2012年9月2日日曜日

山本俊政(岡山理科大学准教授)  ・山村にクロマグロ牧場をつくる夢

山本俊政(岡山理科大学准教授)   山村にクロマグロ牧場をつくる夢
1958年 岡山市の生れ 大手金属メーカーの総合研究所で技術者として20年間公害防止技術や レアーアース、レアーメタル、貴金属の回収技術に取り組んできた
その後魚の養殖関連資材や水族館の設計などを手掛ける父親の会社を継ぎ、沖縄の「美ら海(ちゅらうみ)水族館の設計、施工にも携わりました
2002年 岡山理科専門学校の教員となり、現在岡山理科大学工学部バイオ応用科学科 
准教授として魚の増殖や養殖の研究に取り組んでいます
思わぬことから、好適環境水を開発し、 山の中でもマグロを養殖する可能性ができたのです
うなぎ の問題にしても 乱獲 海洋汚染 漁病の発生 この先100年先を考えると海がはたして我々の胃袋を満たしてくれるのかというと私は疑問です
新たな新天地として山の中で魚工場を作って安定的に優秀な動物性たんぱく質を生産したいと考えています

現在岡山の山の中でマグロが泳いでいる(皆さん驚いている)  200g~500g位のものを昨年8月に入れて、満1歳になりました 約9kg 80cmとなっている
海の中で養殖があたりまえ  水槽は直径8m 水深3m 総水量140トン   
マグロは激突死するので(夜間の異常行動と言っているが) 水槽内に突起物を
作らないようにするとなると円形になる    80~100km/hで泳ぐと言われている   
狭いのでどの程度まで大きく育成出来るか研究している
1200平米の建物に大小の水槽を作ってあり マグロ用が140トン  くえ、ひらめ、トラフグ等が 
35トンとなっている  全部で360トン

高級魚ばっかり 単価の高いものにならざるを得ない   
マグロ 初セリで4千数百万円というのが史上最高の金額が出た
生マグロの200kg、300kgは貴重になっている
2007年にクロマグロの予備テストをする  直径1.2m 高さ2mのタンクで激突死の問題があり 
水槽の色だとかいろいろやっていた かれこれ5年掛っている
黄色と黒のラインを書いている  色は判らないが眼は良い  
コントラストの強い黒と黄色または白で同心円状に書く(注意を喚起する目的)

最初は20cm程度の魚を10本使った  その後100本入れる 輸送中に亡くなったり 肌がすれて
それがもとで表皮が痛んで死んでしまうのが多かった
手探りの状態ではじめた  マグロと語り合いながら改良してきた  まだ手探りの段階  
内陸部の水を使って行う  公的環境水 我々の発想は大量な海水を運んでくるのは莫大な費用が発生する  人工海水はコストが合わない
淡水の中にNa、Ka(カリウム
)を僅かに添加する事で魚を養殖する 
 
開発のきっかけ  海の魚を川で飼えないかとのきっかけをある学生がやった
淡水魚の中のたなごを育てるためにプランクトンを欲しい 
処が自分が欲しいプランクトンは自分達がコレクションしている「わむし」 大きさが良い
この「わむし」(プランクトン)を淡水で育てたい (海水のプランクトンを淡水で育てたい)  
金魚が海で泳げますよねというのと同じ発想
最初取り合わなかったが、やりたいやりたいとしょっちゅう私のところに来る  
根負けしてやってみてはという
それから1週間後に満面の笑みを浮かべてくる  プランクトンができた
(海水のプランクトンを淡水で出来る)
再度やったが出来なかった

経緯を問い合わせると そうすると培養タンクが洗浄不足だった 
海水が残っていた濃度は判らない  
調べて行ったら凄く薄い濃度でプランクトンを育てられる事が判った  眼からうろこだった   
知識を積み込めば積み込むほど頭が固くなる 
絶対出来ない というものを 試してみるのも扉を開くきっかけになるのではないか  
駄目だったら駄目を証明する(自分へのいましめ)
好適環境水の利点は→真水にちかい 魚にとって良く成長する  
海水の中の方が成長を抑制する

海の中は魚にとって決して良い環境ではないという事
好適環境水は人工海水に比べて60分の1の低コスト
魚は自分の体液の3倍の海水のなかで浸透圧調整をやっている  
それにエネルギーを費やしている  彼等にとって過酷な環境なんですね
以前はトラフグ等を海水を汲んで来て何回も全滅させました今は起こらない 
海とは何だという気持ちになる  海の魚は海で苦労して川の魚は川で苦労している
川の中はミネラルが無い   発想の転換です   
水族館の海水は如何に天然の海水に近づけるかと何十年にもわたって研究してきた

私は逆を走った いかに絞れるか  研究テーマの醍醐味がある 
如何に体液濃度を保つかに彼等はエネルギーを割いている 全体の3割と言われている
児島湾は昭和33年に埋め立てられた 父親は水族館の設計、施工の会社を経営    
納期、コストは会社にいた時にズーッと培われたと思う
食糧危機は自然から摂取するというのは限界に来る  今からやっていかないと厳しい   
車エビ、等もやっている  魚工場と野菜棚がある  窒素は魚にとって害になる   
野菜を育てているが野菜は濾過槽になる  水を綺麗にする  ゴミ無 無駄無  
ゼロエミッション  山が有って川が有って海がある   これを水層群の中に取り入れたい 

海の牡蠣をそだてるには山を育てる   野菜は副産物で販売ができる 水も綺麗に成る  
魚も元気になる  一石三丁
現在はまだいろいろ問題もある  沙漠の様な所でも魚工場ができる   
そのためには水をとっかえひっかえすることができない 
常に水を良い状態にしてそれを利用する
捨ててしまう水を再利用する  この春ヒラメを出荷しました 
実は一回きりしか水を変えてない   海老は一回も変えていない
私達が研究しているのはバクテリアをいかに利用して如何に水を綺麗にするか 
高度浄化技術なんです  水が綺麗に成るということは魚が健康になるという事です   
ここをやっていかないと前に進まない

今まで養殖というのは大量のえさをやりますから 水があっという間に汚れてゆく 
それを変えずに浄化して使うことは10年前には考えもしなかった
今改良している トラフグを4500匹 やっている  これで0回を目指している