2014年8月20日水曜日

中島浩一郎(建材会社・社長) ・私の人生を変えた里山の力

中島浩一郎(住宅建材会社・社長)  私の人生を変えた里山の力
岡山県真庭市 在住 森林面積が8割を占める典型的な山間地域です。
かつては出雲街道を行き来する人でにぎわいましたが、現在は人口およそ5万人、年年過疎化が進んでいます。
中島さんは昭和27年、この地で生まれて、横浜市立大学を卒業後、家業の製材業を引き継いで、中国地方で大手の建材メーカーに育て上げました。
中島さんの経営理念は木を使い切る事です。
修正材や、新たな建材開発に取り組んでる他、木の皮や木くずを燃やして、電気を作るバイオマス発電、製材の際にできる、カンナくずで燃料のペレットを造るなどこれまで廃棄物として処理していた物をエネルギーに変換するなど、木材の力を100%生かす事に取り組んでいます。
特にバイオマス発電は行政も出資し、地域の諸団体の力を結集して、発電会社を作り、来年の春には地域全体に電気を供給する計画が進んでいます。
身近にある森林資源、里山の力を見直して新たな地域作りが動き出しています。

木質バイオマス発電を始めたのは日本で初めて。
木屑をベースに、(皮、おがくず、カンナくず、切れ端等)行う。
16年前から施設が稼働、1時間当たり2000kw  1カ月140万kw/h
原子力発電が 100万kw/h なので約20日間かかってやっている事になる。
当時勝山町と言っていたが、人口が9000何百人だったので、全部まかなえる電力。
工場に利用、100%
1980年代にアメリカでこのようなことをやっていて驚いて、やってみたいと思っていた。
1984年 ボイラーの更新時に175kwの発電を始めた。 今は2000kw/h
設備投資は10億円 銀行にお願いに行ったが、年間3000万円の回収ができると言ったら、黙ってしまったが、なんとか説得して融資をしてもらった。

10年前、木屑を使ってペレットを作って、熱源への利用にする。
灯油の半値で継続的に提供できる。  カンナくずを固めるだけ。
ヨーロッパがペレットを一番使っていて、年間1000万トンぐらい使っている。 日本は6~7万トン。
木材を全部使い切る。
戦前 燃料は山から来ていた。(木と炭)
新しい用途 燃料、発電、   山地残材を持ちだすことができれば利用出来る。
来年 1万kwの発電所ができる。(地域全体が協力して会社を設立)
20年前、講師を呼んできて、勉強会をやって、16~17回開いた。
持続可能な地域にしようと、目の前に在るものを生かそうと、其れは組み合わせだろうと云う事で、地域の人の組み合わせ、ソフトネットワークの組み合わせ、物の組み合わせなどをやれば、新しい事業ができるのではないかと思った。

1997年オーストリアに合弁会社を造ることになり、オーストリアに行く機会があり、急峻な山があり、いろんな新しい仕組みができていて、町ごとバイオマスで熱供給ができている町があり、日本でもできないかと思った。
マーケット、人、技術があったりして、仕組みを作らない限り、資源は生きてこない。
昭和27年に製材市場を地域で立ち上げ、その経験がこの地域のDNAを引き継いでいる。
新しい発電所 民間出資、市が関わっている(バイオマス政策課がある、調整役)
来年4月から発電を始める予定。  1万kw/h 
太陽発電、風力発電と違って、バイオマス発電は常に人間が関与しないと前にいけない。
山地残材を何とか利用できるような仕組みを作りたい。

熊本、高知県にも製材会社を作っている。  従来と違った製材方法。
修正材は平行に張り付ける。
CLT工法 Cross Laminated Timber  直行方向に張って行って大きな板面を構成できる。
厚さが3cmを張ってゆく、6m×2.7m×30cmの塊ができて、其れを建築に使う。
ドイツ人が考えて、最初にオーストリアが展開する。
木材革命と言われるような勢いで、木造建築が立っている。
8階建て、10階建て と言った建物が立っている。
木造だと軽いため、基礎工事も楽になり、断熱効果もあるため、省エネになる。
地震対して圧倒的に強い。  イタリアは地震が多く、一番多く利用している。
イタリアで振動試験ができる装置にCLT工法の7階建てのもので試験したところ全然壊れなかった。
日本でも筑波の研究所で5階建て相当の建物で実験したところ、何にも起こらなかった。
将来的にはアジアに向けて輸出、出来ると思っている。
その為には仕組み作りだと思う。