いとうまい子(女優・タレント) ・元アイドルから研究者への道へ
いとうまい子さんは1964年愛知県名古屋市生まれ。 1983年に「1億人のクラスメイト」と言うキャッチコピーでアイドル歌手してデビューしました。 ドラマやバラエティーなど数多くのテレビ番組に出演し、ドラマ「不良少女とよばれて」ではヒロイン役を演じ、高視聴率を記録しました。 その後は社会問題にも目を向けようと2010年に45歳で早稲田大学に入学、予防医学、ロボット工学、基礎老科学を専門にするなど、研究者としての道を歩んでいます。 常に新しいことにチャレンジし続けているいとうまい子さんに、人生を前向きに生きる為の秘訣や、その思いについて伺います。
今は研究よりも大学生に教えることの講義のスライドを、来週は何を教えようかとかという事を毎日書いている感じです。 4年生を担当しているので卒業論文についても担当しています。(初年度)
1983年に歌手としてデビューしました。 ドラマ「不良少女とよばれて」ではヒロイン役を演じ、高視聴率を記録しました。 デビューして5年ぐらいで事務所を辞めました。 青春映画なので安心していいよと言われたら、ある時突然脱ぐこと言われて、実は撮影前から私が脱ぐという事が決まっていたようでした。 仕方なくやりましたが、その後写真集でも脱ぐという事を言われて、飛び出すように事務所を辞めました。 それからは10年ぐらいは親しくしてくれていたスタッフなども見向きもしてくれなくなりました。 仕事はなかったが舞台だけはありました。 30歳過ぎまでは地をはいつくばって生きている感じではありました。 段々周りの人の力添えがあって生きているんだなと感じるようになりました。
恩返しをしたいと思うようになりました。 大学に入って恩返しできるものを考えてみたいと思って、大学に進もうと思いました。 兄が飼っていたゴールデンレトリバーの「アトム」を一時期預かって飼っていた時期があり、アトムが「生きているだけでいいんだよ。」「そのままでいいんだよ。」って、教えてくれました。 嬉しい時には本当に無邪気に喜び、悲しい時にはしょんぼりするんです。 自分らしく生きて行こうと思いました。
大学に入る前にある仕事で教授からの話を聞いて、医療の現状において、ちょっとでも自分で予防すれば、医療費もかけずにもっと幸せに健康でいられるのにという事を聞いて、予防の大切さという事が頭に残っていました。 予防医学を学べる大学を捜して、2010年に早稲田大学人間科学部eスクールに入学しました。 (その前の面接では3人の教授から、貴方のような職業の人はすぐ辞めるから入れたくないと同様に言われました。) 学校は27年振りで本当に大変でした。(45歳) 俯瞰して観る自分がいて、そうすると人生楽になります。 予防医学を続けるつもりでしたが、先生が定年退職という事で行く当てがなくて、友達からロボット工学を薦められました。 同大学院人間科学研究科修士課程へ進学、そこで作ったのがロコピョン、老人と共に一緒にスクワットするロボットを作りました。
大学4年までではまだ恩返しできるところまでは来ていないと思って、大学院へ進みました。企業の方と一緒に開発したのがロコピョンでした。 ロボット工学は修士課程迄でしたが、博士課程は違う事を始めました。 基礎老化学の講義があって凄く興味がありました。 その教授に相談しら、教授会でOKがでれば引き受けられるという事でした。 その教授会の重鎮の方々が来て、ロボットをやっている人間が生命科学なんて無理だと言われました。 教授たちがいろいろな質問をしてきましたが、基礎老化学の講義を2年間しっかり勉強してきていたので全部答えられました。 OKとなり博士課程は基礎老化学の方に入りました。
全然知らないことを学びたいという事が根底にあって、誰かが扉を開いてくれてそこに入ってしまうという感じかもしれません。 カロリー制限模倣物の探索と言うのをやっていました。 カロリー制限をするとどんな動物でも、健康寿命が延びるんです。 がん、疾患、糖尿病とかに罹らず健康なまま寿命を迎えるというのが報告されているから、人間でも行けるはずですが、カロリー制限はつらいですね。 赤ワインに含まれるレスベラトロールと言う成分はマウスではカロリー制限模倣物で、それを大量に摂取すると若いまま死を迎えるといういことが発表されて、サプリメントも出ています。 しかし人間には誰も証明されていない。
日本人が食べる日本ならではの食材にそういった化合物が含まれていたら、いろいろ組み合わせて食べたらカロリー制限していないのに細胞が勝手に勘違いしている物質があるのではと、それを捜して実験をしていました。 博士課程でずっとやっていて、その後研究生になっても探していましたが、去年の3月に期限切れで追い出されて続けられなくて、ある紹介で今は東大の研究室のタンパク質などの構造解析をやっています。
ヒューニング、「ヒューマン(人間)」と「チューニング(調律)」を組み合わせた造語で、人が本来持っている能力を最大限に引き出し、最適な状態に調整することを指します。 私がさ迷って這いあがってきた、これが言語化されているという事が判って、こっちの方が大事だという事で、ヒューニングを教えたいと思いました。 目の前のことを一生懸命にやると何かに道が必ず開けます。 しかも「感謝しながら謙虚に」、これに尽きます。 誰も幸せにはしてくれない、幸せは自分が感じるものなんです。