2011年7月30日土曜日

有馬敲(詩人、作家79歳)      ・生活語で現実を詩に

有馬敲(詩人、作家79歳) 生活語で現実を詩に  
有馬敲詩集 20巻  スペイン・国際詩人賞 アトランチダ詩人賞受賞
1931年 京都 亀岡生まれ 敗戦 13歳の時 先生の言っていることが逆転した 
世の中が信じられなくなる 書き残しておくべきと判断
思いついたことを紙に書いておくようになった  兄たちの本を読むようになる
同志社大学に入る 詩をつくるようになる 
新制大学の1年の時に文学研究会の発起人になり、立ち上げる 兄の勧めもあり、経済学部に入る 同人雑誌に作品を発表するようになる 就職は京都銀行に行く 銀行員、文学、詩人の葛藤があった 
しかし何か仕事を持ちながら詩を書いてゆくのがいいと思うようになる 結婚し、子供が生まれ、こどもとの会話の中から 童詩が出来てきた→若いフォークグループの人がそれに曲を付けて歌いだした  
ジャック・プレーベル(詩人であり脚本家)に手紙を出した 難解な事を単純化する手法が素晴らしい  
中川五朗高田渡とか詩人たちも「ほんやら洞」に来てくれたりして、接点があって自作詩朗読と言うのが独特にあちらこちらへと行った
「帰ってきた酔っ払い」 北山修 加藤和彦 端田宣彦が突破口を開く 
高石ともやの「受験生ブルース」、岡林信康の「山谷ブルース」 関西は当時活気があった (北山修 『戦争を知らない子供たち』『あの素晴しい愛をもう一度』『風』『花嫁』『白い色は恋人の色』『レッツゴー!サザエさん』などの作詞でも有名)  
(加藤和彦 1990年代からは歌舞伎音楽を手がけ、「歌舞伎史上初めて洋楽オーケストラを歌舞伎に取り入れた」と市川猿之助 (3代目)に言わしめた)
(端田宣彦 フォーク・クルセダーズの一員 、「はしだのりひことシューベルツ」や「はしだのりひことクライマックス」「はしだのりひことエンドレス」のリーダー)
1970代前後 高田渡は東京に住んでいたが途中で京都やって来て、フォークキャンプ 
私の詩に曲を付けてくれた  

子供の為に作った童詩の詩に関西フォークグループの人達が曲を付けるようになった 当時、思想が反権力 物事をパロディックに考える 
一つの権威があるけれどもそれを裏返して考える そういうものがお互いに響き合った オーラル派 関西フォーク、自作詩朗読が東京文化と違う自作詩朗読  
銀行員生活をしながら、土、日、休みをとったりして、キャラバンしたりしていた 
1977年支店長からある菓子会社に転職(取締役)することになる 銀行員としてハードな仕事をやって行っていいのか 考えている中 型破りの専務がいて、ベンチャービジネス、銀行員の発想以外の仕事をしなくてはいけない  
開発業務をしていた当時の上司であった 
日記を付ける  鱗三・・・同志社文学研究会時代に講師として呼んだことがある  
当時文学で身を立てたいがどうしたらよいかと椎名麟三さんに聞いた処 「日記を付けることです」と簡単明瞭に答えが返ってきた  
社会へ出てからずっと日記を付けていた しかし発表する場がなかった  
 
椎名(1931年(昭和6年)に特高に検挙されたが、獄中で読んだニーチェ『この人を見よ』をきっかけに転向し、文学を志す。戦後『深夜の酒宴』(昭和22年))で登場)
このノートは墓場まで持ってゆくしかないかと思っていたが、生き恥をさらす思いで、それを今までだしてきた それが20巻
会社に居る頃 サンフランシスコ、モンゴル等に行き 海外へ目が向けられるようになる 最初 韓国のソウルに 詩人大会があり ゆく  
ロッテルダム国際詩祭はノーベル賞クラスの詩人たちが来る 
そこで直に言葉を交わすことが出来た  
1998年コロンビア 大規模で5000~6000人が野外音楽堂のような処へ詩人たちが集まってくる 単に詩集を読むだけではない ノーテキストでやったりサウンドを聞かせる 日本の詩の集会は発表会 (棒読み、棒立ち) パフォーマンス、演技がない  
 
アラブ バクダット イラク戦争の直前で飛行機がバクダットに飛ばない 
ヨルダンからタクシーで10時間以上かかってたどり着いた
バスラ大学で詩の朗読を行った 「広島の鳩」 
日本から詩人が来たというので偉い歓迎された 詩と国際交流が必要だと思う
生活語詩  普段着で詩をつくる (普段使っている言葉で)  
詩というと高尚ですなあ が一般的だが、敬遠されている
自分の普段使っている言葉で詩を書く つまり言文一致の詩  
生活語を使ってゆく (方言語も生活語の中に包含される)

「蝉」・・・自分、 時間 自由の三文字で作った詩
ジブン ジブン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ジブン
ジカン ジカン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ジカン
ジユウ ジユウ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ジユウ(蝉の鳴き声のように朗読する)