2014年4月20日日曜日

東 洋一(恐竜博物館・特別館長)  ・アジアの恐竜研究センター確立へ、恐竜博士の熱い挑戦

東 洋一(福井県立恐竜博物館・特別館長) アジアの恐竜研究センター確立へ、恐竜博士の熱い挑戦
アジアの恐竜を研究する国際シンポジュームがありました。
このシンポジュームの開催を引き受けたのが、日本で最初に恐竜をテーマにした学位論文で博士号を取った恐竜博士の吾妻さんです。
東さんの恐竜研究はもう40年近く。
現在は福井県立大学恐竜学研究所の教授、福井県立恐竜博物館の特別館長として日本とアジアの恐竜の研究をしています。
大成功のうちに国際恐竜シンポジュームを終えたとういう東さんに永年の研究への情熱と、将来の研究への夢をお聞きします。

原寸大の化石が40~50体展示されている。
スクリーン、音で恐竜時代にいる様な感じ。
昨年7月にアジアの研究者が集まって、グループを作ろうと、アジア恐竜協会を立ち上げて、私は副理事長と言う事で、事務局を日本の福井県立博物館でやってほしいと言われて、担当する。
準備が大変だった。  資金を集めるのが大変。
総参加者が136人 若い人たちのうねりを感じた。
恐竜研究はヨーロッパで発生して、北米で発展を遂げてきたが、最近は恐竜研究の一つの中心がアジアに移ってきた。
羽毛を持っていたんではないかとの研究もあり、羽毛恐竜がアジアから大量に出てきた。
発掘の情報の共有、研究成果を詳しく議論したりする場が持てないかと言う事で、協会を作るきっかけになった。

福井県立大学、恐竜学研究所で昨年の9月 今井君 モンタナ州立大学の修士課程を修了して戻ってきて、卵のかけらが出てきたものを研究してきた。
その中の一つが鳥類の卵で、世界で一番古い鳥類の卵であることが解って、その研究成果を発表した。
その卵は1億2000万年ぐらい前、 始祖鳥が鳥の祖先と言われ続けてきたが、最近もっと古い鳥の祖先が見つかって、1億6000万年ぐらい前に一番古い骨の化石が見つかっている。
鳥の足跡ではないかと思われるものはもっと古いものがある。
現在の鳥類の祖先は、小形の肉食恐竜だと、判ってきた。
鳥の卵を調べると、白亜期の後期、7000万年前までは鳥類の化石の卵が出ていたが、白亜期前期からは見つかって無かったが、今回は其頃の鳥の卵の化石が見つかった。
4mmぐらいの破片。
恐竜もいれば鳥類も共生していた、唯一の証拠。

恐竜をテーマにして博士論文にした。
勝山で発掘し始めたころ、恐竜の足跡と骨を関係付けて、当時の環境はどうだったかと合わせて論文を構成した。
子供のころは恐竜は日本にいなかったので、興味は無かったが、小学校5年生の時に化石採集に連れて行ってもらった。
河原から友人がクジラの化石を見つけて、それがきっかけで化石に興味を持った。
貝の化石、鯨の化石がどうして山の中から出るのだろうとの、思いから興味を持った。
福井県立博物館、昭和59年に開館したが、その2年目に、石川県で女子高校生が発見したと言われる恐竜の歯が持ち込まれた。
恐竜の実物の化石に初めて出会って、調査を重ねると、歯とか、足跡が見つかった。
石川県で見つかった地層が手取層群で、福井県でも富山県でも広く広がっている。
昭和57年貝の化石を採取に来たが、偶然歯の化石を見つけた。
ワニの化石だった。 

昭和63年に予備調査をしたら、運よく肉食の歯が2本見つかる。
発掘調査をお願いしてOKの返事が出て、1年目で骨のかけらを含めて100個でた。
もっと掘るべきだと言う事で、崖を削ってもらって、面掘りをやった。
あごに歯が付いたものとか、質的に変わってきたものが出てきて、肉食恐竜の、爪の化石、大腿部などが出てきて、足跡の化石まで出てきて、二次調査をずーっと続けてきて25年間続けてきた。
その成果を元に恐竜博物館が建設された。
中国の董枝明(ドンチィミン)先生と知り合う事が出来て、先生のところにお邪魔した。
中国の恐竜と縁が深いので、全身が出ているので、福井県で出たものがどの部分か、おおざっぱに判るし、論文も沢山あったのでコピーして、また交流も深めた。

海外との交流も更に深めた。
展示する種類を広げようとすると、とレプリカになるので、レプリカの依頼を海外に依頼をしたり、海外の博物館、研究者との交流も深まることになる。
当館に始祖鳥のレプリカがあるが、大英博物館、ドイツのベルリンにある博物館に頼んでレプリカを作ってもらった。
レプリカと言っても本物から取ったものなので、本当に精巧なものです。
福井県立恐竜博物館が出来たのが、2000年7月。
収蔵システムをどうするか、登録システムをどうするか、内部の整備をしながら、研究もしなくてはいけない、発掘をしなくてはいけない、広報活動もしなくてはいけない。 色々大変だった。 
最初の5~6年は年間25万人の入場者。
7年目ぐらいから増えてきて、今年度70万人を超すのではないかと思う。

恐竜が町おこしになってきている。
子供たちへの教育活動も行っている。 発掘体験、野外調査の学習 歴史など。
恐竜、過去に地球に住んでいた動物 化石を通じて昔を想像する、考える。
科学に親しむと言う事になる。 科学の好きな子供が一人でも増えるように期待したい。
若い研究者に過去のことを伝えて引き継いでもらいたい。
30年ぐらい前は日本には恐竜はいなかったが、外国に負けない恐竜時代の国産の絵が出来てきている。
発掘とか、研究が進むともっと、行けると思う、兆候がある。
翼竜の足跡は勝山から出ているが、骨は出ていない。
たまに地上に降りてきて、休んだり、餌を食べたりするのに地上に降りてきたりする。
どんな翼竜かは足跡だけだはどんなものか判らない。
足跡だけでも4種類ぐらいあるが、どんな形をしているのかは今は判らない。
骨が出てこないと判らない。