中里良一 ・町工場のばねが全国へ
新幹線の車両から洗濯鋏まで、およそ7000種類のばねを作る、群馬県甘楽町にある社員21人の町工場の2代目です
去年ほぼ4半世紀かけて、全国47都道府県全部に取引先を作りました
注文に応じて1個でもすぐに納入するなど独自の発想で、ばねを製造し次第に種類が増え、
応急修理用から試作開発用のばねまで、準備した結果全国47都道府県で取引ができる様になりまた
中里さんは損得でなく、好き嫌いで取引するなど、独特な経営方針とユニークなアイデアの持ち主です ユニークな経営方針はいったいどこから生まれたのか、伺います
ばね いろんな用途があるが、洗濯鋏、ボールペン等の家庭の中に浸透している
車両用新幹線のばね、大型トラック、産業機械 (くるぶしぐらいの太さのばねまである)
1台の機械で約5役をこなせるように改造して、いろいろ機械がある
1523社とお付き合いができるようになった(全国の会社 24年係る)
営業マンを一人も置かずに、私一人で営業活動をやってきた(一人当たり1000万円かかるので)
交通費相手持ち 門前払いは日常茶飯事
社員は物作りにプライドを持って専念してもらう(作る人はプライドがあり 営業はプライドを傷つけられるので、私が営業を担当)
10年ぐらいたって、目標である全国に取引できる会社への見通しができるかなあと思えるようになってきた
新しい基準を自分で作れば、即刻一番になれる 楽しい会社 楽しくするために愛情をかける
儲かる会社という事が目標だと気持ちが貧しくなる
無駄を省く は確かにある面はいいが 最後はあなたはいらないよという事になってしまう(ぎすぎすしてくる)
気持ちに豊かさを持つ事がないと駄目(給料+心の豊かさ 小さな会社の社員教育)
お客さんを好き嫌いで選ぶ(下請けを見下すようなお客さん、商道徳に反するようなことを要求するお客さん) お客さんを1件断ると、3か月以内に10件新規お客さんを開拓する事が目標
ノルマは私だけ 社員にはノルマは与えていない
今までに年間50件~60件新規開拓している
自分の仕事を好きになるようにしてきた
まず眺めて会社の雰囲気をつかむ(伸びる会社かどうか)
ものが散らかっている、いろんなものが置き去りにされている→ 管理体制が良くない会社
確率を重んじるのではなく、いろんなお客さんを知るという事がまず第一
その中から自分の会社にあうお客さんを探す楽しみをもらっていると思っている
弱いものいじめをするような会社が多々ある
いやなお客さんに頭を下げて、仕事をするよりも、好きなお客さん、尊敬するお客さんの仕事を尽くすほうがやりがいを感じる(町工場の心意気であると思っている)
大事なのはどの仕事が向いているかどうかでは無くて、会社が自分を必要としているんだと思って頑張りぬけるかどうか、やり続けるかどうかが、勝負だと思っている
多数意見が常識なんですね でも時代はいつも非常識意見、少数意見が作りこんだ結果であるという風に思っていただけるといいのではないかと思っている
社員で月一回 夢を語る会議がある 夢年表を作る(達成するためにどういう行動をするか)
夢は追うものではなくて、手繰り寄せるものと思っている
夢を実現するための工程表を作る
土地、建物以外は借金すると辞めてもらう事にしている
1年間一番頑張った人にはご褒美が二つある
①社内にある装置を全部時間内に使ってもよく、材料も自由 足りない場合は100万円まで補助 して好きなものを作ってよい(ばねのアート)
②尊敬できないお客さんは社員が決定できる(私は決めてはいない)
申請書をだせば、無条件で決定できる
新規会社は3~6カ月は私が担当して、それ以後は社員が直に窓口担当する
社員教育の原点は感じさせる 気がついたら多能工になっているように仕向ける
技術の井戸と遊び心の井戸を交互に掘ることによって、使い捨てでない 職人を育てることができる 21名いるが、19歳~60歳代 全員で役割を演じる
経営者と波長が合えば60歳以後も働ける
大きな会社は組織に幸せにしてもらうと願う、小さな会社は自分でなんとか幸せになりたいと思うので、生きざまが違うと思う
生きざまに沿ったお客さんを見つけてくるのが、私の仕事になる
町工場はその地域でしか働けない人の受け皿になっている
ばねのアート作品は売る事が出来る 価格は製作者が決める(40万円で売れたものがある)
マンネリにならないため 次の夢 現在810の市と区があるが、そこ全てにお客さんを持つ
現在310の市、区になっており、あと500 私の代で駄目なら、次にバトンタッチをする
夢=目標=自分の行き先 現在地が分からない人が多い 迷子になってしまう
どういったことを今日やっていくのか 夢の先組が楽しい