2026年1月27日火曜日

諌山こころ、福井春香            ・NHK障害福祉賞受賞者に聞く

諌山こころ、福井春香           ・NHK障害福祉賞受賞者に聞く         姉と私~心にしまっていたこと 諌山こころ (14)伝えられなかった言葉と、伝わった思い

今回は全国から463点の応募がありました。 第60回を記念して4つの特別賞が設けられましたが、今日はそのうち文部科学大臣賞を受賞した諌山こころさん、ハートネット賞を受賞した福井春香さんへのインタビューです。 諌山こころさんは中学2年生、障害のある姉との日々を姉と私~心にしまっていたこと」と題して綴りました。  又大学4年生の福井春香さんは吃音がある中で挑んだ就職活動について「伝えられなかった言葉と、伝わった思い」と題してまとめました。 

諌山こころさん

今中学2年生です。 理科が好きで、国語は苦手です。 NHK障害者福祉賞では障害者本人か、障害者が身近にいる人、という事でこれは私だと思いました。 姉(19歳)が知的障害とテンカンがあります。  身近な人(両親、クラスの友達)には見せたくはなかった。  祖父母には見てもらいました。 

「私には小さい頃の記憶があんまりありません。 もしかしたら私は小さいころからいろいろなことを無意識に我慢して、心の中に仕舞って来たのかもしれません。」          特別な旅行とかは覚えているんですが、日常のことは覚えていないです。   

「姉には日常の中で手のかかることが多く、自然とみんなの意識が姉に向くようになっていました。 私は姉の着替えを手伝ったり、食べるのを見張って居たり、面倒を見るのが当たり前になって行きました。 いつの間にか私のことはちゃんとしているから大丈夫と思われている気がして、親があまり構ってくれなくなりました。」

こころってしっかりしているよねと言われたのが、小学校の中学年から言われ、しっかりしているんだという事に嬉しいという思いはあるが、かまってくれないから寂しくなりました。  期待に答えなければいけないなあとの思いはありました。  姉への思いが揺れ動く中で、心の内を吐き出すことは余りありませんでした。 (親、友人)  祖父母とは年に数回しか会わないので、今回の作品は読みたいという事で、本を渡して家に帰りました。 祖父からラインで、両親は姉の面倒を見ないといけない責任を持った行動だから、そこまで悲しまないでいいと言ったことを長文で伝えてきました。  「責任」と言う言葉に対して新しい発見でした。「義務」」と言う風に思っていました。  寂しいという感情はなくなりました。  

「私はお姉ちゃんと一緒にいることで、他の人とは違う経験を沢山してきました。  これからも姉のことで悩んだり迷ったり泣いたりすると思います。  でもそれと同じぐらい姉からもらう温かさや、笑顔や、気付きもあるんだと思います。」

姉がいて悪いイメージだったけど、最近学校でも医療系の方に行っていて、姉がいたからこそ医療メディカルコースを選んだと思います。 

「完璧じゃなくていい、わからないままでもいい、でも知ろうとする気持ち、寄り添おうとする気持ちをこれからも大切にしていきたい。」

書いただけだと自分は変わらないと思って、最後に自分はこうしていきたいという事を書こうと思った時に最後の言葉を見つけました。 皆にも知ってもらいたいみたいな感じも入っています。

「友達に姉のことを話すのもまだ勇気が要ります。  でもいつか話せる日が来るかもしれない。」

まだ話せない。  親には社会人として家を出てゆくときに渡したいと思っています。    医者を目指していますが、 心のなかも診ていきたいと思います。          

ハートネット賞を受賞した福井春香さん

ハートネット賞は誰もが自分らしく生きられる社会の実現を願い、取材を続けている製作現場から共生社会の実現のヒントがあり、未来を感じさせる作品に贈られるものです。

誰にも伝えずに応募したのですが、家族、それ以外の方々にも読まれてしまうという事に少し不安がありました。  しんどい就職活動でしたが、面接官の人々に救われて、最終的には楽しく就職活動を終えることができ、気持ちの変化などを記録として残しておこうと思った時に、障害福祉賞と言うものを見つけて応募しました。 母親だけには見せています。

吃音を誰かに打ち明けたことはほとんどありません。  難発といって、喉が詰まってしまったような感じで言葉がでなくなってしまう症状が一番多いです。  3歳ごろに母おやがそうおもったようです。  しゃべれない障害だけれども、しゃべれる時もある。 「おはようございます。」と言う一言も言えない場合が沢山ありました。  電話も苦手で、普通に出来ないという事がしんどいと思います。  なかなか分かってもらいにくい。 

就職活動の面接でどうしても言葉がでなくて、面接官に自分の思いを伝えられないことが沢山ありました。  結果として不合格が沢山ありました。 インターネットで吃音があることを面接官に伝えてみたら、面接官の方が寄り添ってくれたと言う記事を見て、自分も伝えたらしゃべり易くなると思いました。  就職活動は大学3年生の12月ぐらいから去年の5月ぐらいです。  伝えることで自分の気持の持ちようが変り楽になりました。  

「多くの企業の方が、想像していた以上に吃音を前向きに受け止めて耳を傾けてくれました。 就職活動で一番印象に残っている言葉があります。」

或る最終面接の採用担当の方の「勉強しました。」と言う言葉でした。 事前に吃音のことを勉強したという事でした。 凄く嬉しかったです。  そこに入社出来ました。 建設業界の事務所です。 

タイトルは「伝えられなかった言葉と、伝わった思い」です。 今回作文を書いて、吃音があったからできた経験とか、出会えた人とかも沢山いるなって思えました。 吃音も悪い事だけではないと言えるかなと思います。  

「吃音の理解が少しでも広がり、すベての人にとって生きやすい社会になることを心から願っています。」

今は社会人になる事の不安しかないですが、沢山のことに挑戦して、成長していきたいと思います。