2020年4月26日日曜日

池内響(オペラ歌手)           ・【夜明けのオペラ】「世界に一つの自分という楽器を磨きたい」

池内響(オペラ歌手)・【夜明けのオペラ】「世界に一つの自分という楽器を磨きたい」
新しく始まったコーナー  【夜明けのオペラ】
31歳、東京芸術大学後大学院オペラ科を終了、第25回宝塚ベガ音楽コンクールで第一位に入賞、その後2015年日生劇場主催NISSAY OPERA2015《ドン・ジョヴァンニ》にてタイトルロール、2017年2017《ラ・ボエーム》にてショナールを演じました。
2018年からはイタリアで研鑽を積み、その年G.B.ルビーニ国際コンクール、オルテ市声楽コンクールでそれぞれ1位を獲得、去年ミラノで行われた第10回サルヴァトーレ・リチートラ声楽コンクールで第1位に選ばれています。

日本には年に2回ほど帰ってきています。
今年は東京でリサイタルをしました。
日本歌曲が好きです。
*「星巡りの歌」 作詞、作曲:宮沢賢治 歌:池内響
あかいめだまの さそり
ひろげた鷲の  つばさ
あをいめだまの 小いぬ、
ひかりのへびの とぐろ。

オリオンは高く うたひ
つゆとしもとを おとす、
アンドロメダの くもは
さかなのくちの かたち。

大ぐまのあしを きたに
五つのばした  ところ。
小熊のひたいの うへは
そらのめぐりの めあて。

両親が音楽にかかわる仕事をしていたので、家庭内にも音楽があったので、音楽が好きでした。
ピアノ、フルートなども習いましたが、最終的には歌でした。
声楽を勉強しようと思ったのが高校1年生の時に、母親からいい声をしているといわれて、校歌を歌う試験で音楽の先生にも認められました。
高校生に向けた滝廉太郎の記念の全国高等学校声楽コンクールがあり、出てみないかといわれて、そこから声楽の先生につきました。
3年生の時に1位をいただいて瀧廉太郎記念全国高等学校声楽コンクールに出させていただきまた。
課題曲は瀧廉太郎の「秋の月」を歌いました。
音楽に囲まれた環境で仕事をしたいという思いがありました。
東京芸術大学の学生のコンサートを見に行った時に感動して、大学は東京芸術大学に行くことにしました。

オペラを見に行ったのは大学に入ってからでした。
オペラは嫌いでしたが、オペラができるようにならないといけないからオペラ科に入ったという感じです。
大学院2年生で《ドン・ジョヴァンニ》をやる事になり、プレッシャーを感じながらも良き指導者、同級生たちの助けもあり、カーテンコールがありそこでオペラは楽しいものだと思いました。
そこからオペラをやろうという気持ちがわいてきました。
第25回宝塚ベガ音楽コンクールにて1位、併せて会場審査員特別賞受賞しました。
本物を肌で感じたことがないということがあり、海外に行って自分の五感で直接感じるしかないと思ったのがイタリアに行くきっかけでした。
26歳の時にイタリアに行き、短期留学をして、先生を紹介され、レッスンを受けて、次に長期留学の時にはその先生の所に行きました。
いいめぐりあわせに出会いました。

イタリア語の歌詞を読むレッスンをした後に歌のレッスンがありました。
レッスンだけだとだめだと思ってコンクールにも出ました。
2018年イタリアのオルテ市のコンクールで1位になり、イタリアオペラデビューしました。
うれしかったのはある人の評論に完璧な発音だと評価されて、実った瞬間だと思いました。
第10回サルヴァトーレ・リチートラ声楽コンクールにて1位受賞。
日本では一カ月おきになるような日程が、このコンクールでは初日予選で、2日目の昼がセミファイナル、2日目の晩がファイナルというコンクールでした。
*《ドン・ジョヴァンニ》から「カタログの歌」 歌:池内響
ファイナルに残ったのが10人で回りは重い感じの曲が多くて、楽しくのびのび歌えたらいいなあと思って歌いました。
歌とか表現にも性格は出ると思うし、歌は自分自身からそのまま出すのでいろいろ出易いです。
バリトンですがバリトン歌手ではなくて、池内響という楽器をどんどん磨いていきたいと思っています。