2013年4月24日水曜日

池谷栄治(医学部生命科学科22歳) ・太陽の光を避けながら生きて

池谷栄治(医学部生命科学科22歳)  ・太陽の光を避けながら生きて
紫外線を浴びると皮膚が炎症を起こし、悪化すると肝臓にも障害を起こし、最悪の場合は死にもいたるおそれもある病気です
太陽の光を避けるため、一年中、長袖長ズボンを着たうえで、手袋、マフラーなどを身につけて生活している患者もいます
この病気を患う、池谷栄治さんは自分の病気とより向き合うため、免疫や神経など、生命科学に関する研究を続けながら、国の難病指定を求める活動を行っています  

医学部生命科学科の研究 山中先生のようなiPS細胞を使った研究や、免疫、神経そういった生命科学の生命の根本を研究して、今後の医療の発展につなげていこうという学科だと思っています
病気 小学校の2年生の時に身体の異変に気付く 晴れた日の運動会の終わって家に帰った後に、皮膚にいたみを感じて、その日は氷で冷やしたが、その翌日は顔、腕など日光に当たったところが、パンパンに腫れあがって、それが最初の発症です
皮膚の内側から針で刺されるような痛み  近所の病院に行ったが、とりあえず日焼けのひどい状態ではと、氷で冷やすようにとの指示だった
小学校4年生の時に、母が神戸大学の医学部の教授の方に、自分の子供たちの症状を話すと骨髄性プロトポルフィリン症であることを告げられる

ポルフィリンとは血液の赤血球に含まれている酸素を運ぶ働きをするヘモグロビンが作られる過程が途中で止まってしまい、ヘモグロビンにならずに発生する物質がポルフィリンです
ポルフィリン患者の私は日光を浴びることに依り、ポルフィリンが紫外線を吸収し、反応することで針で刺されるような痛みを発生して、ポルフィリンが毒素に変わり、肝臓にたまり、肝硬変や肝不全となり、最悪の場合は死に至る病気です
今は長袖、長ズボン、手袋 帽子、黒いマスク、マフラー(夏場はタオル等)という格好になる
病名を知った後では、自分だけこのような格好なので、周りの友達とは違うと感じて過ごしてきた窓ガラスは紫外線防止フィルムを張って、カーテンで覆うという様な処置を学校でしてもらった
体育は別行動で、室内で過ごす(残念なおもいであった  自分を納得させるようにした)
初めて観る人は、変な格好をしていると、好奇の目線や言葉もうけた

小学校6年のとき 放課後鬼ごっこをしているときに、隣の小学校の児童に見られて、不審者が小学生を追いかけているという通報があった 
誤解を解くためにその学校に行って(校長、担任、と私の3人で) 全校集会での説明をするはずであった
40名近いクラスメートが一緒についてきてくれた 2人の友達も発言してくれた
風邪などの病気と同じだと説明してくれる   彼は最高の友達ですと、いやなことを言ったりすると僕も嫌な気持になります、ですから嫌な事を言うのはやめてくださいと等々の話をしてくれた
クラスメート全員が応援してくれた 彼らの気持ちがありがたいと思っています
中学、高校で自分の知らない人たちに、説明するのに、小学校の時の応援のおかげで、説明する事が出来たと思う
クラスが変わったり、合同授業では理解しないでカーテンを閉めない事があったりしたが、その時に友達が病気の事を説明してくれたりして、室内の対応してくれた
ポルフィリン症は国の難病指定されていない そのため誤診や治療法、根本的な研究がまだ進んでない状況にあります

国の難病指定をしてもらって、治療法、研究が促進されるように、難病指定にしてもらえるように署名活動を行っています
難病指定になると誤診が少なくなる(医師の認識が広がる) ポルフィリン症の研究が進むことによって薬や治療法など根本的な研究が進むことがあげられる
認知度が上がる事によって健常者の認識度が上がって、心のない言葉や好奇な目線がなくなり患者の活動の幅が広がる
5年間で55万人以上の署名が集まる おととしから2回厚生労働省に署名を提出した
現状 厚生労働省からの難病指定というのは、まだ受けていない
自分より幼い人が同じ病気になってるのを全国から聞いているので、あるいは家から出られない人がいるので自分が前に立って、動ける自分が、病気を知って貰おういう気持ちで立っています
署名 北海道から九州まで多くの方が署名してくれている

鳥取県が58万人 55万人はほぼ鳥取県全員と同じ人数  感謝の気持ちでいっぱいです
署名の数もやっぱり大事ですが、それ以上に認識、社会のこういう病気があるんだという認識があれば、もっともっと難病指定(ポルフィリン症以外の難病を含めて)
自分がこれまで生きてこられたのは、地域の支え、家族の支え、学校の支え、もちろんですがそのなかでも、大半は学校の友人と生活してゆく時間が多かったので彼らの支え、助けてくれるという彼らの力に本当に助けられて生きているなあと感謝しています
医学の世界にいるので、ポルフィリン症をしっかりと自分の中で理解し、医学的な知識と認識を持って他の人達にどういう病気なのという事を聞かれたり、質問をされたりするときにしっかりと判り易く理解してもらえるような言葉で説明できるように、自分の病気であるポルフィリン症
をしっかりと理解して勉強していきたいと思います

自分の置かれた状況をしっかり理解して、病気も理解し、ポルフィリン症は友人の支えを教えてくれたり、いろんな方の支えや応援を教えてくれたものでもあるので、しっかりと病気をうけ入れ、そういった方々の努力に恩返しができるような、将来に進めたらいいかなと思います
病気を知った時は嫌なものだなと感じていたのですが、自分に、今進んでいる大学や、将来のためにどうしたらいいかという事を、このポルフィリン症が強く影響してきて、人格、考え方がいい意味でも悪い意味でも影響してきているので、自分の中で受け入れて、将来の進むべき進路に進んでいきたいと思います