2025年4月15日火曜日

野田忠(産直市場運営会社名誉会長)     ・“四方良し”で日本農業の再生を

 野田忠(産直市場運営会社名誉会長)     ・“四方良し”で日本農業の再生を

野田忠さんは89歳和歌山県田辺市にお住まいです。  農家が直接消費者に適正な価格で農産物を販売できる直売所の良さと多店舗で量を稼ぐス-パーマーケットの良さを組み合わせた新たな農産物の流通システムを和歌山県を中心に展開中です。  野田モデルとも呼ばれるこの事業はどのようなものなのか、野田さんの人生の歩みと日本農業再生にかける野田さんの思いを伺います。 

野田さんの会社の32番目の直売所が3月にオープンしました。  今回のは2万坪の大きさがあります。  イベントホール、レストラン、カフェ、フルーツ公園などがあります。  販売だけではなく、地域の人にくつろいでいただくために併設しています。  高台にあるので大災害の時の避難場所としても利用いただけるようになっています。  直売所は多店舗展開をしています。  農産物を中心に地域の加工食品も扱っています。  地域で作られたものを中心に全て品ぞろいをしています。  生産者と消費者が直結するようになっています。   例えば蜜柑の生産者の名前が判るようになっています。   旬を感じるのが大きな特徴になっています。  23年前立ち上げ以来、約1万名の人に登録して頂いています。  売価は当人たちが決めるシステムになっています。  棚など店舗すべてが地元の木材を使っています。  

醤油、味噌などにしても全て地元の加工品です。  肉、魚も地元の物です。 魚は漁師さんがその日にとってきたものその日に出していただいています。  販売品はすべて朝早くから持ち込んで売価を決めていただいています。  売れ筋がいいと2回、3回と臨機応変に補充に来ていただいています。  今では1000万円以上を売っている生産者の方が300名以上になってきています。  1億円以上の人が10名以上います。  登録者は1万名ぐらいで毎月出荷いsている方が5000名ぐらいいます。  100円で売れた時の農家さんの手取りは75円から80円入るようになっています。  普通は35円から40円のレベルです。  収入は倍増していると思います。  私たちはローコストの運営を目指していて、商品ロスも出なくて、ローコストの運営が出来ています。  特別な時にはチラシも出しますが、普段は一切チラシは出しません。  

“四方良し”と言うのは、生産者に喜ばれ、消費者にも喜ばれ、地域循環型なので地域の方にも喜んでもらって、 社員にも喜んでいただいています。  農産物は鮮度が大事で支配?センターから1時間30分ぐらいの距離のところに店舗展開をしています。  近畿地方を中心にやってゆく計画です。  

出社は毎日のようにしています。  睡眠は8時間程度とっています。  ゴルフが好きで80歳ぐらいまでは週に一回ラウンドしていました。  昭和11年生まれで、物心ついた時には太平洋戦争のさなかでした。   農家の3男に生まれました。  高校卒業後、おじさんのところに就職しました。  卸業、小売り業の仕事につきました。  営業、集金などもしました。  昭和33年ごろまでやっていました。  新聞でスーパーの存在を知りやることにしました。  セルフサービスで毎日現金がもらえることに魅力を感じました。   昭和34年に出店しました。  ダイエーはその2年前にオープンいていました。  開店当時は色々と苦労が多かったです。(「特売合戦など)   接客サービスなどでやって来ました。  たまたま直接農家から仕入れることが出来て、品ぞろえが出来ました。  3,4軒の競合店舗がありましたが、徐々に店が潰れて行きました。  うちの店は残ることができました。  

スーパーマーケットの理論を勉強しました。  私よりも10歳以上、上の方々が中心でした。 (ダイエー、ジャスコ、イトーヨーカ堂、ニチイなどいずれも凄い経営者の方々でした。) 海外視察も行い驚きました。  駐車場を広くところでないとなかなお客さんは来てもらえないと思いました。  経営は順調に進んでいきました。  その後地産地消でえスーパーとは違った商品の品ぞろえをすれば、お客さんにも喜ん貰えるのかなと思って、直接農家さんから仕入れるビジネスが成立するのではないかと思って、1号店をオープンしました。(2001年 66歳の時)   半年は苦労しましたが、直ぐに2号店、3号店と出店させて行きました。   日本の農家さんが減少しているという危機感があり、 支援をする機関を設立しました。    55歳以下で新しく農業を始める方に、書類選考、面談をして、年間支給額を60万円として、今年で8年目を迎えます。  毎年20名近くの方を支援しています。  

令和4年のデータ、日本の農業従事者の平均年齢が68,4歳、後継者がいないという事が大きな問題になっている。  20年前は全国で200万戸ぐらいの農家数でしたが、現在は100万戸を切っているのではないかと言われています。  気象変動も激しくなってきています。  国際紛争もあり、輸入にも頼っていきにくい時代が近づいてきているのではないかと思います。   国も国内の農家さんへの支援等、もっと予算をとって頂く様にして頂かないと、食糧事情が大変なことになると思います。