2014年4月6日日曜日

保阪正康(ノンフィクション作家)   ・ 特集・昭和史を味わう

保阪正康(ノンフィクション作家・評論家)     特集・昭和史を味わう
36回シリーズで3年かけて昭和の全時代を味わってゆく予定。
「何故今昭和史なのか」
昭和と言う時代にはいろいろなことがあり、色々なことに出会った人はどういう思いで生きてきたのか、それをきちんと調べて次の時代に伝えていきたいと思った。
昭和と言う時代は人類史の見本市である、兎に角人類が体験してきたことをほとんど全部詰まっている。
戦争、占領、テロ、クーデター、革命騒動、貧しさ、議会政治、飽食の時代、軍事指導から民主主義、いろんなものが詰まっている、謙虚に見直すことが必要、国民的遺産であると思う。

一つに日本人が変わったのが、明治維新でいきなり国際社会に出ていった。
二回目の変わり方は、明治以後の政治体制が壊れて、民主主義の形で国際社会に入ってゆく、ここで又日本人は変わったと思う。
元号で見るという事は、いろんな意味で民心の一新、として考える。
元号で見るのは主観的歴史、西暦で見るのは客観的歴史。
昭和天皇の存在、天皇の性格がある意味時代を作っているという事もあるし、時代が天皇の性格を作っているというか、相互の関係性がある様に思う。
元号で見ることに依って判ってくると思う。
昭和は3つの顔を持っていると思う。
昭和20年9月2日が境目、 ミズリー号上で降伏文書に調印 8月15日ポツダム宣言受諾
連合国に占領される。 6年8カ月続く 昭和27年4月28日に独立が回復する。
国家主権を失っている。  どこの国にも大使館、領事館をおけない。  昭和中期
昭和27年4月29日~昭和64年1月7日 昭和後期 と考えている。

昭和の歴史はほとんどラジオの歴史でもあり
ラジオの放送開始 大正14年3月22日(放送記念日)
日本放送協会が設立したのが大正15年8月20日
大正天皇崩御 大正15年12月25日 
戦中、戦意高揚などにも使われた。

ラジオ音声 3つ
昭和初期は昭和天皇の即位式典       昭和3年11月6日  実況中継
昭和中期は出陣学徒の壮行会         昭和18年10月21日 神宮外苑競技場
昭和後期は東京オリンピックの開会式    昭和39年10月10日  日本選手団入場

戦争の痛手から立ち直って、高度経済成長へと時代が突き進むことになる。
昭和天皇の実録が出される。
明治天皇の実録は昭和43年 明治100年のときにだされた。
大正天皇の実録は墨塗りにしてあるところがあり、資料として読みこなすには大変で十分に読みこなす事はされていない。
昭和天皇は20卷ぐらいと言われる(明治天皇の1.5倍と言われる)
在位期間が長いのと、資料がたくさんあるので、其資料がどういう風に使いこなしてゆくか、興味が持たれる。

昭和と言う時代は、人類史の見本市で、日本人の国民性は100年200年後にどのように感じたのか、きちんとしたデータを残してゆくのが大事だと思う。
一人一人がどうやって生きたのか、きちんと記録として残さなければいけないと思う。
時代の歌、
①東京行進曲(昭和初期 佐藤千夜子)  
②麦と兵隊(昭和中期  東海林太郎)  
③青い山脈(昭和後期  藤山一郎

昭和史は記憶を父とし、記録を母として、教訓と言う子供が生まれるのではないかと思う。
過去の教訓を生かして、学んで未来に託す。