2013年6月22日土曜日

小田兼敏(販売会社会長71歳)   ・世界中で安全な水が飲めるように

小田兼敏(水質浄化剤開発販売会社会長71歳)     世界中で安全な水が飲めるように
世界の開発途上国では日本では考えられない様な、汚れた河川の水が飲料水や、料理に使われています
小田さんは、そうした地域に自ら乗り込み、自身が開発した水質浄化剤を使った安全な水の提供に取り組んでいます
世界中の貧困層に、安心して飲めるような水の提供を図るとともに、水事業によって貧困層への雇用の創出も目指している小田さんに、その思いと将来への展望を伺います

もともとは水の浄化とは関係ない会社に勤めていた  大学は工学部 専門は自動制御
当時、オートメーションと言って能率を上げる盛んな時期だった 非常に大事な学問だった
自動制御にかかわる会社に就職したが、15年勤めて、独立する
当時は自動制御に関する事は、先輩には知っている人がいなくて、私自身が或る意味で天狗になっていたものと思う
それでは自分でやろうと独立をすることにした   自動制御にかかわる仕事
ラインの自動化などの事で、いろいろな会社の顧問を引き受けていた
その間に、光電マークを発明 印刷位置をずらさない様に光で見て、それからカットする位置を自動調整する装置  (特許を取らなかった 当時特許とるのに7~8年かかるし、お金もかかった)
そのうちいい機械が出来てそのような事は必要亡くなるだろうと思っていて、自分の技術を重要視していなかった 今は世界中で使われている

オートドアーロックの仕組みも発明した  符号合わせのキー (これも特許取って無い)
ある弱電メーカーと共同で、発売のところまで来たが、消防法とかで問題があり発売できなかった
その会社のオーナーから、小田さん、10年はやい商品ですねと言われた
水の浄化への転換は?  発明は専門家ではないとできないというわけではないと思う
阪神大震災で、神戸に住んでいて、池があるが汚い水 飲料水は並んでいたら、自衛隊で給水を受けた
頭洗ったり、体拭いたり、食器を洗ったりするかなりの量の水がいる 困った
池の水を綺麗にできたらと思って、持ち前の好奇心で、これを作ってみようという事で取り組んだ

濾過することが必要、京都大学 40年ほど前の文献で 納豆のねばねば成分 (ポリグルタミン酸
が凄い保湿性がある 質量の5000倍の水を抱き込む力がある
これを利用すれば、水質浄化ができるのではないかという文章を思い出して、それを一度実験して見ようと思った  それがでだしです
3gで15万円 買って実験した  いきなり反応があった それからが苦労の始まりだった
後でわかった事だが、水に質 薬剤の量が非常に難しい 
これがいきなり反応 出るというのは万分の1の可能性もない(後で神がかり的なものを感じた)
当時はこんなものかと思ったが、他でやっても駄目だった
一度反応出たものは必ず何かあるものだと思って、いろいろ組み合わせたものを作って、やっていて、ようやく今のものができ上った

ねばねば成分は、納豆菌が自分の身を守るためと、生きてゆくために、作りだしているもの
これを水質浄化に役立てようと、工業化するのは大変なこと、6年ぐらい苦労する 
ひと儲けしたいと思って、道頓堀に、売り込んでやろうとしたが 幅が22m、深さが3.5m、長さが1.5km これを大阪府に1500万円 原価でいいから 3日間で透明にするからと言ったが、返事さえくれなかった  行政は新しい技術に飛びつかない(最近は少し変わりだしてはいるが)
見向きもしない   タイでスマトラ沖地震があった 2004年 
タイ政府から要請があった 是非救援してほしいといわれて行った
ヨーロッパの大型浄水器が据え付けられていたが、埃をかぶっていた
据え付けて帰ってしまったら、現地の人は操作できない  
浸透膜を使ったいいもので数千万円する装置 

