2017年10月27日金曜日

松岡享子(東京子ども図書館・翻訳家)   ・わくわく読書(2)

松岡享子(東京子ども図書館名誉理事長・翻訳家)・わくわく読書(2)
東京に戻ってから、自分の家で文庫を開きました。
子供にサービスをすることをしたかった。
家を改造して週に一回近所の子供達に来てもらいました。
350冊ぐらいでした。
6月に開いて12月には倍になりました。
11月頃には登録者が100人ぐらいになりました。
家庭文庫ではアメリカで習得してやりたいと思ったことが100%出来ました。
読み聞かせの反応は凄かったです。
東京にある4つの文庫で働いている人たちが1月に一回集まって話をしていたのですが小さすぎると言うことで、少し大きい図書館がほしいと言うことになり、法人化したらどうかと言う話が持ち上がりました。
最初は建物もなく、アパートを借りて、すこしずつ広げていきました。
建物が出来たのは設立してから20年後になります。
法人化は石井先生の提案で、弁護士さんと話し合って、手続きを始めたが、財産もなく本当は認可されないような状況でした。

石井桃子さん、土屋滋子さん、佐々梨代子さん等が今後10年間これだけの寄付しますということで認可が下りました。
財政的には厳しくて、設立準備委員会の時代から出版を始めてその現金収入があり、支援の賛助会員の支え、寄付などで何とかやってこられました。
現在も厳しさは続いています。
心配性でなかったからやってこられたのかと思います。
一般の人の関心も高まって来ました。
中学に入って英語の勉強を始めましたが、英語が好きでした。
話す事に関しては大学で教わりました。
大阪の図書館で働いていたときに、訳してみませんかと言われて始めました。
その後次々に翻訳をするようになりました。
翻訳の仕事で生活を支えて来ました。

ブルーナさんはデザインの世界でも絵本の世界でも沢山の仕事を残されました。
オランダに行ったときに松井さんはこれはすごい本だと直感されて「うさこちゃん」の翻訳出版をしました。
石井桃子さんから翻訳を次は頼むと言われて、私はオランダ語が出来ないのでオランダ語を勉強すると同時に、野坂悦子さんに原文を単語を一つづ意味を書いてもらって、意味を大事にして4行に収める事を考えました。
オランダ人の勤勉さ、清潔さ、日常の生活をしっかり生きている、そういう子供の生活を本当によく描いています。
いい絵本を読んでやっていると子供達は本の中に入り込んでいると言うことがよくわかります。
子供と一緒に本を読んでいると自分一人では起きない事が起きます。
子供が小さな事に対しても目を通して、子供がいうことでえっと思う時があります。

アメリカにいるときは英語の読み聞かせもやっていました。
反応は全く同じです、同じ所で同じ顔をします。
違うところは日本の子供はキスと言う言葉などには過剰に反応します。
日本語の文章はは高低のアクセントで、英語はアクセントが強弱なので、いい英語の本は声を出して読むとひとりでに強弱のリズムが付いてきて心地良くなります。
200冊ぐらいを訳してきました。
世界中のいい児童文学を日本の子供は読めると言うことが幸せだと思います。
空想の世界の楽しさ、ユーモアとかが外国文学にあるので幸せだと思います。
子供が本を好きになる秘訣としては、子供の生活の中に本があるという事と、大人が子供に本を読んでやる、この二つだと思います。
子供の時に本を読んでやっておいたら、大人になった時にこんないいことがあると言うこともあるかもしれないけれど、子供が子供の時点で楽しい思いをするのだったら、後に影響を残さなくてもいいと思っています。
結果のために今本を読むと言うことではないと思っています。
楽しさを子供の時に味わってもらいたいと思います。