長田昭二(医療ジャーナリスト) ・末期がんをどう生きる
ステージ4の前立腺がんを患っているという長田さん、抗癌剤の効果が薄れてきた2024年10月に余命半年の宣告を受けました。 医療ジャーナリストとして医療の現場近くにいた長田さんに何故がんの治療をしっかり受けなかったのか、がんにかかった時どのような選択が必要なのか、伺いました。
前立腺がんは骨に転移します。 背骨、肩甲骨とかに今転移が進んでいます。 肩甲骨は今痛みが出てきています。 左手が上にあがらない。 2024年10月に余命半年の宣告を受けましたが、半年たちました。 2020年に血尿がありました。 それより10年前にマラソンをしていて脱水状態でおしっこをしたら真っ赤な血が出ました。 病院に行ったらそれは血尿ではなかったんです。 血液検査ではPSA値が高かった。 段々PSA値が高くなっていってがんが見つかりました。 ステージ1でした。 医師は手術を進めましたが、前立腺を取ってしまうと性機能を失う可能性があるので、超音波治療をやりました。 がんが生き残っていて急速に勢いを増して行きました。 2021年7月に手術でとることになりました。 手術の前の検査で転移が見つかってしまいました。
尿道口検査は凄く痛いと聞いていたので、敬遠していたが、技術が進んで痛くなくなって来ていた。 (受けるべきだった。) 現在抗癌剤治療をしていてその副作用が出ます。 骨髄にダメージが行くので貧血になります。 だるくなる。 一か月に一回抗癌剤をしていますが、月の半分はだるさとの戦いになります。 髪の毛は抜けるんですが、また生えてきてその繰り返しになります。 最初経口抗がん剤を飲みましたが、身体に合わなくて、食欲が全く止まってしまいます。 いまは点滴のみです。 いずれ抗癌剤は効かなくなるという事はわかっていたので、何時まで効くのかは使ってみないと判らない。
東京生まれの59歳。 日本大学農獣医学部を卒業して、新聞社、出版社に勤務して2000年にフリーになりました。 草野球、マラソン、スキーなどをやっていましたが、辞めてしまいました。 合唱はやっていますたが、貧血になると歌えないので、一昨年の演奏会で引退しました。 大学では落語研究会にいたのでしゃべるのも、聞くのも好きでした。 これも一昨年でしゃべるのは辞めました。 今は聞くだけです。
29歳で結婚して39歳の時に2回目の結婚をしました。 こうして余命宣告を受けるとなると一人でよかったなと思います。 (気が楽です。) 『末期がん「おひとりさま」でも大丈夫』と言う本を出しました。 (昨年10月) 或る程度の知識をもっていれば、そんなにうろたえることなく前向きになるのではないかと思いました。
余命宣告はPSA値が上がってきて、医師との間ではそろそろ来たかと言うような感じでした。 自暴自棄にはならなかったです。 変に医療に高望みをすることもなかった。 かかりつけの先生と仲良くしてゆく事、自分をさらけ出す事が重要だと思っています。 患者さんに合う先生を捜してくれたりします。 仕事は続けたいと思っています。 終活を進めています。 友達が多くて助かっています。 検査は重要だと思います。 お医者さんの言うとおりに必要な治療は受けた方がいいと思います。 自分にしか気が付かない変化とかは、なんでも先生に言った方がいいと思います。 がんはこういう風に進んでいくんだなという事を知ってゆく一つの手がかりにしてもらえれば、医療ジャーナリストとしてこんなにありがたい事は無いです。 ウェブサイトに載っています。