
ゆっくり発酵させた分 味わい、香りが柔らかく出る様な形の酒に成る
その時の米のでき具合、気候により 発酵させる温度を決める
絞る時期が少し遅れてしまった 「美濃錦の初心しぼり」
ゆっくり発酵するタンクもあれば急ぐタンクも有るので温度管理している
生き物を扱ってるような感じがする
発酵の途中によってゆっくりしてほしい時があるのでこっちが思っていたような発酵の仕方をする
動く 酵母達が発酵させていくので酵母が食べれるのが 糖分なんですが、その糖分が元々酒を仕込むには、米と蒸し米と、麹と、水仕込んでゆくが、ここには糖分が無い訳です
麹がつくる酵素によって、お米が糖化されて 甘くなって それがやっと酵母が食べれる
米が糖化されて解けて行く工程 と 酵母がそれを食べて発酵してゆく工程が、一緒に酒作りは進んでゆくわけです
そのバランスがうまく行くように、持って行かなければいけないので、温度が高かったり気候が高かったりすると発酵が進んでしまったり、逆に急に寒くなったりするとゆっくりしてしまうので
様子を見ながら、調整してゆくわけです
仕込みは10月の終わりに仕込む
「酒母」 良い酵母をたくさん育てる工程をする
沢山育った酵母を元に添え 「中留め」、と言って 雑菌に汚染されないように、すこしずつ大きく仕込んでゆく
新しい米を使って 精米 米の外側にいろんな栄養分があるので、栄養分を取る精米をしている(我々が食べている精米は10%)
普通酒では30% 純米大吟醸は50%以上磨く 米の芯だけで作る
食べる米は粘り、甘みであったりする方がおいしいが 酒をつくるにはいいデンプンが
たくさん有る方が良い米と言われる 大粒の米が良いとされている
食べるものとは違うものに成って来るので酒に適してる米と食べるコメは違う
米を洗って余分なぬかとかを落としてから 水に浸ける
お酒作りの米ですと 70%の米はゆっくり吸わせても大丈夫なのですが、大吟醸に使う40%のものは、沢山吸わせるとべたべたになってしまうので、それこそ水の温度、水につける時間を何分、何秒と測ってしていかないと吸い過ぎてします
経験で解ってゆく 水を切って米を蒸してゆく
蒸し具合によって、蒸す時間、蒸気の量の調整によってその年によって 一番酒をつくるのにいい状態をつくってゆく
麹をつくる 穀物にカビをはやしたものを言う
カビなのでつくる場所も温度30度位 湿度も高いところで増やしてゆく
そこに蒸米を入れて種麹を振る(粉のような状態)
それでそこから菌糸が生えてきててカビが生えて来る
その状態で放置すると胞子が出来てしまうので、そういう胞子は酒には適していない
麹の役割は米を溶かすことなのでつくる酒によってどの程度溶かしていきたいか、発酵させるのにどういう風にバランスを取っていきたいかによって、多少出来上がる麹の調合を替えてゆきます
(蒸した米を広げて その後に麹菌を振る それを手でもむような作業をする 均一に菌が付くようにする)
種を付けた米を一旦寄せて次の日にばらばらにしてゆく
温度と時間を旨くやって行って 中仕事 止め仕事と言って 2回 手を入れて混ぜてゆく
布一枚 掛けるか掛けないかで温度は違ってくる
出来た麹を出して 仕込みに使ってゆく
其れを元に蒸米 麹 水 そこに酒母を入れる(酵母を育てる工程にうつる)
1本のタンクを仕込むのに、酒母を元に3回に分けて酒母が1だったものを2の大きさにするために添え仕込みと言うものをして、2日目に戻りと言って 又良い酵母を沢山つくる
沸かす 仕込みを休む日を取って、3日目に中仕込み
2の大きさであったものを4の大きさにして 4日目に留め仕込みと言って4のおおきさで 有ったものを8の大きさにして すこしずつ大きくしてゆくことによって、折角良いお酒をつくるのに適した酵母を一気に薄めて雑菌に汚染されないように、すこしずつ大きく仕込んでゆく
仕込み大きくして行って3回仕込む事によって やっと1本のタンクが仕込みを終わることになります
仕込み終わった後は 最初は米は水を吸って米はパンパなんですが、1日目 2日目となると 段々麹の酵素が米を溶かしてゆくので米もゆるくなっていきます
酵母も段々増えてゆきますので、ふわふわとした泡が最初出てくる
米が解けながら酵母も最初増えて来る
泡が上がってきてそこから有る程度来るとスーッと落ちて来る
そこからまた発酵していって有る程度酵母まで沢山育つと アルコール発酵を始める
徐々に酒が出来てきて、米が解けてきてやっと旨味が出来てきて、絞れる状態に成って来る 大垣 水の都 水が豊富に湧出している 創業100年に成る
蒸米を 練り餅として、蒸しあがりの状態をみるがそれを食べたことが有る
両親は 子供は女の子 3人だったので継いでくれないと思っていたが、大学で実験、生物の神秘に興味があって面白いなあと思っていた
たまたま父の友達の息子さんが賞(酒)を取ったという話を聞いて 観光がてら、両親が見に行ったら、娘でも出来るのではないかと母が思った
東京農業大学の醸造学科に母が勧めて、行くことになった
生き物なので日に日に変わってゆくので面白い
山梨県の醸造会社に行って学ばせて貰った
体力仕事なので、冬の間は特に帰ったらパタン、キュウーの状態だった
杜氏になるまで 新潟から杜氏は来ていた
段々酒の量が少なくなって人が少なくなって一緒にやる様になる
最初は一緒につくっていた杜氏とやる様にすれば出来ると思っていたが、そういう風に成らない
米一つとっても出来が違えば、それに対応して水の浸け時間だとか、処理の仕方を多少替えてゆくんだと思うのですが、それをどうするか判らない状態でした
年年やっていくうちに気付く事があり変わってきた
つくり易くなった部分があるがやっぱり奥が深いなあと思った
自然の力とのやりとり もっと元気になってほしい事とか ぶつぶつといったりする
すこしずつ変化してゆくと言うのが楽しさにつながると思うが、最終的にやっぱり酒を絞って美味しいなと思えるものが出来るのがうれしい
どぶろく 昭和村で作っている 8年ぐらいになる
若い方にも飲んでもらえるようなものをつくって行きたい
今のお酒もそうなんですが、ちょっと味口が変わった
切りくちが変わったものもいいかなと思っています
「覚眠深睡酒」 1億年前の地層から湧き上がる柔らかい水を使って 仕込んでいるので柔らかく米のうまみがあってスーッと飲める酒に成っている
「白雪姫」 地元の田んぼに蓮華草を撒いて化学肥料を使わない米を使った酒を販売しています 寒い時期につくった方が旨い酒が出来るので3月まで期間が有る