加藤みどり(声優) サザエさんの声で、45年
74歳 サザエさんの声で出演している「サザエさん」が最も長く放送されているTVアニメとして、ギネス世界記録に登録されました。
加藤さんがサザエさんの声で出演したのが、1969年、加藤さんの声がサザエさんの声にぴったりでTV曲からこの番組一本にしてほしいと説得されたと言います。
アニメ、サザエさんの家族と声優仲間の絆、加藤さんの元気のもとについて伺います。
「サザエさん」、45年になる。
波平、サラリーマンで趣味の広い人、釣りもやれば和歌もやる、何でもかんでもできるが、下手。
船、 日本の母と言う感じ。 優しい母
夫(ふぐたますお)、大阪の人で早稲田大学を出た人。28歳の設定
サザエ 24歳
かつお、小学校5年生
わかめ、小学校3年生
たら、私の子供 2歳半
声優が変わってきている。
波平がここで変わって、変わっていないのが、私と舟さんとたらちゃんです。
始まった時は29歳だったが、今は74歳。
最初の頃は子供の様な声だったが、 西洋形の発声よりも、邦学の発声をやりなさいと言われて、小歌、清元、をやって、今は義太夫です。
もう一つの番組は6時間録音にかかるので、鍛錬、お稽古していないと出ない。
NHKの俳優養成所で取られて訓練して、放送劇団に入れてくれるのかと思ったら駄目で30人会を作ってそこでやった。
NHKがデビューだった。 1969年にサザエさんが始まった。
オーデションだった。 それまで受けたことがなかった。
一言二言でいいよと言われたので、あて馬だと思った。
松本みきさんがOKを出してくれた。 ノー天気の明るさがいいといわれた。
自由奔放なところがプロデューサーの目にとまったようだ。
他の番組は全部降りなさいと言われた時も「ハイ」と言った。
ギャラが安かったが、どうなるんですかと言ったら、お金のことを言ってはいけませんと言われて、あなたにはちゃんとした家庭があるので大丈夫ですねと言われて「ハイ」と言った。
必要な一本になったのは30年後です。
そんなに続くとは思わなかった。 収録が木曜日なので必ずいなさいと、休みはありません、あなたは全部の人に絡むからスタジオを出てはいけませんと言われた。 トイレも行けなかった。
君がそういう事を一生懸命やっているという事で、スタッフは君の為に一生懸命やってあげていますと言われて、その一言でやる気がでてくる。
だから、プロデューサーが亡くなった時にどうなるんだろうと、思った。
周りのスタッフから大丈夫ですよと言われて、何の心配もなくやってきた。
どうして評判がいいのかと言われるが私としては判らないが、演出家のいう事が直ぐにできる様な声優さんになって下さいとは言われました。
台本をその場でくれて、1回絵を見て、はい本番です、と言うんです。
(本来は台本をさきに渡して、何回か練習をやって、大丈夫そうならそれでは本番と言う形だが)
最初は永井 一郎さん(波平)、近石真介さん(ますお) 大山のぶ代さん(かつお) 山本嘉子さん(わかめ) トップランクの声優さんだった。 私が一番キャリアとしてはなかった。
私だけが心配で、他の人は出来るんです。 厳しかった。今では私より上の人がいませんが、
なんでそんなことをするんですかといったら、集中力の問題だと言われた。
何度もやっていると、狎れになってきて皆がだらしなくなってくるので、と言う事だった。
大山さんが高橋和枝さんに替ったが、この二人がいて私は巧く行った感じです。
色々あったにしても私は自然に楽しくやって、帰っておいでと言われているので。
永井一朗さんが1月に亡くなった。
亡くなる3日前に録音を取っている。 何が何だか判らなかった。
「波平」さんと言う形でお送りますと言われて、子供たちは出なさいと言われて、はーと言ったきりだった。
ファンの方たちがずらーっと並んだ。 この番組は凄いんだなあと思いました。
長谷川町子先生の原作が良かったのもありますが、アニメも45年という歳月を皆さんの力があったから続けられたわけで、これだけの方が後押しをしてくださったという事で、亡くなって1週間ぐらいたってしばらく気落ちしました。
どんなに人が変わってもアニメのサザエさんは変わらないんだと、いうそれが一般の家族と同じなんだと、そうなってきたんだという気がしますね。
昭和で、変わってほしくない事がありますね。
一番大事なのはコミュニケートの問題だと思います。
鼻濁音に関しては、プロデューサーからいかんと、流行語はいかん、かつおとは対等に遊んではいいけれど、どんなことがあっても汚い言葉、人を傷つける言葉は全部カットするといわれた。
挨拶はキチンとする。 いってらしゃい。おかえりなさい。
昭和の家族の愛の言葉ですね。 心の豊かさ。
私は昭和の物の無い時代なので、合っている。
65歳以上の方にとっては懐かしい思いがあると思う。
私はもともとは弱いが、気力で持ってきて、65歳を過ぎてからあちこち悪いところが出てきて、病院へ行くと病気ではないんですよ、老化ですよと言われる。
笑い声がいいという事は、発声法から行くと非常にいいボディーを使った声だと言います。
健康のバロメーターでもあるのかなと思います。
音域が物凄くあったが、低い声で何時間でも朗読できる、逆になってきた。
声優になりたいのならドンドンやっていけばいいと思う。 門戸は開かれている。
その時その時に必要なものを自分で得ていけば、努力していけば、しっかりとした社会的な地位はあると思うので。
一昨年、園遊会で、元気な声を陛下に声をかける。
普通は陛下から声をかけるが、判らないかと思って「サザエでございます」と声をかけた。
スタッフの方が、とっても丁寧に一つ一つの台本を作ってくれるので忠実に、監督から言われたことは直ぐ治せるようなもので有りたい。
出来ればこの声でずーと続けて行きたい。