2014年3月10日月曜日

江刺由紀子(読書ボランティア代表)  ・「読み聞かせ」で子どもの心を支えたい(2)

江刺由紀子(「おはなしころりん」代表)    「読み聞かせ」で子どもの心を支えたい(2)
お話ころりんが結成されてから8年経った頃、東日本大震災が発生した。
恐かった、吃驚した、体験したことのない揺れだった。
事務所は浸水50cm)ぐらいだった。
子供は中学校が山の方にあったので、学校にいた。
夫は市職員だったので、市役所に張りついていた状態だった。
母、祖母、叔母3人を見る事になった。
中学3年の娘たちは、中学生にできる事をボランティアでやっていた。
私は炊き出しもしました。 泥かき、整理もしました。
「読み聞かせ」で子ども達の顔は頭に浮かんで、どうしているか心配だった。
避難所で寝泊まりしているメンバーが何人もいるので、子供はどういう状態か調べたら、何もすることがないという事をあちこちで聞くので、手元にある絵本を持っていって、子供たちに話をしながら、絵本を楽しんでもらう様に避難所を回った。
最初が2週間後に廻り始めた。(自衛隊の力で道路も開通した)

「ころりん」が来たと子供たちが走ってきた。
家にある本で読み聞かせを開始した。   仮設住宅にも入っていった。
話が終わってもまとわりついてくる子がいて、僕はお父さんが亡くなって、お母さんは今市役所に行っていて、亡くなった父の書類手続きしに行って、いなくて一人だったんだと話をポロリとする。
駐車場までまとわりついて話をして、手を振ってくれた。
口下手で通っている子だったが、私に言いたかったんだと思った。
子供は物凄く不安定になっているが、普段以上にベターっとくっつけてくる子と、絵本なんか嫌いなんだと叫んでいたり、隅で隠れたり出てきたりする子もいた。
2カ月するとイベントとかもやるようなこともあったりして、無理に集めずにやるようになった。
絵本コーナー等も作ったが、子供がバタバタするので作るなと大人に言われたりしたこともあった。
避難所では子供が読んでほしいものを優先するようにした。

アンパンマンは人気があった、子供たちは大好きだった。
学校が再開されて、子供も落ち着きを取り戻し、本の力は子供の心や知識的な意欲を満たすものがあることを感じたので、本を子供の処に届ける活動をしようと思った。
民営の図書室を作ろうと思った。
子供たちが来るすべがないので、子供たちがいる場所に本を運べばいいとと思って、移動子供図書館事業につながっていった。
5月の初旬にがれきの中にあった中古屋さんが再開して、そのなかに一台を購入して、本を積んで小学校、仮設住宅などに行って本を貸し出したりした。
全国から寄せられた本を使わしてもらいました。
車は65万円だったので私が支払いました。
段ボールに本を入れて持っていくと子供たちは喜んで集まってくる。
11校を巡回して丸3年になります。  現在も続けている。 
お金がかかるのでどうしていくかなあと考えている。

NPOとして行きたいとは思っている。 事務力、会計処理が弱いと思っていて、私たちの力を付けてからでも遅くはないと思っている。(現在 任意団体)
いろんなところから助成を頂いている。
全国の皆さんから募金を募ろうと思っている。
事業は継続が必要なので、資金集めは頭の痛いところです。
大人の読み聞かせという形で、子供たちに携わる人を増やすとい事を事業化している。
たのしみ、生き甲斐がない、子供との接点がないという事で、繋がりを持ちたい。
子供の成長の手伝いをしませんかと言う事で、仮設住宅に入って読み聞かせ講座を去年から開いている。
前半は講座、後半はお茶を飲みながら、おしゃべりをしたりしている。
去年は、大人の参加が900人以上 子供が200人。
社会貢献してもらうために、図書館にも来て頂いて、読み聞かせをやってもらったりする。
高齢者の為でもあるし、子供たちの為にもなり、お互いの繋がりができる。

自分が支援される人になってみると、支援する人にもいろんな人がいて、それはいらないとか、それをすると反って私たちが弱くなってしまうとか、色々あって、地元の被災者にどのようなことをすればいいか、頭が痛くなるほど考えます。
生きる力を、私たちがサポートして引き出すのが、私たちの仕事だなあと思っているので、皆さんのバックアップをする。
それが私たちの読み聞かせだと思っている。
仮設を回っていて思うのですが、大人の方も本がほしいという人は多い。
昔読んだ本をよんで勇気付けられたとか、この本に良いことが書いてあったとよくおっしゃる。
やっぱり本はいいなあと、よく聞きます。
本から教わること、貰う事はいっぱいあると思いました。
目に見える復興に行くのは当たり前だが、やっぱり心を育てる様な活動、私にとっては読書ですが、必要だと思います。

震災を経験して落ち込んでしまってから、子供が段々大人になってゆくのではなく、あの経験があって辛い思いをしたけれども、いろんなことを知って、本も読んで、いろんな人の助けをもらって、地域の大人が頑張っているを見て、じゃあ頑張って行こうかなと、強い大人になっていってほしいので、社会教育も必要。
心の復興も必要、成果のデータが出ないけれども、評価するに十分な活動だと思っています。
困っている方が今何が一番必要なのか、に応じた事業を立ち上げて、被災地の人間が行う事で、私たち自身の心の立て直しにもなるので、一生懸命にやってゆくだけです。