2020年4月24日金曜日

さだまさし(シンガーソングライター・小説家)・ことばの贈りもの

さだまさし(シンガーソングライター・小説家)・ことばの贈りもの
68歳、数々の名曲を世に送り出すだけでなくTV番組のパーソナリティーとしても人気を博しています。
一方でプライベートでは一男一女の父親でもあります。
子育てという日常が自身にどのような影響をあたえたのか、緊急事態宣言が出ている今、親子、家族についてどのように考えているのか伺いました。

不要不急の外出はしないという前提で動ています。
必要最低限の外出はせざるを得ないときはあります。
東日本大震災などで避難所に行きましたが、子どもたちは元気に張り切っています。
子どもたちは両親と一緒にいられるので幸せなんだなあと思いました。
世の中が不安になっている時だから、大事にするということは一つの教えになるかと思います。
曲「緊急事態宣言の夜」地球人同士が戦争している時ではなく、宇宙からの敵をみんなでどうやってやっつけるか、これは戦争だと思っています。
音楽の自由が止められいる、コンサートが止められている。
音楽家は生活できなくなる、平和の上でしか音楽は聴いていただけない脆弱な文化なんだと思い知ったと思います。
音楽が楽しめるような時期を早くするためには、みんなが頑張って乗り越えるしかないと思います。
インフラにかかわる人たち、スーパーの人たちなどは自分たちが働かないと世の中は回っていかない。
医療関係者は命がけで頑張っています。
「頑張れ 頑張れ 病院」の歌詞の後に「頑張れ 頑張れ 子育て」というところがありますが、子育てができる幸福を感じながら、子どもを守るという大切な戦いを生き抜いてほしいと思います。

僕の母が僕の子どもには何時辞めてもいいという前提で音楽を始めましたが、大人になってもやっています。
息子は「大陸」娘は「詠夢」という名前で僕がつけました。
祖母はエンでエムと言っていましたので娘には詠夢という名前にしました。
子どもたちは自然豊かな信州で過ごしました。
子どもには普通は駄目だとは言いました、みんなと一緒ではつまらないからそれはだめだと言っていました。
子どもが僕に言えば何か買ってくれると思うような時期があって、「欲しいんだったら言ってみなさい、それを作るから」と言ったら、「勉強机が欲しい」と言われて、僕は工作が下手でしたが子ども二人分作りました。
なければ作るという発想が大事だと思います、マスクでもそうだと思います。
僕の兄弟は僕だけ音楽をやっていましたし、周りも全部音楽はやっていませんでした。
人と違っているということを自分で認める、そこから自我の目覚めがあったみたいです。
楽器なども上手いから感動するというわけでもなく、下手でも感動するということはあります。
音楽で大事なことはアイデンティティー、声を聴いただけであいつだとわかるのは、宝くじに当たったような感じです。

1991年の曲「息子へ~父からの風~」
*「息子へ~父からの風~」 作詞、作曲、歌:さだまさし
落ち着きのない子だと 言われて育つだろう
俺がそうだった
受験も一度くらい 失敗するだろう
俺がそうだった
きっと女には 結構もてるだろう
俺がそうだったかな
借金なんかも するかもしれない
俺も親父もそうだった
愛する人と別れる苦しみや
憎しみという切ない苦しみや
生きることは辛く恥ずかしいことと
お前も少しずつ覚えてゆくだろう
生まれて来た以上 いつか消えてゆくのだ
それも選んだのだよ

駄目なら駄目で、駄目な自分を笑って認めるようなおおらかさがあるといいですね、なかなか思い通りにならないので。
自分の悪いところは自分が一番わかっているので、この子は自分と同じ欠点を持っていると思えば、叱り方は変わりますね。
幸せはすごく不安定な言葉で、不幸せという言葉と対になって使うんです。
不幸せな人がいないと幸せというのはどういうもの株式会社は判然としない。
幸せは相対的なものだと思います、つまり自分で決める事なんです。
僕は自分でポケットに幸せを持って歩いていると思っています。
取り出せば生きているだけで幸せだと思いますから。
心のポケットを掃除して不平不満を掃き出していって、後に残ったのが幸せですから。
みんなが家にいるということは、いろいろ考える時間を与えられているということですから、自分を解放するにはどんな考え方をしていったら自分が幸せか、楽しいのかまさに幸せと向かい合う時間だと思います。
「コロナショック」は人間と人間を引き離す病気だということを初めて僕が体験するんです。
会えない時期にどう構築していくかだと思います。

「存在理由」グレープ通算46枚目となる2年ぶりオリジナル・ アルバム。
存在理由を簡単に言うと生き甲斐です。
私にとって私はなぜここにいるんだろうということは 他人が決めることではなくて自分が決める事だから生き甲斐です。
駄目な自分も許しちゃおうという提案です。
*「お母さんへ」 作詞、作曲、歌:さだまさし
親が生きているうちに親孝行するのではなくて、親が元気なうちにしなければいけないことかもしれません。
そのためには自分が頑張らないといけないと思います。