2014年5月14日水曜日

石飛博光(書家)         ・書に生きる

石飛博光(書家)      書に生きる
石飛さんは昭和16年 北海道赤平市生まれ 72歳 小学4年で書を始め、高校卒業後、東京学芸大学書道家で学び、書家金子鴎亭に師事しました。
書道の基本的な古典を始め、金子氏の提唱する誰にでも読める私文書の創作に精力的に取り組みました。
大学卒業後は高校の教師をしながら、書道の展覧会に出品し、数々の大きな賞を受賞しています。
38歳の時に教師を辞め、本格的に創作活動を展開しているほか、書道の入門書や解説書など多数出版、NHKのTV番組趣味ゆうゆうの出演などを契機に多くのファンから支持されています。
石飛さんの作品は洗練された現代的な表現に加え、文字としての読み見やすさを兼ね備えた作風が評価されています。
現在は日展評議員、毎日書道会理事、そうげん書道会理事長など多くの書道界で重責を務めるほか、大正大学で客員教授として、教壇に立っています。

書道が今、高校生の中で書道に関心を持っている。
書道は一人でこつこつと書くのが、通常であるが、グループでひとつの作品を仕上げる。
「書道ガールズ」で若い女性に関心が高まる。
書は立体的である、運動であると言う事で、皆さん親しんでもらうと、益々面白くなってゆくのではないかと思う。
そういったことは、書道界では邪道だと言われがちです。
若い人たちを引きつける、音楽を演奏する様な感覚で書を楽しんでもらう、事も必要なのではないかと私は思います。
習字で描くという事に対して、形にこだわって仕舞う。
振り子の様に、リズムに乗って楽しい字が書けるのではないか。
先に形ありきではなくて、先に運動、腕を振って一本の線をのびのびと書くんだと、いうところから始めると、字を書くと言う事について、興味が変わってくるのではないかと思う。

漢字には漢字の良さがあり、おしゃれな構成で作品を描くと言うのも大事なことかと思う。
伝統を大事にしながら、今風の空気を盛り込んで、自分の顔、自分のイメージを表現してゆく、それができればいいのではないか。
詩、とか好きな言葉を描いてみようと思うが、巧く書けない、どうしたらいいんだろうと、そこで伝統、古典を、歴史を見つめ直して、参考にして描いてみる。
自分の書きたいもの、昔に還ってヒントを取り入れる、その繰り返しやってゆくのが、いい勉強になると思う。
書の場合に、一番の問題は読めると言う事だと思う。
自分の気持ちを素直に言葉で、字形で、筆の味わいで字が書けたら楽しいと思う。
書くときは3から5時間とぶっとうしで書く時がある。  書くまでに時間がかかる。
書きだすまで1週間かかることもある。 筆を持ったまま1日が過ぎてしまう事もある。
お手伝いしてもらう人から、褒めてもらう、悪い気はしないので、それによって乗ってゆく。

子供の頃は、非常にまじめだった。 それが嫌に思っていた。
小学校の4年生で書道を始める。 
仲間が書道をやっていて、遊び相手がいなくて、母親に頼んで塾に通い始めた。
中学の時には書道をやるのは、私一人になったが、大人と一緒に指導してもらったのが良かった。
高校3年生の秋 東京から金子鴎亭先生が講習にこられて、先生がお書きになる姿を拝見して吃驚しました。
こいう書き方もあるのかと、目からうろこだった。
陰陽伏仰法 筆を持ったら筆の軸を動かしたら行けないと、指導されていたが、
軸を色々な進む方向に倒す、掌が上を向いたり、伏せたりする。
しなやかに手首を使って書く。
作品を持っていって、先生に見てもらった。
書を本格的に勉強するなら、東京だぞと、言われた。
是非東京に行きたいと思って、父親を説得して、翌日先生のところに行って、先生、東京に行きます、よろしくお願いします、と言った。

東京芸術大学に受かって、先生の門下生になる。
全国から来た同級生との付き合いが良かった。  書風に色々特徴があった。
先生の若手三羽からす 金子卓義 矢壁柏雲、私  期待の星だった。
矢壁氏は48歳で亡くなる。 金子孝義氏は63歳で亡くなる。
高校の教員になるが、昭和39年 生徒に恵まれ、その時の高校1年生が一番弟子で、一緒に今もやっている。    器用な人は続かない。
高校生と一緒に書の勉強していた。
昭和55年に教師を辞めて、書道教室をやりながら、本格的に書家としてスタートする。
子供は書道は今はやっていない(高校生ぐらいまではやっていたが)

2011年7月 銀座で個展をする。 2.4m×16m の作品も展示 小さい作品で5m
自然をテーマに作品として仕上げたいと思って、1年がかりで書きこみました。
大震災でやってもいいのかなあと思ったが、作品を書き続けた。
個展は20回ぐらいやってきたが、必死で書いた展覧会だった。
75歳までぐらいは、書道界の為の仕事をやらなければならないと思うが、その後は自分の時間を大事にして少しでも気合いの入ったいい作品も作りたいと思うし、書道を通じて何か仕事ができればいいと思っています。