2023年5月10日水曜日

マリ・クリスティーヌ(異文化コミュニケーター)・ボランティア人生からSDGsを考える

 マリ・クリスティーヌ(異文化コュニケーター)・ボランティア人生からSDGsを考える

マリ・クリスティーヌさんは1954年東京生まれで、お父さんはイタリア系米国人、お母さんは日本人で4歳まで日本で育ちました。  その後はドイツアメリカイランタイを初めとする世界各国で生活した後、1975年に日本帰国、タレントとして活躍しました。      現在は「アジアの女性と子供ネットワーク」などを通してボランティア活動を展開するほか、SDGs(持続可能な開発目標(SDGsSustainable Development Goals))やジェンダーの観点から様々な課題に取り組んでいます。  

コロナ禍の後、去年9月にアイルランドに行きました。 スイス、アイルランド、アメリカと回りました。  アイルランドが一番楽しかったです。  小泉八雲の研究もしているので、小泉八雲は小さい頃ギリシャで生まれアイルランドで育ちました。  アイルランド民謡、アメリカのカントリーミュージックも好きです。  カントリーミュージックの原形はアイルランドから来ました。   名刺は8種類ぐらいあります。  その中の一枚が異文化コミュニケーターです。   上智大学で比較文化を学んで、異文化コミュニケーターという事を自分で考えました。   父はイタリア語で話しイタリア文化、母は日本文化、行った先々ではその国の言葉を勉強しなくてはいけなくて、大変でした。  上智にいる頃スカウトされて、レコードを出したことがあります。  海外経験があることから通訳をする機会を得ました。  

「アジアの女性と子供ネットワーク」の本部は横浜にあります。 代表をしています。  タイに行った時に学校に行けない子供たちと出会い、1996年に「WAC・アジアの女性と子供ネットワーク」を立ち上げ、学校をたてられるように寄付を頂きながらずーっとやってきました。   10か所ぐらい作って来ました。  最初、或る企業の社長さんとの対談があり、学校の資金の話をしたら援助しますという返事を頂き、当時で300万円寄付していただき、毎年10年間援助していただきました。  図書館を作りたかったのですが、関西のある方から寄付を頂きました。  退職金で校舎を建てて欲しいというような、人もいました。   いろいろな方から寄付を頂き、恵まれている団体だと思います。  

貧困な村々では子供たちが売られたりしていました。   教育の重要性を感じて校舎という事になりました。   食事の問題もあり、20~30万円で給食のための部屋が出来ました。   子供達の髪の毛が赤くて疑問に思っていたら、ヨウ素が足りないのが原因と言われました。   海苔で対応しましたが足りなくて卵でも取れるという事で鶏小屋を建てたりしました。   そういった応分に出来るプロジェクトをいろいろやってきました。2001年に「アジアの女性と子供ネットワーク」で加藤シヅエ賞受賞しました。

国際連合人間居住計画(ハビタット)親善大使も務めています。   自然災害、人的災害が起きた後に元の生活に戻るための支援をする国連機関として出来ました。  自分たちが安心して生活できる場所を提供できるように活動しています。  地域のインフラを作ることが重要です。   今やっているプロジェクトはケニヤにトイレを作る事です。    社会工学としては社会のシステムをデザイン、作る仕事で、それを勉強したくて東京工業大学大学院に入って、修士課程を修了しました。   

SDGs(持続可能な開発目標(SDGsSustainable Development Goals))のバッジのマークは17色(17の目標)あります。   「開発」ではなく「発展」の方が私はいいと思っています。   生理用品についても日本で使われているものを送っても、焼却できるような処理施設があればいいが、そうでないと川に捨てられてしまったりすることが考えられ、インフラ整備に見合った形で活動しなければいけない。 17の目標がありますが、その国が取り組まなくてはならないものがみんな違うんです。  

般財団法東京都つながり創生財団は2020年に設立しました。  理事長を務めています。  2020年に東京オリンピックが開催されることになり、2021年に開催されましたが、東京都つながり創生財団を2020年に作りましょうという事になりました。 多くのボランティアの活躍を見込んでました。  オリンピック終了後も活躍できる場所を作りましょうという事でした。    東京には世界各地からきて東京都民になっていて、英語のできない人もいるわけです。   そういった方々が自治体とのかかわりも必要で、通訳が居ないような中で、ネットワークのハブみたいな形で出来ているのが東京都つながり創生財団なんです。   もう一つの柱は共助社会、地域によっては高齢者の多い地域があり、イベントが出来ないとか細かなことだとか、細かな話だが大事なものがいろいろあって、共助社会という事で日本人を支えられるようないろいろつくっているのが東京都つながり創生財団なんです。   

地域の街つくりの決定権が男性の場合が多くあり、女性の視点からなされた街つくりにはなっていない。   私が一番楽しくやれるのは異文化コミュニケーションだと思っていて、日本語は豊かな言語であり、素晴らしい文化だと思いますので、世界の人にもっともっと知っていただきたいと思います。  「阿吽の呼吸」ってありますが、これは英語に訳せないんです。  日本の文化を判っているから理解できるコミュニケーション方法というのがありますし、そういう意味では日本は世界に対するメッセージがいろいろあるのではないかと思います。 そういったものをもっともっと発信出来て行けたらいいと思います。