2017年10月8日日曜日

戸田恵子(女優・声優)         ・【時代を創った声】

戸田恵子(女優・声優)      ・【時代を創った声】
それいけ!アンパンマンの、アンパンマン きかんしゃトーマスのトーマス、ゲゲゲの鬼太郎の鬼太郎など数多くのキャラクターを演じているとともに、TVでも大活躍されています。
アンパンマンの放送開始が1988年、回数でおよそ1350話。
収録も30年目に入りまして、年に一度映画も作ってきて、来年の映画が30本目なります。
最初のうちは普通の仕事と変わらずスタートしましたが、やなせたかし先生の思いが物凄く詰まった作品だと言うことを、やってゆくうちに皆も感じつつあっという間の30年に成りました。
60歳になりましたので、人生の半分をアンパンマンに費やしてきました。
アンパンマン=柳瀬先生と思っていますので、私にとってアンパンマンは師匠ですね。
他に色々仕事もありますが、休みなくやって来ました。
キャラクターの数ではギネスに乗るぐらい凄い数があるので、どうしても印象の薄い物も当然ありますし、なかなか全部覚えているのかと言うと自信がないですが、或る番組であの時は答えられました。

アンパンマンの世界観を届けようと、週に一回集まってぶれずに頑張っていこうとしています。
初代の監督さんが推薦して下さり、柳瀬さんに聞いていただいて、戸田さんで良いのではないかと言うことになりました。
私にできるのかどうかと思いましたが。(他の人は全員オーディションを受けた方々)
自分たちも楽しみながらやっている番組です。

母親の勧めで小学校5年生からNHK名古屋放送児童劇団に入りました。
『中学生群像』で子役出演、人と会うのが楽しかったです。
お稽古ごと(詩吟、剣舞、お茶、お花、ピアノ、バレエ、書道・・・)も色々やり、とにかく忙しかったです。
劇団に入ってからは忙しくてお稽古ごとは行かなくなりました。
1974年に上京し、スカウトされて16歳の時にあゆ朱美の芸名でアイドル演歌歌手としてデビューしました。
歌手になりたいと言う強い思いは無かったです。
なかなか売れなくて、4年間歌手の仕事をしながらほかの仕事もしていました。
ある番組で一緒になった野沢那智さんから声を掛けられました。
劇団薔薇座」へ研究生として入団しました。
想像以上に地味な感じな劇団で小さくて、地味な感じ。
舞台と言う世界観が、お客さんに全身をさらして、編集とか、カットとかない世界観をお客さんがジャッジするところは、それなりに評価されるのではないかと期待はありました。

野沢さんは外で見た感じとは違って厳しかったです。
朝から夜中までずーっと稽古しなければいけませんでした。
野沢さんに縦に首を振ってもらうために10年間過ごしてきました。
途中で何度もやめたいと思いましたが。
後半は外に出て行くこともありましたが、余りに自由で最初はよそに出るのが怖かったです。
1978年 ロボットアニメ『無敵鋼人ダイターン3』
その前に吹き替えとして行って来いと言われて、『眠れる森の美女』のオーロラ姫役で声優デビューしたが、セリフがあまりなかったが、とてもスムーズにできました。
その時は原音を聞けて色々参考になりましたが、アニメでは何にも音がなくて、なにをどうしたらいいのかわからなかった。
大変苦労しました。

先輩方の声優さん達と毎週会って話をさせていただくことが、大きな力になりました。
仕事自体はそう簡単にうまくいかなかった。
キャラクターに私の血が入っていかなかった。
やって行く間に多少慣れて来ました。
『機動戦士ガンダム』、『ゲゲゲの鬼太郎(3作目)』、『きかんしゃトーマス』に繋がって行く。
声の仕事と言うふうに狭く考えるのではなくて、全部おおきな俳優の仕事の中に一部だと捉えられるようになりました。
経験したことがないこと、特にアニメなど、イマジネーションの世界に入ると、自分で作っていかなくてはいけない発想力というか、そういったものを普段なるべく色んなものを見れたらいいと思うようになりました。
経験だけでなくて、知恵とか知識とかをいろいろ吸収して積んでいこうと思いました。

昔の作品が又若い人がやると言う事に対して、そういう作品に早くから関わっていたことに対しては凄くうれしいです。
若い声優さんに対しては俳優に成りなさいと言うことでしょうか。
自分が演じると言うことが大一番に、体感の中から声優と言う仕事が生まれてくると思います。
厳しい時代があってコツコツやってきたことを誰かが見ていたことが、先々又違うことで芽が出たりすることがありましたと伝えたい。
ボランティアの仕事を50代から始めて、講演会とかで人生観などを話しますが、子供たち向けのアニメーションとか、海外から集めて観てもらいたいと言うような事、広げて全国に持っていけたらいいなあと思います。
国によって切り口が違うので、親などから教え切れないこともあるので映画を観てもらいたい。