私の装置は行って、30分したら、バケツ、ドラム缶とかの水がみんなきれいになる  
それで大喜びしてくれて、1週間滞在して、帰ったら、しばらくしたら、また来てくれと言うのでまた行った
ポリグルハウスと書いた小屋を作って、日章旗とタイ国旗がひるがえっていた
それを見て私もジーンときて、自分のやるのはこういうところなのかなと、日本では冷たくされていたので   次にメキシコ原住民の困っている地域へも行く(ボランティア)
次にツドルというサイクロンがベンガル湾にあって、国際ライオンズクラブから、TVでみて、100kg送ってくれと言われた  1kgで10トンの水を綺麗にする 100kg 1000トン 無償で送ってくれと言ったので無償で送った (原価で6~7万円)  
あれは非常に役にたったので、今度は有償にするので、すぐに300kg送ってくれと言われる

魔法の薬剤だとは思われては困る  農薬、毒物は綺麗にはできないので、飲み水に使うのであれば、最低限、原水は生き物がいる水を使うように注意を喚起している
正しく使われているかどうか、心配なので、バングラディッシュへ直に、見に行く
3000人亡くなる悲惨な状況だった  行ったら、神様扱いだった
サイクロンの時以外でも、常時汚い水を飲んでいるのでぜひ欲しいといわれる
値段を行ったら、それならば買えるといわれる  
村長が是非日本人の手でやってほしいといわれる  最初いった値段から変えていない
1000リットル綺麗にするのに、現地まで薬剤を送って100円かかっていない

薬剤を売ることは簡単には出来ない  最初は潜りでやっていた(使わしてやりたいとの思い)
その後説明販売員の組織を作って、始めた
或るときに、経済産業省の課長が会いたいという事で、あったら、いきなり 小田さんがやられているのはまさに BOPビジネスですと言われた
base of the pyramid  底辺部にいる人たちが40億人いる この人たちに対するビジネスを数年前から欧米では進めている  日本ではまだ一つもない 小田さんがやってるのはまさにそうだと
我が国の経済復活させるのには、40億人市場を開拓するしかないと思っている
大企業にいっても、そこが経済力がついてから、進出しようという意見ばかり言う
それからでは遅すぎる、だから是非自分たちの計画している事に協力してほしいと頼まれた

貧乏会社に国が助成してくれた バングラディッシュの政府が積極的に許認可をしてくれる様になった
それ以後海外 年間30ぐらいの国に行っている  
ソマリア 去年の12月に行った(民間人としては21年ぶり 日本政府としても21年ぶりに援助する)
18か所の給水所を設ける  1ヶ所30トンを作る装置
大手の製薬会社に委託生産している  計量と混合技術はほかの国にはなかなかできない
ようやく売れ出して、いけるような感じになった
日本の社会でもポリグルを使うようになった(工場排水等) 自動車会社のアメリカ工場での排水処理に使ったところ好評であったので、逆に日本で使って見るように逆提案があった

水の分野は幅広くて、産業排水、飲料水、それぞれの国々  
バングラディッシュはバングラディッシュの人が社長になって、独立した会社になっている
日本でもいろんなものに使われる 産業廃棄物をやっているところとか、それもそれぞれ独立した会社にしようとしている
自分の装置に全て日の丸を付けているので、愛国心も出てきて、この国の発展の為には、企業家を育てないといけないと思っている
若い人にその気にさせないといけないと思っていて、常に社長を目指せと言っている
企業家が増えれば増えるほど、国はよくなってゆく わが国だけでななくて、途上国もそうだと思っている
 
企業家を育てたい 大企業では出来ないと思うので
ボランティアでは絶対解決できない 永遠にはやれない 
金のやり取りは必要 いやっというほど経験した  
頑張れば頑張るほど利益が出る(ウィン、ウィンの関係)
今後? 自分では大変だとは思っていない 登山家と同じだと思っている
一つの目標を征服したら、やっぱり次を挑戦したくなる  やっているのが楽しい
水を武器にして、きっかけで社会を変えれるものなら、変えてゆきたい、みんなの貧困をなくしたい  
貧困をなくしたいというのが、最大の目標だと思っている