柳原尚之(近茶流嗣家(きんさりゅう・しか)・料理研究家) ・和食を世界に(後編)
次の訪問国ブラジル 日系人が沢山いる国で日系の方々にいろいろ助けて頂きました。
サンパウロ ブラジルの食文化を試めしたかったので大都市に行きました。
アニェンビー大学 調理科で講義、実演、試食を行いました。
ポルトガル語を勉強してこなかったので通訳をしてもらいました。
食の一汁三菜と良くいいますが、バランスのいい食材、普通海外の食事は1回の料理で7~8種類の野菜などを食べるが、日本では14~15種類の食材を食べるのでバランスがいいわけです。
お祭り、正月などの行事食も教えました。
料理に願いを込めると言う事は外国ではないです。
どうして黒豆を食べるのか、まめまめしく、健康的に、という事を英語でしゃべるのは難しい、今回は通訳をお願いしましたが。
そういった話に感激していました。
実演では真鯛が入るので、昆布しめにして刺身盛り、寄せ卵のお椀をだしました。
小池さんという現地の方に食材の仕入れから、試食の用意などもしてもらいました。
クリチバ(サンパウロから飛行機で1時間位内陸) 日系人が沢山いました。
婦人会の皆さんに料理教室を開きました。
30人と聞いていて食材等を用意したが、蓋を開けてみたら60人位出席しました。
NHKTVを見ることができて、私のことを知っていまして感激しました。
筑前煮、いんげんの胡麻和え、茶碗蒸しを作りまして、試食してもらいました。
筑前煮はお婆ちゃんの味がすると言われて嬉しかったです。
マリンガ 日系人のお祭りがありました。
10日間開催 2万人の人口ですが、10万人が来るそうです。
開会式で紹介してもらいました。
ここでも学生、婦人会の皆さんに料理教室を開きました。
ブラジルは日本料理が作り易いです、大体日本の食材が入手できます。
豆腐、油揚げなど現地で作っています。
ブラジリア 日本学校があり、そこで日本語で講義をしました。
IESB大学でも料理科の生徒に講義をしました。
18~70歳位まで幅の広い学生がいました。
一時帰国して次にカナダに行きました。
トロント 総領事館で40名ぐらいのゲストが来て講義と会食をしました。
トマトとだしの話、トマトのスープみたいな煮もの、いぶりがっことクリームチーズ、レッドスナッパー(赤い鯛の昆布しめの刺身仕立て)、鴨丸(鴨のひき肉を丸めたもの)、大根の料理、さわらの竜田揚げなど、食材は主に日本の輸入のものを使いました。
最後のしめはそばにしました。
芸術家の人達のゲストの人たちがたくさん来ました。(ピアノのオスカー・ピーターソンの奥様も来ました)
和食談議をして嬉しい夜を過ごしました。
「酒とバラの日々 "The Days of Wine and Roses"」 (曲が流れる)
ジョージブラウン大学でも講義をしました。
魚をさばいてもらったり、キャッチボール的な講義をしました。
教えてもらって作ったものをパック詰めにして、売ってしまいましたのには吃驚しました。
わさびを摺る方法も教えました、わさびは葉っぱの有る方から摺った方が鮮度がいいんです。
オタワの大学 カナダは英語圏とフランス語圏があるがオタワは両方です。
海外の料理は油と香辛料で味を決めてゆくが、日本料理は水と醗酵調味料で決めてゆくので、日本は軟水で硬水を使うと味が出てこない、水がいかに大事かを説明します。
海外でも柔らかいものを選んで使います。
軟水と硬水で使ったものをつくって、それぞれ味わってもらって、軟水の良さを知ってもらう。
カナダ産の松茸、ロブスターを土瓶蒸し、など現地での食材を使った料理を作りました。
現地にフィットした日本和食を残していかないと残っていかない。
アメリカ CIA(料理のほう) と二つ講習をしました。
魚の置き方 頭を左にすることなどを講義する。
4カ国回っていろいろ勉強になりました。
かつおぶし、こんぶの話をしてもこれは利尻昆布だとかを知っていました。
ただ写真でしか知っていない。
日本人も意外と和食を知らないで忘れてきている事を改めて思います。