2011年7月21日木曜日

青山潤(特任准教授)      ・日本のウナギ 世界のウナギ2

青山潤(特任准教授)     ・日本のウナギ 世界のウナギ2
日本のウナギ資源はどうなっているのか ヨーロッパウナギも日本が食べていた
東アジアウナギ資源協議会(日本、韓国、台湾、中国等)を立ち上げ 
ウナギの資源を守ってゆこうと云う活動も立ち上げる
東アジア領域のウナギの資源がどうなっているかを各国が協力して進めようとしている
日本では資源の調査と言う事で相模川を新月ごとにウナギ調査進める 又NPO 
種子島、宮崎、台湾等で同様の調査を始めている

資源を守る為には 川から産卵場へおりてくるうなぎをまずきちんと保護する 
確実な方法であると思う→川の中の環境を守ることに繋がる
まず東アジアのウナギ資源データをしっかりと集める
聖域みたいな川の領域を作ってその中のウナギを絶対に捕らない(産卵場への確保) 
その発展系として東アジアに楽園のような川を作っていけたらいいなあと思う
青年海外協力隊員だった 

南米ボリビアに青年海外協力隊として派遣されていた その時やっていたのは「虹ます」
チチカカ湖 世界で一番標高の高い大きな湖で虹ますを作って、アンデスの山の中に氷河から
流れ落ちた水が溜まったような大きな水溜まり(湖)がある
標高5000m そこには何もいない(プランクトンはいる) チチカカ湖で作ったニジマスの
子供をその湖に放す 育ったニジマスを売って集落の現金収入にしてもらおうと活動した
現場で仕事をしていると、大学で得た知識などまったく通用せず、自分の無力さを痛感
する様な事がたびたびある

帰って来てもっと勉強しようと 東大、大学院に入学をする 塚本先生の海洋研究所に
入る 最初自分がやってきた淡水魚を希望するが、海の領域が専門の所 
当初川と海を回遊するカジカにするが(現場で通じる実力を付けたいと思っていた) 
塚本先生がやっているウナギの海洋調査に参加して面白いと思った 
塚本先生のテーマは 18種類あるウナギはどのようにして進化してきたのかを明らかにする
→ウナギの多くの種類は熱帯に分布しているので一人で行ってもらう様な事になるよと
言われ、そっちだけに惹かれた

外国に行ってそんなことやってとれるのか(当時誰もやっていなかった)
進化を調べるには遺伝子を使って進化の道筋を調べる研究方法が出てきたのでそれ
を使う事にした
解析には生きているものとか、刺身で食べれるような新鮮さが必要→出来るのかな
観光でいいから一度ウナギが捕れるかどうか見てこい→インドネシアに行くことになる 
これが第1回目の調査となる
インドネシアはウナギの種類が一番多く分布している地域である  
現地の漁師の人に協力してもらい一人で行ったが思いのほか捕れてしまった
苦労はいろいろあったが面白いいろいろな出会いがあった 

最初はバリ島でウナギを捕れた 当地でよく捕れる「タウナギ」(ウナギではない)の中に
1匹だけウナギを見つける 何とか持ち帰りたいと塩付けにして持ち帰ってきた
南アフリカを回った時→本にする 18種類目を捕りに行く トイレ、水事情とか環境条件
が過酷 その中で何とかして集めようとする情熱が凄い
フィールドサイエンス(野外研究)をやっている人達は殆ど同等かもっとひどい状況だと思う 
それを普通にやっている
マラウイ湖の漁村に行ったときに日本の女の子が一人で住んでいて話を聞いたら
京都大学の文化人類学の大学院生 マラウイにおける社会構造の研究データ
ヨーロッパで大學の図書館に行くと100年前、200年前の本が普通に手が届くところに
有って読めるが、日本では触っちゃ駄目と言われてしまう

余裕、文化の違いを感じる
成果があがらない時 しんどい 費用は税金から出ているので切り詰めるけど 
無駄飯食っちゃったと云う感じにはなる
いろんな川、雰囲気、水、環境そういったものを知っていると云うのは それに接して
例え成果がなくても自分なりに糧になっていると思う
研究は一生懸命したからいいってものではなく、成果が上がらなくてはいけない 
成果がどうなんだと云う事が大事 自己満足で終わってしまっては駄目
1種類に対して30個は採取が必要(人間でも一人を以てこれが人間ですとは言い難い
 いろいろな人がいる)

18種類のウナギの遺伝子のデータは持っているが、これに合わない子供のウナギが
捕れるのが判ってきた→いろいろ推定するとフィリピンに行っているみたい
親を探しに足掛け3年フィリピンに通う→山の中の川で新種を採取出来た(特殊な狩猟
民族がいるがその方たちが捕っているのが新種らしいとの情報得る→現地の一般のフィリピンの人から殺されるぞと脅されたが村に行く 合計11日ぐらい村で過ごし40匹捕ってもらい持ちかえる 
ルソン島で捕れた)

ウナギの旅 2000km~3000kmの移動する理由は何なのだろう

インドネシアのウナギが一番古い 古いタイプの遺伝子を持っている
ウナギの仲間にうつぼとかあなごとかはもとかいるが彼らに一番近い親戚は外洋に
いるのはのノコバウナギ、シギウナギという深海魚が一番近い仲間である
深海魚がいきなりなんかのきっかけで川に入って来ているというのがウナギの進化の
道筋でどこで別れたのかは、はっきりとは判らない
一番古いインドネシアのウナギはどこに産卵場を持っているのか、どういう旅をしているのか 
情報がないので産卵場を調べに行ったら
河口から80kmの沖合 日本ウナギは3000km、ヨーロッパウナギは6000km 
と言う物凄い長い旅をする

最初の頃のウナギは短い回遊をしていたのではないか これが進化の中で段々
広がって行って今の数千kmのスケールの旅になったと間違いなく判ってきた
しかしその理由が判らない、知りたい 今 私達はインドネシアだけでなくインド洋、南太平洋
、のウナギの産卵場と彼らの回遊の全貌を明らかにしたと思っている
ウナギを例にしていますが、動物の旅の理由を明らかにしたいというのが 究極の目的